ハリケーン・トリマー2008-02-21

柳川喜弘  日本文芸社   552円

「漫画ゴラクネクススター」に連載されていた作品だそうだ。
著者の柳川喜弘の作品を読むのは、本作品が始めて。
漫画家歴は13年にも及ぶそうだが、
大ヒット作というものに恵まれていなかったようで、
コミックバンチに連載した「眠狂四郎」や
「咲いて孫一」という作品が代表作ということになるらしい。
時代劇コミック作家としては、それなりの人気があるようだ。

「ハリケーン・トリマー」は、現代が舞台。
主人公に時代錯誤の派手なリーゼント姿のジョニーを据えている。
ジョニーはトリマー志望の、犬に対しては熱い暑い男である。
彼はペット美容室&探偵所の大黒に勤務している。
トリマー志望なのだが、なぜかトリミングはさせてもらえず、
迷い犬探偵をメインに活動している。

町で困っている犬を見ればだまっていられず、
依頼がなくともトラブル解決に精を出していく。
その行動には、愛犬「プリシラ」への思いが隠されている。

ここに収められた10の物語は、犬に関わる現代の問題が含まれている。
人を噛んでしまった犬、ペットロス、放棄、虐待などなど。
捨て犬を保護することの意味まで書き込んである。
ジョニーの熱い心が問題を解いていくところは清々しい。

世の中には、頭の中がお花畑になっている哀犬救出家や、
犬を救うと称してお金のことばかり考えている、
人の心の痛みに鈍感な者がいる。
そういう輩に、ジョニーの熱い心がわかろうか。

結構気に入りました。

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