7月の走行距離。2008-08-01

1390キロ

お犬様搭乗距離 820キロ

これで今年は約10800キロ走行し
お犬様の移動が7090キロほどとなった。

8月には八ヶ岳に連れて行ってやるつもり。
ガソリン代が高いのが辛いなあ。
また値上げで、リッター180円か。

やっぱり花火の音は怖いよ2008-08-02

毎年8月1日はPL花火大会と決まっている。
花火大会と呼んでいるが、本当は教組生誕祭であり、
教団は花火芸術と称しているのだ。(関係ないか)

花火大会の打ち上げ場所からは、
直線で4―5キロというところに我が家はある。
結構な音が家の中に居てさえする。

『そらん』は雷だとかにも過剰に反応する音響シャイなところがある。
毎年8月1日は、花火の音に驚いて困ったチャンになってしまうのだ。
『そらん』にとっては6度目の8月1日になる。
最近は捜索の訓練でピストルの音ならどうにか我慢するから、
今年はそんなに怖がらないかと思っていたが、
やっぱり怖かったようだ。

ポンポンと打ち上げ花火の音がするから、
どうにも不安でよだれを多めにたらしながら、
人のひざに乗りに来ては震えてみたり、
よじ登ってきて顔を嘗め回したりと興奮が続く。

『はいら』も『そらん』の興奮にひきずられて、
花火の音なんて怖くないはずなのに、
同じように人にくっつきに来る。

約1時間半の花火の時間、『そらん』は生きた心地しなかったのだろう。
静寂が戻るとおびえのあまり心が疲れ果てたのか、
ベッドで熟睡していた。

来年まで花火大会はないから、安心して寝ていなさい。

明日はドギパに連れて行ってあげるから。

出張の合間のドギパ行き。2008-08-03

1日と3日、4日は業務出張だったり、参加する団体の研修だったりで、
朝早くから家を出、夜に帰宅ということになる。
で、2日があいているので、八ヶ岳に行く前の最後の遊びに行った。

ドギーズパークは『そらん』のホームグラウンドだ。
たいていの人と犬とは顔見知りで、
『そらん』は顔役になっているから、
挑戦的な犬はいないし、安心していられるようになっている。
が、初見の犬には相変わらずガウガウ言うことが多くて気を使うのだ。

許容は早めに家を出たので、11時前にドギパに着いた。
丁度お泊り組みも引き上げていたから、
『そらん』たちだけのランになった。ほとんど貸切だね。

到着すると『そらん』は必ず『松山』君に会いに行く。
『はいら』はジロー君とも挨拶するが、『そらん』は相手にはしない。
受付で挨拶したけれど、なかなか離れようとはしないのだ。
『そらん』が一方的に『松山』君恋しいのかなと思っていたけど、
『松山』君にも好かれているのは確実のようだ。

到着後の挨拶が終わったので、
2頭を連れてランに入ったが、『はいら』はすっかり水に親しんだのか、
プールで寛ぐ。
『そらん』より水は好きになったようだ。

今日は久しぶりに、ほんとに久しぶりに『そらん』がボール投げに付き合ってくれた。
さすがに本気の『そらん』は早い。『はいら』が追いつかない。
それでも『はいら』もずいぶん走力が上がった。
流している『そらん』なら追い抜くくらいの走りができる。

1時過ぎから『松山』君、ジロー君が入ってきたから、
大満足の2頭になりました。
でも残念なことに黄ラブが入場してきたから、
様子を見てみたら、『そらん』は『松山』君のそばに黄ラブが来たら攻撃的になりました。
で、係留することになりました。残念だね。遊び足りないか?

2時半過ぎからシャンプーして、
3時半にドギパを後にした一日です。

バトンなるものが来た。2008-08-05

AOLで遊んでいた頃からのネット友達からバトンが廻ってきた。
「いいよ」といって引き受けはしたものの、
友達が少ないからバトンが途切れても、おら知んね。
何人かに打診したけど受けてくれたの一人だけ。
にゃんとも返事がない人もいるが、
甘えて勝手にバトンをまわすから、良かったら受け取ってください。
それでも後一人が見つからないから、誰か受け取ってやろうという日といたら勝手に持ってって。お願い♪

バトンは正直に答えよとのことなので、恥をさらすが読み流してね。

バトンのルール
  ◆次の人は時間を見つけてのUPでOK
  ◆嘘偽りなく答える
  ◆アンカー禁止
  ◆回した人は回された人がルールを守っているか見に行く
  ◆ルールが守られていなければ罰ゲーム

Qお名前は・・・?
 くまねこ:でっかくて『熊』みたいなのに、カワイコぶりっ子したいため勝
       手に名乗っています。すでに30年使ってる。
       知っている人は知っている『猫』挨拶が不気味と評判。
 そらん: 正式には「素藍羅」。
 はいら: 正式には「波夷羅」。
       いずれも12神将から借りています。
       6番目が「そらん」で、8番目が「はいら」となります。
       ちなみに僕にとって、もっとも大切だった「ごお」は正式には、
       「GOAL HAPPY」。略して「ごお」でした。子どもの頃からの5
       組目の犬ということで音が5に通じるので、「そらん」を6に絡
       めた命名にしようと思ったのでした。7番目にあたるのがジョ
       ン。

Q年は・・・
 くまねこ:不惑を過ぎ申した。(一寸さばよみ。命を知ってたりする。)      
 そらん :5歳4ヶ月 2003年4月18日生まれ
 はいら :1歳5カ月 2007年3月 8日生まれ

Q恋人は・・・?
 くまねこ:恋人。そんな言葉を聴いたのは遠い昔だなあ。
       敢えて言えば人じゃないけど犬たち、かな。恋犬。
 そらん :飼い主の想いとは違ってドギパの看板犬「松山」君(雄 6 
       歳)が大好き。独占しようとするところが呆れる。
       後ジャン君パパママ大好き。飼い主より好きかも。
 はいら :こいつは八方美人なのだ。みんながすきなのだが、みそっか
       すです。残念。早く魅力的な犬になろうね。

       「ごお」が生きていたら、「くまねこ命」って答えてくれたかも。

Q好きなタイプは・・・?
 くまねこ:面白い人が好き。あと犬みたいな人ね。人みたいな犬も好
        き。
 そらん :天上天下唯我独尊。犬にも人にも興味なし。
       ただし荒っぽく可愛がってくれる人は大好きになる確率高
       い。
 はいら :とりあえず遊んでくれたら嬉しいのだ。

Q嫌いなタイプは・・・?
 くまねこ:いい加減な人。小型犬でキャンキャン言う犬。
 そらん :大好きな犬以外は全部嫌い。
 はいら :普通に見えない人や犬。
       たとえば赤ちゃんを抱いている女性。立って歩く犬。
 
Q好きな食べ物は・・・?
 くまねこ:そば お酒を止めて以来好きな食べ物って少ないなあ。
       果物ではすいか、イチゴ、温州みかん。
 そらん :定番の食い物以外は食べない。あっ、雑草は好きだよ。
 はいら :なんでも好き。食べられるものなら好き嫌いなく食べます。
       困ったことに「ウンコ」が好物のよう。ええかげんにやめい!

       僕の好物は、まんま「ごお」とジョンの好物だったのだ。
 
Q嫌いな食べ物は・・・?
 くまねこ:原型のわかる動物・昆虫・甲殻類。
 そらん :食べ慣れないもの全般。
 はいら :世の中に食えないものなどないと思っているよう。
 
Q好きな音楽は・・・?
 くまねこ:ジャズ。昔のフォークシンガーの唄。
 そらん :母が謡曲を聞いたり謡ったりしていると逃げ出している。
 はいら :何が鳴っていようと我関せず。

       「ごお」はシングルドッグが好きだったのだ。
       声を合わせて歌っていたもん。  

Q好きなブランドは・・・?
 くまねこ:ブランドにこだわりはない。たまたま安いからアウトドアウェア
       はコロンビアのものが多い。
       服以外ではJBLの音が好きシュアーの無骨なサウンドが好
       き。でも耳が壊れたから音楽聞かんようになったなあ。
       カメラならペンタックス。でも主に使っているのはキャノン。
 そらん :ドッグデプトのものを着せられてかなわんわ。
 はいら :どうして僕はジョンのお下がり品ばかりなの。ぷんぷん。

       「ごお」には服を結局買っていない。
       なんといっても自慢は自分の被毛だったモン。
       金色に輝いていたのだ。
 
Q好きな漫画は・・・?
 くまねこ:漫画家なら坂田靖子、倉田江美、奈知美佐子。
       作品なら「パタリロ」
 そらん :コミックもアニメも興味なし。実写なら犬の映画やクイールを
       画面の前で見ています。
 はいら :コミックス全般が好き。あの噛み心地がなんともいえません。
       (本を噛み千切るのはやめてくれ。)

Q罰ゲームは・・・?
 くまねこ:犬の下僕をやめる。
 犬たち :ドッグランに行かない。

Q回す3人・・・色にたとえたら?
 一人目:AOLからの付き合い「パンダンテ」さん
   「ひとことタルト」
     コバルトブルー。夏の海がとってもお似合い。
     連れ合いのほうはスカイブルーで、まんま沖縄やねん。
     
 二人目:同じくAOLからの付き合い「ユキ」さん
   「黒犬ニッキーのくろいぬ日記+α」
     こげ茶色と答えようと思ったが、女性に失礼だよね。
     で、他の色に例えればオレンジ。
     理由はほんわかした雰囲気。サビの効いた性格は時に苦く、時
     に甘く複雑。
     こげ茶と答えようとした理由?それは「う●●」ねたの師匠だか
     ら。 
     引き受けると言ってもらってないけど、長い付き合いだから怒ら
     れないだろうということで、無理やりまわすことにしました。
     怒らないでねえ 
     
 三人目:すまんこってす。無理やり押し付けることもできず空白です。
       まあ、こういうのもバトンの宿命です。
       ちゅうことで「色」はありません。


パンちゃんにゆっキー、気が向いたら答えてみてねぇ。
なんといっても下記の如し。
土台無理があるっちゅうねん。

このバトンというもの、一人が3人に回すそうだけど、
16巡目にして日本の人口を超え、
20巡目にして世界人口を超えてしまう。

しゃれのつもりで引き受けているけど、
無理のある設定でございます。

一人が一人につなぐものなら、息の長いものになるけれどねぇ。

We’sドッグカフェ兼愛知支部2008-08-06

犬遊びのついでに東郷町まで足を伸ばし、
AA愛知支部見学も兼ね、
「そらん」の親元にだめもとで訪なうことにした。
3年前に行ったときもいきなりだったため会えずにいたから、
今度こそ会えるとよいなと思っていた。
立派になった「そらん」を知ってもらいたいもんね。

愛知県東郷町は家から約180キロ、湾岸線を走れば2時間で行ける。
ドギパでしっかり遊ばせてから向かった。到着は4時過ぎとなった。
ところがせっかく親元に見せに行こうとしたのに、
親元の会社は事務所も看板も撤去されていた。
どうしたのだろうね。

親元を訪問する気になったのは、
追い続けているAAの愛知支部を見に行くという目的があったから。
せっかく来たのに「そらん」を見せられないのは残念だが、
主目的の愛知支部はしっかりと見てきたので感想をメモしておく。

「We’s」は同じ場所で営業していた「ダックァ」の建物を、
そのまま流用し内装等に手を加えている。
「ダックァ」が木の質感を前面に押し出していたのに対し、
「We’s」は外壁を白色系とし、室内も明るい色彩で演出している。
「ダックァ」の建物をリフォームしただけなので、
厨房をはじめ店内は「ダックァ」の頃と代わり映えしない。
テーブルは4台、カウンター席が10席ほどと、
満員でも30名程度という収容数となる。
床はコルク仕様で滑りにくいものだが、
以前の状態でも滑っていたわけではないから、
むしろ多孔質のコルクを使うことで、
水による痛みに対応させているのかと思った。

ドッグランは「ダックァ」の頃より狭くなったように思う。
ダックァのときは、隣接する道路際までランになっていたが、
「We’s」では奥のほうにプレハブが建てられ、
またクルマが停められていた。
ランは大型犬と小型犬にわけられていて、
それぞれの飼い主にとっては安心できるようになっている。
が、実際には大型犬用ランでも「そらん」には小さいなと感じる。
「ダックァ」のときはランは客であれば無料で使えたが、
「We’s」では、ワンドリンク付き1500円という設定となっていた。
こういうシステムをとるドッグカフェとしては「アースコート」もあるが、
貸切の「アースコート」に対して、「We’s}は貸切ではないようだ。
経営方針としては。、いささか中途半端に思う。
「ダックァ」ではランへは飲食物の持ち込みは規制されていたし、
「アースコート」は貸切にすることにより事故を防いでいる。
「We’s」では複数の客が入場できることになるのに、
飲食物が持ち込める。犬同士の事故にはガードが低いかもしれない。

コーヒーを頼んだが400円とドッグカフェとしては標準的な値段である。
軽食メニューもありそうだったが、
厨房の状況から見て、レストランには程遠い感じである。
ほぼ普通の喫茶店並といったところだろう。
犬のためのメニューもいくらかあるが300円と手ごろな価格であった。
またオーナーもスタッフも犬好きなので、
客としてみたら居心地は悪くない。
犬への水のサービス、敷物サービスなど接客には疎漏なし。

トリミングはゴールデンでカットコースで8500円からと、
比較的リーズナブル。

スタッフはオーナーを除いて5―6名いる。
オーナーの様子から接客はするものの厨房作業はしなさそうである。
カウンター内に2名、厨房に1名、ランに1名が基本なのだろう。
その他はトリミングスタッフなのだと感じた。

約1時間滞在していたが、この間トリミングの客はいなかったように思う。
僕以外の客は13名ほどいたが、
ぱっと見の客単価は1000円程度まで、
僕が入ってからは新しい客は入っていないので、
一日の客は70―80名というあたりになるかと思われる。
つまり一日の売り上げは7―8万円程度となるのではないか。
スタッフの賃金が一日3.5万円。
その他原価が売り上げの3割程度の2万円前後。
これに施設更新分が加わる。
間の日にもコンスタントに客が来ていたら、
結果として月の利益は30万程度になろうか。
金利負担がないと仮定したならのことである。

以上、トータルな評価としては全うな商売をしていると思う。
ドッグカフェとしては十分に及第点にある。

ではAAの愛知支部としてならどうか。
店の外観にアークエンジェルズのロゴがあるほか、
店内にてアークエンジェルズのオリジナルグッズを販売していること、
(CD、Tシャツ、キャップ、カレンダーなど)
アンケート用紙を置いていること、
2006年に作成されたリーフレットが置かれている。
環境省発行の啓発冊子をおいている。
その程度のことである。

想像していたような写真展示もなければ、
ざっと施設を見渡しても保護犬を管理しておく場所も見つからない。
(一箇所、そういう用途に使うことが可能な建物があるにはある。)
つまり支部としての機能はほとんどないのである。
あの程度の態勢で支部を名乗ることに意味があるとは感じられない。
あの程度の協力であれば、「アースコート」だってしている。
だけど支部なんて名乗る必要もない。
支部と名乗る以上、何らかの意味で支部活動を行うことが考えられる。
それが何なのか、ぜひAAに発表してもらいたい。
愛知県の動管にはアクセスした形跡があるようなので、
引き出し可能犬の情報を林代表にもたらすのが主任務ということか。
この支部活動の見えなさはいったい何なのだろう。
支部であるからには、本部から一定の援助も与えられると考える。
まさか…。
トリミングに関係があるなんてことないだろうな。

このドッグカフェ、借金さえないのなら、
オーナーに趣味的に営業していられる収入があるようだから、
貪りさえ戒めて営業していれば、やけどすることはなさそうだ。
AAを信じていることがやけどにつながらなければよいのになあ。

ちなみに置かれていたリーフレット、
例の大阪市認証団体台1号の記載をマジックで消したもの。
事務所は都島のまま、HPアドレスの記載もも昔のまま。
もったいなくて使いまわすこともあるだろうが、
普通の神経なら訂正シールは貼っとくって。
まちがった情報では自己PRになりはしないものね。
今は亡き「ゆき」ちゃんへのエンジェルズオーナー基金も載せられている。
古いものを使いまわしているから仕方ないのだとしても、
「ゆき」ちゃんの引き取り手が見たら切ないだろうね。
ずさんだねぇ。AAのやることは。

ボスちゃん2008-08-12

「ごお」より一歳年上の「ボス」ちゃん。
10月が来たら満14歳になる。
あっちもこっちも悪くなってきているようで、
以前のようなお転婆ぶりは、もはやない。
時々は一度に起き上がることができずに困った顔をしている。
もう「ボス」をつれて遊びに行くことはできないのだろう。

「そらん」は「ボス」ちゃんが大好き。
「ボス」ちゃんに会うと、母のごとく、恋人のごとく、
付きまとっては甘えている。

そんな「そらん」が「ボス」ちゃんに甘えなくなった。
甘えたくないというのではなさそうだ。
近くに寄っては鼻を鳴らしたりしている。
ただ横たわるだけの「ボス」ちゃんにあえて甘えずに我慢している。
そんな風に見えるのだ。

元気すぎて力をもてあましていた「そらん」は、
いつだって他の犬を圧倒してきた。
少し生意気な犬と見たら断固優位を示そうとするし、
好きな犬は独り占めしようとする。
相手が疲れても意に介さず、自分本位に遊びを強要する。

「ごお」も「ジョン」も「ボス」も、
そんな「そらん」にはなはだ迷惑そうにしていたものだ。
そんな唯我独尊「そらん」が優しくなるときがある。
「ごお」もジョンも調子が悪くなっている間は、
寄り添いはしても強引な遊びに誘うことはしない。
ただ哀しそうに見える表情で寄り添っている。

11日に「ボス」がやってきたとき、
一目散に「ボス」の元に走りよった「そらん」は、
リビングに入り横たわってしまった「ボス」を見て、
大はしゃぎだったのに、「ボス」の様子を見て無理と考えてか、
耳のあたりを数度舐めたあと、近くで並ぶようにして寝ていた。

乱暴者の「そらん」の優しさがわかる一瞬だ。

「ボス」ちゃんは、あちこちの脂肪腫が肥大化してきた。
肘にも背中にも股にも、大きく育った脂肪腫がある。
喉の辺りにもしこりがある。
14歳が間近になっているので手術はしない方針らしい。
水を見れば泳いだのに、プールに連れて行っても泳ごうとしない。
散歩に連れ出そうとしてリードを見せても嬉しそうなそぶりもない。
どうにか連れ出しても、すぐに排泄を済ませると帰ろうとする。
歩行中に後肢がもつれることもある。

「はいら」と並べての写真を載せてみた。
大きな、大きな「ボス」ちゃんなのに、
いつでもしっぽブンブンだった「ボス」ちゃんなのに、
ビロードのような毛並みもバサバサしてきた。
「ボス」ちゃんがこの世に留まるのは、あと幾年なのだろう。

できるだけ長生きして欲しいが、
いとおしい犬の退場が、また近いと感じた一日になった。

スカイ・クロラ2008-08-12

森博嗣   中公文庫   590円

映画が公開され話題となっている作品。

『すべてがFになる』になるが代表作としてあげられている。
僕にとっては、いつか読もうと思うも、未読のままでいた著者の一人。
今回「スカイ・クロラ」で始めて読むこととなった。
このシリーズ物の読み出す順番を間違えたため、
激しい消化不良を起こしてしまっている。
シリーズの最後に位置する物語だとは思わなかったのだ。
現在「ナ・バ・テア」を読み進めているので、
「スカイ・クロラ」の不可解さが幾分かわかってきているところである。
したがって、以下の感想ははなはだ的外れとなると言い訳しておく。

基本的に本作品は一人称で語られる作品である。
語り手は「カンナミ・ユーヒチ」。
戦闘機の操縦士を職業とする若者。
戦闘機乗りとしてはすばらしい技能を持ち、
戦闘機のコクピットの中で独りで搭乗し、飛んでいる時間だけが、
落とし、落とされるという緊張の中だけが生きている時間と感じている。

彼はキルドレといわれる、半ば心の障害とも言える、
大人として物を考えられない特異な存在である。
世界の中でショーとしての戦闘に従事している。

彼が戦闘機乗りとして赴任したのは、
「クサナギスイト」という女性指揮官のいる基地。
キルドレの彼は、他のものとの干渉を避け、
ただ戦闘機と一体でいる時間をいとおしみつつ勤務にいそしむ。

そんな彼はスイトという指揮官が、自分と同じキルドレと知る。
そして…
スイトの願いに答えるためにある行動を起こす。

成長しない戦う子どもの悲哀。
死すら、殺されることすら、救済であることの理不尽さ。
戦う意味すらはっきりとしないものたちが、
大空を自由に飛びながら死を支配し、同時に死に支配される。

暗く閉ざされていながら、妙に突き抜けた諦感。
この不気味さは、今の時代を反映している。



著者は僕と同い年らしい。
頭の中に住まわせているものはまったく別なものだが、
なぜか共感してしまえる。
この物語にある背景が、決して好きになれないものだとしても。

頭の中のものとの違いを埋めるため、
シリーズを読み進めることにした。

空の境界(全2巻)2008-08-12

奈須きのこ   講談社   上巻1100円  下巻1200円

同人小説として登場し、2001年に自費出版されたものを、
圧倒的な支持を受け、2004年に出版された作品。
著者は1973年生まれの男性らしく、
同人ゲーム『月姫』なるもので注目されたという。 
「空の境界」は『月姫』と共通する部分が多いということらしい。
SFやメジャーミステリを好んでいるということで、
その世界観は、過去の伝奇小説に、それらの味を加えており、
重層的な精神世界を表現している。
本作品はすでにアニメ化がされており、DVDも発売された。
現在は文庫化もなされた。文庫では全3巻となる。
新伝奇ムーブメントとの冠を戴き、熱狂的ともいえるファンを持つ。

物語のほうだが、個人としては好きではない成り立ちなものの、
さくさくと読み進めることができた。
そういう意味では、世界の構築や背景にぶれがないものといえる。
魔法使いと魔術師の違いなどと、やたらややこしいところもあるが、
著者の捉え方に慣れたら、すんなりと受け入れられる。

この物語の成功は、両儀式という主人公の設定がひとつに挙げられよう。
あらゆる物の死を見る特殊能力を有する、
殺人の技に長けた和装の似合う美少女。
もともとは式と織という男女二人の意識を有するものだったが、
コクトー幹也という少年との関係から2年間の昏睡の結果、
式という少女のみが生き残ることとなったという点だ。
もうひとつは世界観にある。
敵役として登場する荒谷宗蓮と式の関係。
コクトーと呼ばれる日常を根城とする少年に対して、
宗蓮は非日常に位置している。
宗蓮の目的は根源を探ることにある。
たいしてコクトーは、ありのままを諾としている。
その両者の中間を両儀式は揺れ動くのだ。

結局は両儀式はコクトーのいる日常に止まるものの、
終章において式でもない、織でもない両儀式が登場し、
物語にずっと漂う違和感の正体を明かす。
この時点でコクトーという存在も、
両儀式という存在も「食う」であるということが明かされ、
また別の物語の存在を匂わせ終了する。

時間軸に気をつけていないと作者の輪なにから娶られる一作となる。

楊令伝 六 狙征の章2008-08-13

北方謙三   集英社   1600円

宗禁軍が南の方臘と北の遼との戦闘の間隙を付き、
梁山泊は一地方を支配化とし独立国の様相となっている。
戦闘に傷ついた宗禁軍が回復するまでの間に、
支配地を得た梁山泊は決戦に迎え充実の秋を迎えている。
この巻では、来るべき決戦を向かえる前にか、
童貫と王進の対峙が描かれている。
王進を通して、童貫と楊令が会話を交わす名シーンと読んだ。
こういう潔さを書かせたら北方謙三、にくいぞ。

青蓮寺の分裂は進行している。
李富は独自の思想を持ち始め暗躍を始めているし、
聞煥章は李富により野望を阻止された後、
扈三娘を自分のものにするという私欲に走る。
欲が過ぎ、計略が破れ一命を落とす結果となる。

童貫と楊令の激突を前に水面下での戦いが語られる章となった。

編集者T君の謎2008-08-13

大崎善生   講談社   552円

「将棋の子 」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/11/10/759390
以来に大崎氏の作品を読んだ。
長年、日本将棋連盟に属し、将棋世界の編集長をしていただけに、
棋士に知己が多く、将棋界の隠れた逸話を紹介していくと、
なかなかに面白いものとなるのである。

さて、表題だが、このネーミングの意味がわかるととても面白い。
生涯に読んだ本が一冊?信じられなーい!
なのだ。

奇人変人の多い(といっても最近は折り目正しい人ばかりである)棋士の話より、
よほど不思議な編集者がいたものだと感心するやら呆れるやら。

「週刊現代」に連載されていたエッセイをまとめた本書を読めば、
知られざる棋士の姿が見えてきて、
寄付の差し手に妙に人間味を感じてしまうようになるかもしれない。

将棋ファンなら必読。