雨ばっか2006-03-01

このところ雨降りが多い。
雨の散歩は大変である。
腹当てをつけ、レインコートを着せて、
帰ってきたら手足を洗い、それから体中を乾いたタオルで拭く。
強い雨だと2頭同時に行くのは無理っぽいので
時間は倍かかる。
あまりに強い雨のときは短縮した散歩で済まそうと試みるのだが
うちのお犬様たちは絶対に許してくれない。

今日も雨だったので、やっとこさとお世話終了したところだ。
ジョンには「ごお」のレインコートを着けている。
一回り小さいジョンだけれど、どういうわけか「ごお」のレインコートが
ぴったりしているのだ。
「ごお」のお下がりということでは、首輪もリードもそうだし、食器もそうだ。
「ごお」の遺品として記念に残したのは
一番古いリードと死んでしまったときつけていた首輪だけ。
それらは「ごお」の体臭が染み付いているものだ。

ジョンはうちに来てから10日間なのに
すっかりとずっと居てたよという顔で寛いでいる。
でも、抱っこには緊張しているためがちがちだし、
ねんねさせてひっくり返されるのにも戸惑っているよう。
それでも少しずつ力が抜けてきた。

ジョンを見ていると、なんだかずっと一緒にいたような気がする。
それから「そらん」もとても慕ってくれている。
2頭とも可愛いし、よく言うことも聞き、なついてくれている。
だけれど「ごお」に感じていたものとは違う。
「そらん」もジョンもいい犬だけれど「ごお」を思う僕がいる。
いつか「ごお」を越えていけるのか、「そらん」よ。ジョンよ。

今日はいい天気2006-03-02

さっそうと乗り込む
今日から明日にかけて「そらん」が警察犬の捜索試験に行く。
ハンドラーは訓練士がする。
奮闘振りを見に行ってやりたいところだが、
警察施設を使用するため、完全クローズドだということで、
飼い主という資格では入れないらしい。

「そらん」が僕のいない場所・空間で一日を過ごすのは2度目の経験である。
初めてのお泊りは『ボス』ちゃんのところ。
『ごお』も一緒だったし、子犬の頃だった。だから2年ぶりとなる。
最近のくっつきぶりを見ていると、
『ごお』のように分離不安に陥らないか、少し心配しつつ、期待していたりもする。
僕は今の時点で、すでに少し寂しい。
僕ほどには、キット『そらん』は寂しがらないように思うのだが、
やはりどこかで寂しがっていて欲しいなんて思ってしまう。
身勝手だねぇ。

間もなく訓練士さんが迎えに来る。
『そらん』は喜んでクルマに乗り込む。
明日が試験本番とのことだ。
できれば合格して来るんだぞ。

ぬしさまへ2006-03-02

畠中恵 新潮文庫 476円(本体)

「しゃばけ」シリーズ第2作。
「しゃばけ」が長編だったのに対して、
こちらは短編集。表題作他全6編が収められている。
「しゃばけ」シリーズには、様々な妖怪が登場するが、
それらが人間臭い。
主人公・一太郎のおつきの手代、仁吉と佐助は
それぞれ白沢・犬神という大妖ということだが、
なかなかそれらしいところは見せない。
むしろ、前作で祖母・ぎんが、実は齢三千年という大妖ということもあり、
一太郎のほうが、よほど怪しい光彩を放っている。
妖力らしいものこそ持たないが、人ならぬものを見ることができ、
それらと会話でき、且つ助力を得られるというあたり
既に人であることを越えているといえるように思う。
病弱で、一人では何もできないと本人が自覚しているが、
有り余る知恵で、怪事件を解決に導くあたりは、
鬼太郎といい勝負と思うのだ。

本作品集では、「仁吉の思い人」で祖母・ぎんの過去が語られる。
手代の仁吉が一太郎に寄せる思いの訳も語られている。
そこにも、ここにも人情が溢れているのである。
よほど妖怪のほうが人情味に溢れていると思えてしまうのは
作者の江戸時代への憧憬がなせるところか。
現代に妖怪たちの人情が照射している。

7点

ひなまつり 関係ないかな2006-03-03

昨日は「そらん」が外泊のため、
昨晩と今朝はジョンとゆっくり散歩してみた。
昨晩はグランドでジョンを放して走りっこをした。
結構がんばって走る。遊び好きな一面が見えてきた。
今朝は長い散歩コースを選ぼうと思っていたら、
一番小さなコースで帰ると言い出した。
足の調子が思わしくないみたいにも見える。
ところが、今晩「そらん」と一緒の散歩だと一所懸命歩く。
どうもジョンのパターンはつかみにくい。

「そらん」は夕方帰ってきたらしい。
外泊は楽しかったみたいである。
試験の結果は後日分かるらしい。
それなりにやっていたということだが、
合格する犬は少ないので、期待はしていない。
むしろ合格したら嘱託犬になる可能性もあるので、
犬と遊びたいだけの僕としては複雑な気持ちなのだ。

ジョンは「そらん」が帰ってきたとき
2階から一目散に降りてきてお出迎えしたそうだ。
「そらん」は、そんな健気なジョンと遊んでもやらなかったそうだ。
だけど、夕食後は仲良く2階に上がり一緒に寝ていたということで、
お互いに馴染んできてはいるみたいだ。

たった13日目にして、ジョンはすっかり溶け込んでいる。
「ボス」ちゃんに雰囲気が似ているということもよかったのだろう。
人間は違和感なく受け入れることができた。

わずかな日数で、昔から住んでるよという気にさせるとは
我家が暮らしいいというべきなのか、
それともジョンの個性ゆえなのか。

パートナーズハウスに行く。2006-03-04

今日でジョンが来てから15日目。
すっかりと寛いで10年もこの家で暮らしているよ、という感じのジョン君と
「ごお」君が好きだったパートナーズハウスに行った。

「そらん」は、ここよりドギーズパークや犬の牧場のほうが好きなようだが、
ここにクルと楽しいのは、グーレートデンのクル君に会えること。
ちょつとしつこくしすぎて教育的指導を時々受けているが、
ぜんぜんめげずに絡みつくように遊びに誘う。
クル君とは、少しだけ年下なのだが、
「そらん」4ヶ月間頃から、ほんまに可愛がってもらっている。

ジョンは、はじめての犬が苦手なので、「そらん」の後か
僕の後を付いて回っている。
それでも、毎日の生活で見せる老いのジョンじゃなく、
元気に走り回る姿を見せてくれている。

何度も通っていると、そのうちにジョンにも友達ができるかも、と、期待する。
ジョンは「そらん」には吠え立てて遊びにかかるし、
なんと「そらん」君に乗るしぐさまで見せ始めている。
もっとも「そらん」が一声威嚇したらすぐにしゅんとしてしまうけれど。

写真は「そらん」について坂道を疾駆するところ。

サプリメント2006-03-05

哀れミッキー、脳挫傷。
「ごお」君が老いを見せ始めた頃から
犬用サプリメントを使うようになっている。
あいにくと「ごお」はいなくなってしまったけれど、
「そらん」には転ばぬ先の杖というわけで、
グルコミサンプラスをあたえ続けている。

さて、ジョンだが健康診断の結果、
異常はまったく見られなかったのだが、
関節の老化だけは進行しているようだ。
歩き方などを見ていると鈍い痛みがあるのかもしけれない。
そこでジョイント・レスキューをあたえてみることにした。
(ジョイントレスキューがどういう商品化は次を参照)
http://www.rakuten.co.jp/dogneel/816438/816594/
とりあえず一ヶ月与えてみて症状が改善されるか見てみようと思っている。

こうしたサプリメントは、それなりに値が張る。
人間用と同じ程度の価格が普通である。
成分の事を考えたら当たり前なのだが、
一ヶ月で7000円は、いかにも痛い。
こんなときに助かるのが割り引き販売をしてくれる店の存在だ。
僕は新潟のペテックというショップを利用している。
http://petech.jp/models/top.php?id=
どなたか他にいいショップ知りませんか?

美原ドッグランに行く2006-03-05

2日続けてのドッグラン行き。
今日はおとなしく家で寝ていようと思ったら、
2時ごろ、「そらん」が2階に駆け上がってきて、
念入りにフルコースで命令に来た。
ヒップスタンプからのしかかり、顔面嘗め回しの後吠え立てる。
ええ天気やのに、なにしてんねん。どっかにいかんかい。
ちゅうことらしい。

仕方がないから、食事がてら遊びに行くことにした。
堺市のアースコートを目指したのだが
あいにくと盛況のため、コートがふさがっていたので、
美原ドッグランに回った。

ジョンは2日続きのドッグランは老体にはこたえたようで
あまり元気に走るということはない。
それでも小さな犬を興味深げに相手していた。

「そらん」はバーニーズを気に入ったようで
追いかけてはマウントしに行くので、
仕方なく繋いでおくこととなった。
バーニーズがランに出てくるたび繋がねばならないため、
せっかくランに来ているのに走れず遊べず、
もったいない限りだ。

バーニーズが帰ってから、ラブラドールの元気なのと、
乗ったり乗られたり、取っ組み合いをして、くみ敷かれ、組み敷き、
盛大に1時間ほど遊んだ。

ジョンはあまりにたくさん昨日から走ったり、歩いたりをしたもんだから、
既に夢の世界に入っています。

相変わらず跳ぶ2006-03-08

4日に撮った写真を整理してみると、
こんなのが撮れていた。

相変わらずの「そらん」。
お前はやっぱりコールテンじゃ!

私が見たと蠅は言う2006-03-09

エリザベス・フェラーズ 早川文庫 720円

1945年に発表された作品ということで、もはやミステリの古典である。
新訳になり、初訳に比べて明るいものとなったそうだ。
確かに随所に軽やかな人の息吹が感じられる。
古い作品だけに、捜査手法などで違和感を感じるところもあれば、
精神分析のところでも、定説とは異なるところも感じる。
しかし、作者は論理性を損なうことのない意外性を
時代背景も上手に利用して用意して見せている。
今でも読んでおもしろいと感じ゜させる

物語はロンドンにある安アパートで起きる。
それぞれに癖のある住人たちが住むアパートの一室で
拳銃が発見される。
以前の部屋の住人はフランスに行くといい出て行ったのだが、
その当人は射殺死体で発見される。
発見された拳銃が凶器と判明する。
アパートの住民は、この事態に疑心暗鬼を起こし
それぞれに推理しだし、犯人探しを始めた。

それぞれに不可解な部分を持つ住人たちの犯人さがしが二転三転するうち、
意外な事実が明らかになる。
そのときヒロイン・ケイは、真犯人によって襲われることとなる。
絶対絶命のケイがとる行動と、その結末はうまく時代背景をつかんでいて
この物語のかるみの成立に寄与している。

8点

あたしの一生2006-03-10

副題は「猫のダルシーの贈り物」
ディー・レディの作となっている。江国香織の訳で、飛鳥新社から、1400円

僕はペットを飼うなら犬以外には考えられない。
世の中ではウサギやいたちの類、爬虫類にむ両生類など、
僕にとっては考えもつかない動物を飼う人もいる。
猫を飼うというのも、実は僕には考えられない行為なのだ。
猫のような人から独立して暮らす傾向のあるものと一緒で、
いったい何が楽しいねん。なんて思っている。
ずっと昔、うちに猫がいたことはある。
母が無類の猫好きだったのだ、姉も猫が好きだ、
僕はといえば、猫が可愛いとは思うものの
シンボルとしてのみ捉えているように思う。
猫のごとく自由に生きたいと憧憬を抱く。
だけれど、決して飼おうとは考えない。

それが、この本を読めば揺らぎだす。
ここで語られる暮らしは、それほどに魅力的だ。

ダルシーと呼ばれる猫の視点でかかれるこの作品は
ダルシーと「ダルシーが「あたしの人間」と呼ぶ女性との
17年間を描いている。

様々な事故や事件を乗り越えていったとき、
ダルシーと「あたしの人間」は落ち着いた穏やかな時間を手に入れるのだが、
穏やかな時間はダルシーの発病によって、
「あたしの人間」の願いにもかかわらず、その時間を閉じようとする。
その最後の瞬間が、限りなく美しい「愛」だけに、
最後までほんわかとした気分で読み終えることができる。
ほんとのところは、飼い主としてのつらい決断をしているのだけれど。

この本を読んで、「ごお」との日々がかぶってしまった。

9点