愛犬ボス物語 K河家の次男坊2008-06-14

中野きゆ美   芳文社   ①700円 ②③571円

マンがタイムに連載されていたコミック。
1996年から2001年にかけて6巻まで発売されている。
そのうちの3巻までを古書店で手に入れてきた。
「ごお」が生きていた頃、
たまに喫茶店で万がタイムがおいてあって読んだものもあるが、
まとめて読むのは今回が初めてといってよい。

ボスというのはゴールデン・レトリーバーの名である。
K河家で飼われている、ひょうきんなやつだ。
小料理屋の女主人の飼い犬で、家族は多い。
漫画家中のきゆ美が、ペットものの仕事以来請けた折、
運よく、というか、何の因果か題材として選んだのだ。
したがって実在のモデル犬が存在している。

にもかかわらず、ゴル飼いなら、
このシリーズを読んでうちの犬のこと、こっそり覗いていたな、
なんて思いに誘い込まれる作品の上がりになっっている。

普段は聞き分けもよく手のかからないゴルだけど、
こだわりと出合った時はコマンドが入らなくなる瞬間がある。
そういう日常を紹介している作品には好感が持てる。
絵もゴルらしく見えて可愛い。

水溜りを見たら入らずにはいられない、
だけど初めての水遊びに走りごみをしていたなんていうのは、
ゴル飼いにとっては定番だし、
愛嬌を振りまき威嚇しているわけではないのだが、
喜び勇んで人を押し倒しかねない勢いだとか、
頭を強打しても平気な顔ではしゃいでいるとか、
ゴル飼いにとってはたまらない喜びと恥ずかしさが、
ふんだんにちりばめられている。

「ごお」も水田に飛び込んでスリスリしまくった。
周りの冷笑を浴びながら、赤面することしきりながら、
同時にへらへら笑ってしまっていたところなんざ、
この漫画に描かれたエピソードで、もっとも共感できるところだ。

絶版になって久しいようで、手にするのは難しい作品だが、
もし出会うことがあったら、読んでみよう。
きっとゴールデンと暮らしたくなるに違いない。

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