和歌山の件、訂正と補足2020-10-01

PCR活動→TNR活動

うろ覚えで書くとろくなことがない。
あと金額が間違っていたが、こちらは本文でなおした。

あと保健所としたが正しくは「動物愛護センター」でした。

平成31年開設予定で、クラウド・ファウンディングの実施にあたり
「犬猫の不妊去勢手術と簡易な治療も実施する予定」
「そのためには手術台や診察台、麻酔装置など様々な設備や薬品が必要」
とうたっている。

つまり目標設定額の1800万円は
あらかじめ見積りされていたということになる。
だから1800万円かそれに近い額は使用されていないとおかしい。
なのに一度目の説明で使用金額が600万円弱としたのだから、
そもそもどんな計画であったか設計図が提示されるべきなのだろう。
見積もりに対する執行率が30%台というのは、
諸事情があったとしても異常な事態である。

それら用具・薬品を購入した以上、
実際に運用されている必要がある。

すなわち「動物愛護センター」に市の職員として働く獣医師がいて、
商売としての獣医療としてではなく、
行政として避妊虚勢を推進していく計画であったと考えられる。
そこには手術料金は発生しない。
飼い猫等の手術・治療で料金が発生しているならば
事業収益が決算上あるはずである。
市議には突っ込んだ調査が望まれる。

「動物愛護センター」職員は言うまでもなく公務員である。
市職員として報酬は支払われるべきであるし、
手術手当なども市の予算で賄われるべきものだろう。
民間からの依頼に料金が発生しているのであれば、
それは市の収益となる。

もしもこの事業遂行のために発生する人件費・消耗品費など、
それさえもクラウド・ファウンディングで賄うと想定しているならば
毎年クラウド・ファウンディングを実施し続けなければならない。
ざっと見た印象では、この年一度限りのもののようだ。

職員採用は臨床経験者を採用する計画でなければならない。
一度目の説明で
22匹の手術に対して研修という文言があったように思うが、
研修しなければならない職員しかいないのに、
こういった大ぶろしきを広げたとでもいうのだろうか。
必ず現場に対するヒアリング後に
こうした事業計画を立てているはずだ。
まさか、獣医療とはなにかも知らずに
あれもしたい、これもしたいと、
夢だけで計画した者がいるなどと言わないで。

手術を了承している獣医師資格所持職員が存在するはずだ。
ずぶの素人に手術させられるわけがない。
だから施術数が22件などで収まっているわけはあるまい。
必ず獣医療が可能な職員に、
設置趣旨に見合った業務にかなった配置なども聞き取っているはず。
クラウド・ファウンディング終了からまる2年
実際の施術数が200件程度あったとの報告があれば、
この事業に賛同し寄付した人たちの気持ちが
多少なりとも救われるだろう。

市議の質問に対する答弁の迷走ぶりは
市の担当部署の責任回避が原因とはいえないか。

こういう事実が発覚した以上、
和歌山市は「動物愛護センター」計画立案から
「ふるさと納税」募集の経過を広く公表し、
その後の予算消化についても明らかとし、
購入した備品・消耗費もガラス張りとし、
一般財源化を指示したものの処分(訓告・戒告程度が妥当か)をも
検討すべき事案と考える。

特に3度目の説明で目標額に対して
予算消化率が80%になったのは、作為があるようにも感じられる。
計画通りに施設充実は進んでいますという
予算執行状況を示したというような恣意が疑われる。
どれだけ約束を実行したのかは、
実際に避妊・去勢した実績でしかない。

ああ。胸糞悪い。

薬品など消耗品はは有効期間がある。
購入はしたものの使用しないのであれば、
いづれは廃棄の憂き目にあう。
そうなるのであれば無駄遣いになる。
耐久性のある備品とて使用しないのならば無駄としか言えない。

ほんとに…

言葉は悪いが行政による動物愛護詐欺だと言われても仕方ない。
そういう気分になることが虚しい。

和歌山市の動物愛護活動をめぐり2020-09-30

和歌山市で動物愛護のため寄付を募り、
その使途を巡り紛糾していると報道されていた。

殺処分ゼロを目指し避妊手術を施すことを目的に1800万円を目標に
クラウド・ファウンディングを募ったところ、
集まった額は約2500万円に達したという。
今年、市議会でこの寄付金に対する質問がなされたという。
市からの説明は
手術用器具購入費と22匹の手術に疫530万円を使い、
残金はそのまま残っていると説明した。
さらに質問が続いたのだろうか後日2回目の説明があり、
車両借り上げ費や保険代、印刷費などに使用されていて
残額がないと説明された。
さすがに目的外に利用されているとの指摘を受け、
さらに説明する必要が生じたようだ。
3度目の答弁が市議会で行われ
1370万円を使い残りは手付かずであると説明、
市長が謝罪することとなった。
担当職員による釈明では、
予想外に寄付が集まり使い切れなかったため、
便宜上他の費目を割り振り残額を見かけ上なくし、
残余分は一般財源に組み入れ処理したということだった。

基本的に自治体予算は単年度決算であり、
翌年度に繰り越されることはない。
また、余剰金のプールは裏金化しやすく認められない。
そういう中で職員は苦渋の判断をしたのかもしれない。
その点では担当は気の毒なことに
無計画な事業計画につじつまを合わせるという
役所事情に巻き込まれたのだろう。

実施した手術件数が22件とは行政が立てた計画としてひどい。
おそらく和歌山市の保健所に
飼育放棄などにより収容された数は1000を下るまいと思われる。
それらの半数が繁殖可能年齢にあるだろう。
避妊のみを行うのであればさらに半分になろうか。
まあいろいろな変数るだろうが、
行政に持ち込まれるであろう遺棄動物だけで100匹は手術できよう。
どうせPCR運動だったか、
そういう活動に感化され計画されたのであろう。
が、やることがずさんに過ぎた。
手術器具の購入というが、
手術自体を民間の獣医に依頼するのであれば不必要だし、
保健所に設置するのだとしたら、今まで用具がなかったのかと思う。
老朽化したものを新調したのだとしたら、
積極的に手術を行うとの決意であり、
実績が2年で22頭は費用対効果が悪すぎる。
およそまともな計画であったとは信じられない。

手術費用自体は一匹当たり内視鏡手術を行ったとしても
5万から7万が相場であり、それ以外なら3-5万円程度で収まる
当初計画であれば数百頭規模が可能なのにたった22匹。
これでは行政による詐欺的行為と思えてしまう。
詐欺的という言葉が悪ければ欺瞞でもよい。

これが日本の動物愛護の現状であると思うと、
様々な個人や団体が、
寄付金をめぐり疑惑を生じさせるのも無理はなかろうと思ってしまう。

今回の和歌山市の事案は市議の質問により、
総額2500万円は目的に沿った使用が担保されたのだろう。
だが質問がなければ一般財源化された以上、
当初の目的再び割り当てられることはなかったのではないか。

いろんな意味で胸糞悪い騒動である。

またまた修理に出るCDプレイヤー2020-09-28

DENON CD-1500REを購入してから4年になる。
またもCD再生でのトラブルが頻発するため
修理に出すことにした。
TECHNICS SL-P7は特にひどかったが、
MERIDIANも1度修理に出しているし、
他の機器に比べると修理頻度が高いなあと思う。
これまで6台のCDプレイヤーを購入しているが、
ATOLL CD-100は購入して1年だから除けると
5年以内に具合が悪くなり
5台中3台が修理を経験したことになる。60%だ。
この数字の高さは、コンピュータも含めて群を抜いている。
僕がCDプレイヤーとの相性が悪いと片づけてしまう気にはならない。

以前の故障修理に関しては
「どうにもCDプレーヤーと相性が悪い。 」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2018/12/05/9007199
「CDプレーヤー修理完了」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2018/12/13/9011658
で、顛末を書いている。

前回の修理後数か月は問題なく再生していたように覚えている。
が、その後ディスクによっては瞬間スキップするような、
コンマ何秒か音が途切れるような症状が見えだした。
再生するディスクが古い(購入後10年以上経過)ため、
読み取りにエラーが出ているのかもと、
主としてCD再生はメイン・システムで聞くようにしていた。
だが、やはり主としている部屋のサブシステムで
聞くことも結構あるのである。
そしていきなり来た。
数秒以上音が途絶え、以後10分間にわたり断続的に再生する。
ブチブチという音の羅列になり、また数分まともに再生し、
またまた先の症状が出る。
60分弱のディスク再生に90分かかる始末だ。

そのディスクを他の機器、DENON DCD-1300とATOLL CD-100で
それぞれ再生してみても通常の再生ができる。
これまで、この再生はちょっと異常だったかと思われたディスクも
やはり何の問題もなく再生できる。

症状から考えれば、ピックアップか回転系か、
あるいは伝送系回路の配線不具合が考えられそうだ。

前回の修理代が2万円程度、
購入が15万円だった。
今回の修理が、それなりにかかるようなら、普及機が一台買える。
なんだか馬鹿らしいことになる予感満載なのだ。

DENONブランドは信頼していただけに
とっても心外なのである。

合理的にあり得ない 柚月裕子2020-09-24

講談社文庫。副題は「上水流涼子の解明」。単行本は2017年刊。

「孤狼の血」「盤上の向日葵」で知られる著者の

それぞれ確率的、合理的、戦術的、心情的、心理的とされた
5編の短編からなる一冊で、そのタイトルに沿った解決が行われる。
この趣向と、美しい元弁護士・涼子を探偵に、
知略に優れた木山が助手役に据えられた二人のキャラが物語を彩る。
5つの作品を読み進めるうち、涼子と貴山の人物像がはっきりしていく。
涼子が弁護士資格をはく奪されたわけ、
貴山が涼子の助手を務めるわけが浮かぶ。

預言者を信じる経営者、悠々自適の引退生活で金遣いの荒くなる妻、
賭け将棋に興じるやくざ、孫を連れ去られた企業グループ会長、野球賭博でのトラブル、
解決に至る道筋はいろいろあれど痛快である。

事件解決に導くのがミステリの主流だが、
柚月さんのこの作品は事件に関わった人物の心情を解決することに向けられている。
こういう作品の趣向はめったにお目にかかれない。

童の神 今村翔吾2020-09-24

ハルキ文庫。単行本は2018年刊

昔話だとか伝説・民間伝承には、失われた事実が隠されている。
そうした研究は実際に行われていて、いくつかの消された歴史が復元されてきた。
正史は、勝者の側が編んだものであり、敗者には別な見え方があったであろうことは
わざわざ述べるまでもないことだろう。

さて、この「童の神」は、御伽草紙などで知られる酒呑童子だとか茨木童子といった面々が
源頼光と四天皇と激突する活劇になっている。
童はしもべという意味があり朝廷の奴婢的な存在で
中央から、武力的に圧せられており、重税を課され苦しさに耐えている。
そういう現状を変えようとする者が朝廷にいて、
そえを利用し政界でのし上がろうとする者がいる。
後に「安和の変」と名付けられる騒動がプロローグとなる。
平将門の落胤が登場したりとプロローグだけですでに一作品できそうな豪華さなのだ。

いよいよ本作の主人公が登場する。
越後の連家に「安和の変」後の日食の年に生まれた桜暁丸。
後に酒呑童子と呼ばれることとなる。
師に恵まれ文武に秀でた存在となるも
重税を課された越後は、源頼光に襲われ一族滅亡に合う。
そして京周辺に出てくることとなる。

やがて各地の童たちと親交をかさね、その中心になっていく。

人として当たり前の生活が得られるようにと奔走し
やがて朝廷との闘争になっていく。

結末は打ち滅ばされるには違いないが、
源頼光をはじめとした中央政界の権謀術数に対して
真っ正直な戦いを挑み続け苦闘するさまを読ませる。
「鬼に横道なきものを」。最後に置かれたセリフが清々しい。

高橋克彦の東北4部作に匹敵する傑作。

気が付けば…2020-09-23

「ごお」が亡くなってから15年目に入った。
永い時間という思いはない。
まだ昨日のことのような気もする。

あれからジョンが、「そらん」が、「はいら」が鬼籍に入った。
振り返れば沢山な時間が過ぎていると気づく。
だけど、その時間は一瞬のことのように思えてならない。

一番素直で、力持ちで、泳ぎ上手で、頭が良くて、優しくて…
もう「ごお」以上の犬と会えないことに怯む。
美点を懐かしむとき、空隙を埋められないと諦める。

金色に輝く毛並みを持つ「ごお」だった。
その毛並みで輝いていておくれ。あとをみんながついていく。
いづれは…

たこ焼きの岸本 蓮見恭子2020-09-22

ハルキ文庫。書下ろし作品。2020年度【大阪ほんま本大賞】受賞

住吉大社は大阪屈指の初もうでスポットで、
周りの様子はこの50年でずいぶん変わったものの、
大阪では唯一となった路面電車が走る地で
昔の下町然としたたたずまいを色濃く残しもしている。
また、招き猫で有名な初辰参りなどは、
商売人が信心し続けている習俗もある。

僕は長らく足を運んでいないが、
初辰参りは20代後半から30代にかけての4年間、
あのかわいらしい小さな招き猫欲しさにせっせと通ったことがある。
そうした時に見た街の様子が、この作品には滲んでいる。
どんどんと東京化(繁華街は新宿、住宅地は洒落た街並み)していく。
そんな中で雑然とした昔の下町風情が色濃く残るところなのだ。
このような町が残る場所はほんとに少なくなった。

そうした土地柄は住人の気心が通じ合う、
言い換えれば少しおせっかいな結びつきが残るのだ。

この作品には、失われていく人情が描かれている。

これがノスタルジーな物語であることが悲しい。

椿井文書 馬部隆弘2020-09-18

中公新書の一冊。

椿井文書というのは、地域史で相当数引用され、
その存在が半ば公認されている。
江戸後期に生きた椿井政隆が創り上げたもので、
現在では偽書とされているのである。
しかし今にあっても、その内容は事実として流布し、
その近畿一円で多くの寺社縁起や旧家の家系図などに
影響し続けているらしい。

そもそもなぜ信じられたのかといえば、
他の文書との整合性を保つよう、人が望む形にうまく適合させ、
抜け落ちた部分を補完する形で創られていることにあるらしい。
作成に当たっては利益相反するものにも一定配慮されているから、
総論になっても受け入れやすいようになっている。

政隆は何のために偽書を作ったのか。
椿井文書の頒布過程では売買されていることが指摘されている。
買い求めた者の利益を導くように作られるのである。
買った者は利益を確保するためには積極的に開示する必要がある。
つまりは強い伝播力を有することとなる。
それは広く事実として流布し、さらなるすそ野を広げる元となる。

このようにして椿井政隆の創作による文書が広く広まった。
そのことを否定してしまえば、その地域の歴史通念が崩壊してしまう。
偽書との指摘があっても、
何らかの事実があっての文書であらねば困るのである。
だから命脈を保ち続ける。

数百点もの絵図・文書を、相互に関連させる手腕は見事である。
天才であったということなのだろう。

こうしたことを著者は、実例を挙げつつ本書をまとめている。

歴史家の指摘は下手な小説以上に面白い。

水壁 高橋克彦2020-09-17

7月に講談社文庫から刊行された2017発表の作品。
「風の陣」「火怨」に置かれる時系列にある。
歴史事実を東北から見つめ再評価する小説。
この後に「炎立つ」が続く。

阿弖流為の刑死から75年、蝦夷は朝廷の圧政に苦しんでいた。
阿弖流為から4代めの天日子は蘇我一族の下にいた。
彼は苦しむ蝦夷たちを救うため立ち上がる。
集まった者たちはいかにして朝廷に立ち向かうのか。

中央に対して戦いを挑み
唯一勝利を得たとされる「元慶の乱」を題材とした
痛快な小説。

が、資料の少ないのが災いしたにか、
臨場感や躍動感がやや不足したやに思えるのだ。
単独で読むのではなく、「風の陣」「火怨」と、
順を踏んで読まないと後悔する羽目になる。
そのように思うのです。

祭火小夜の後悔 秋竹サラダ2020-09-16

角川ホラー文庫の一冊。日本ホラー小説大賞受賞作。
帯の「新しい恐ろしさに惹かれて購入した。
おどろおどろしさは感じない。たんぱくな中に怖さがある。
特殊な能力を持つ霊能者が活躍するというものではなく、
知っているから対処できるという設定になる。

ここに登場する怪異たちは、
明確な意思を有し人に害をなす存在ではなく、
彼らなりの規範をもって行動していて、
彼らなりの理屈が時として人に障るという存在だ。

古い校舎で床板を裏返していく「あれ」。
たまたま返される板の上にいると飲み込まれてしまう。
夜に現れる奇怪な虫「にじり虫」
人に願うものを与える「しげとら」。
10年後に貸したものを取り立てに来る。
それぞれに不気味な存在であり、関わる側次第で恐怖をもたらす。
本質は無邪気なものでもある。

さてこれら怪異に遭遇した人たちを救うのは
日本人形のように長い黒髪の美しい祭火小夜である。
兄が教え残した不思議な存在の知識を持っている。
それぞれに怪異に出会った者たちにアドバイスを行い助ける。

助けられた者たちは小夜に恩義を感じ惹かれている。
そして中編ともいえる「祭りの夜に」になだれ込む。
3人の協力を得て過去に干渉する冒険譚になっている。
兄を殺した怪異と対決し、兄の死を阻止しようというのだ。
ここに登場する怪異が一番の恐ろしさを持っている。
なぜ小夜の兄が死に至ったかも明らかにされる。
結末はパラドックスがあるように思うが、深く悩んではいけない。
そんなことがあるもんだと読み終えるべし。

「祭火小夜の再会」は、続編。こちらも4つの連作短編である。
前作に続く時間の「証」は
小夜の中学時代の同級生・浦澤圭香の災難に始まる。
二つ目以降は小夜の中学時代が描かれる。
そこでの圭香との親密さを思えば「証」での関係が謎めいてくる。
その謎は4作目「レプリカ」で解き明かされる。
優しい怪異の存在に驚きを覚える。

ストリー展開がいい。こういうの好きだ