久しぶり2009-05-05

先月23日から、なんとなく疲れきっていてブログを放置していた。
ブログを書き始め以来、時々疲れてしまって書かない時期がある。
大体は多忙な時期がそれにあたる。

今回の書けなかった理由は、仕事にも原因はあるが、
むしろ23日のARKとAAの訴訟が決着を見、
司法の判断がAAに対して厳しいものとなり脱力したというほうが近い。

少し脱線して、2005年当時の犬への思いを書いてみよう.

この頃、保護活動をしている人たちの意見や、
書物での啓蒙活動などを読んで,
次に犬を迎えるなら、放棄犬を引き取るのも悪くないと考えていた。
僕は、犬に何かをさせようとは考えていないし、
家庭犬として待ったりとして暮らせればそれで良い。
ドッグスポーツをしたり、作業犬にしようという気もない。
特別に能力の高い犬を必要とはしていない。
人に忠実で温和な犬でさえあればよいのだ。
だから、行き場を失った犬でも良かろうと思ったのだ。

『ごお』が突然退場してしまい寂しかった時期に、
子犬を求めるのではなく、
何らかの事情で捨てられようとしている犬を引き取ろう。
そう考えたのは、保護活動家たちの意見に耳を傾けた結果なのだ。

経験から言えば、子犬から衝突を繰り返しながら、
犬と人とがそれぞれの立場を固めあうほうがよいとは思っていたが、
成犬でも大切に育てられた犬ならば、
人と犬が一体となるのは可能だと思った。

それはジョンとの出会いで正しいと証明された。
それでもジョンと僕が真に一体となるのに一年近く掛った。
言うほどに、たやすいことではないと思っている。
そう、保護活動家が言うほどには犬と暮らすことはたやすくない。
犬を飼うというのは飼い主としての成熟が必要なもの。
ただ右から左で引き取ったって、犬も人も幸せにはなれない。

『ごお』の49日が済んだころから本格的に犬を探し始めたとき、
うまく行くかどうか心配しながら、いくつかの保護団体に打診をした。
譲渡条件に合わいから、打診するのをあきらめたところもある。
ホームページの内容に疑問を感じ連絡を控えたところもある。
団体が引き取り手に不安を感じるように、
僕も団体に不安を感じていたのだ。

保護団体に興味を持ったのは、オリバー氏の著作が最初。
ARKの活動は以前より見ていた。
そんな中でアーク・エンジェルズというものの存在も知っていた。
ARKの保護犬を、ホストのもとで躾をいれリハビリさせ、
引き取ってもらおうという活動を始めていた。
表記はARK内から始まり、その後姉妹団体というなど、ゆれているが、
まじめに活動する気なのだと、一定の評価も下していた。
で、一度だけ問い合わせを出したことがある。

その頃は、ブリーダーから購入するか引き取るかでゆれていた。
で、彼らの様式に従わずに、メールで問い合わせをしてみた。
こちらの仮定状況も記し、揺れている気持ちも正直に、
既往歴や家族状況も記していた。
僕の飼いかたを見てもらえるようにと、
ブログアドレスを記載しての問い合わせだ。
ただ、住所や実名は省略した。
付き合いがはじまらないのなら教える必要もあるまい。
無条件に相手を信じるほど無用心じゃない。

アーク・エンジェルズをはじめ5-6団体に問い合わせをした。
丁寧なお断りの返事が来たところもある。
そっけない返事もあった。
その中で唯一、何の連絡もなかったのがアーク・エンジェルズだった。

確かにある意味において僕は犬を飼うのに適当でない、
そう思われても仕方のない状況にある。
住居こそ戸建てだが、不在時間は長いし、先住犬もいる。
高齢者との二人暮らしだ。
収入だって、人並みではあるが、けして裕福ではない。
団体が不適当と認めたのなら、それは仕方のないことと思う。
丁寧に答えを返していただいた団体の考え方には納得した。
そっけない返答のところにも事情があるのだろう。
しかし、返事がないという点で、アークエンジェルズには不信を持った。

一連の問い合わせの結果、
僕は引き取りてとして望まれる状況にないと知り、
保護団体への接触を絶った。
だけどこの間にさまざまな犬の状況を読んでしまったことで、
引き取ろうという意思が固まり、
いわゆる里親募集サイトなどで個人からの引取りを決意した。
そしてジョンと出会うこととなったのだ。

ジョンとの出会いが済んだ後も保護団体への興味は持続した。
なにが起きているのか見続けていようと考えたのだ。
僕が不適当とされたのだ。
不適当とした活動ぶりがどのようになるのか知りたかった。

そうして『ひろしまドッグぱーく』が発覚した。
実は、場所がどこかまでは書いていないものの、
9月20日ごろにすでに事実を知ってしまっていた。
アーク・エンジェルズが関係していると知って、
ブログにあげるのは躊躇いがあった。
類例のない規模ということで、
まさか一団体のみで着手するとは考えてなかった。
いくつもの団体が手分けして助けていくと思っいた。
記事にした時点ではいくつもの団体が関与していた。
ところが見る間に他団体を排除しだし、
いつの間にやらほぼ独占事業にしていく。
善意の三者気取りだった人が、実は支部長ですという。
アークと混同している人に対しても、その間違いを指摘しない。
することのすべてがでっかいクエスチョンをぶら下げている。

この後のことは、これまで縷々書いている。

さて、アーク・エンジェルズは敗訴後も、
そのホームページで、すばらしい実践と宣伝している。
彼らの発言だけを聞いていると信じ込んでしまうかもしれない。
これだけ実態が明らかになってきているにも拘らず、
彼らを無批判に信じ支援する人がいるのなら、
それはそれで仕方ないことだと思う。

だが、彼らの活動の実態の不確かさを知ってしまった以上、
見てみぬ振りはできない。
人の身勝手によって無駄に死んでいく犬はいて欲しくない。
活動する保護団体を批判し続けつぶしてしまうことはしたくない。

たけど保護団体が生き残っていくためには、
『広島』の決着はつけておかなければならないと思っている。
あらためてアーク・エンジェルズを追い続けていく決意をする。

カッコをつけすぎかもしれないが、
それがジョンへの供養になるのじゃないかと思っている。

4月の走行距離とその後の『国盗りカウンター』2009-05-05

1561キロ
お犬様乗車距離940キロ

今年の走行距離は7500キロ になった。
お犬様は5150キロの移動。

疲れがたまっていても、犬孝行だけは欠かしていないのだ。


5月5日  午後1時   3179
以前、秋田にも色が着いた。これで全国に色が着いた。
佐賀、山口が赤になり、赤が25県
橙が10県 、緑が7県 青は4県。 相変わらずレベル4。

アクセス上位
1位  大阪
2位  東京
3位  神奈川
4位  兵庫 (前回5位)
5位  愛知 (前回7位)
6位  北海道 (前回4位)
7位  福岡 (前回6位)
8位  滋賀
9位  京都
10位 埼玉 (前回圏外)

検索フレーズ(i忍者アクセス)
1「Google]道楽本三昧
2 [Google] 九州 ブリーダー崩壊
3 [Yahoo!JAPAN] 犬道楽本三昧
4 [Yahoo!JAPAN] 孟賞君
5 [Google] アークエンジェルズ
6 [Google] 岳飛 水滸伝
7 [Google] 鳩山 AA
8 [Yahoo!JAPAN] 天国の犬物語
9 [Google] ブリーダー崩壊 レスキュー
10 [Google] 鳩山 AA

検索ワード(i忍者アクセス)
1 [Google] 犬道楽本三昧
2 [Google] 犬
3 [Google] ブリーダー崩壊
4 [Google] AA
5 [Google] 九州
6 [Google] アークエンジェルズ
7 [Google] 鳩山
8 [Yahoo!JAPAN] 犬道楽本三昧
9 [Yahoo!JAPAN] 犬
10 [Google] 鳩山邦夫


忍者カウンターのほうは112400を越えた。、
国盗りカウンターは3179。
全国制覇への道はけわしい。

追記
5月9日 アクセス数3356でレベル5になりました。
忍者カウンターは113272でした。
赤25県  橙11県  緑7県  青3県
アクセス上位
1位  大阪
2位  東京
3位  神奈川
4位  兵庫
5位  北海道(前回6位)
6位  福岡 (前回7位)
7位  愛知 (前回5位)
8位  滋賀
9位  京都
10位 埼玉

ゴールデンウィークはごろ寝が一番。2009-05-06

ゴールデンウィークとはゴールデンのためのときとばかりに、
『ごお』の生存中はあちこちに行っていた。
でもねぇ、どこに行っても渋滞ばかりに辟易して、
『ごお』が闘病生活に入った頃から、家でごろごろするようになった。
で、今年も家でごろごろしているだけになりましした。

そうは言っても全くなにもしなければお仕置きされるのが下僕の辛さ。
いつもより長めの散歩に、おいしいおやつ、新しいおもちゃを買ってきました。
おやつに舌鼓を打ち、そこいらを涎でべたべたにし、
新しいぶっ壊し用縫いぐるみを競い合ってばらばらにしています。

縫いぐるみといえば、昨冬フリマで調達しておいた30体あまりの縫いぐるみは、
このゴールデンウィーク中にほぼすべてを捨てることになりました。
70リッターのゴミ袋に詰め込んで1袋にもなりました。
腸がほとんど出た状態での量です。
『そらん』の6年間の壊した縫いぐるみは数え切れません。
『はいら』が来てからは、壊されていくスピードが速まっています。
今回10体ほど調達してきましたが、犬たちに任せておけば数日で全部破損してしまうでしょう。
今後は新しい縫いぐるみは一週間なに2体までにしようかと思っています。
そのペースでも年に100体ですか。
『そらん』とジヨンだけのときなら年50体ほどですんでいたのが懐かしい。

4月23日の裁判後、ブログを書いていませんでしたが、
この間も下僕の奮闘は続いています。

4月26日にはドギパに行きました。
『ごお』が生存中からの知り合い犬ジャン君がドギパに行くとのことで、
急遽行き先を変更して会いに行きました。
ジャン君は8歳のゴールデン。
『ごお』に似て、飼い主一途のボール命さん。
脊椎梗塞という大きな疾患にかかっていました。
すぐに治療すれば治癒率は高いとのことですが、
早期に治療できないと大きな後遺症が残る疾患だそうです。
ジャン君の場合ヘルニアと当初は考えられていて、
治療に若干のタイムラグがあったようです。
だから、リハビリが順調に進んでいるとは聞いていましたが、
以前のような元気な姿が見られるのだろうかと心配していました。
でも前に会ったときとほとんど変わらない元気なジャン君を見て、
本当にジャン君一家はがんばっていたんだなと知りました。
以前からジャン君は飼い主に甘えて『ごお』みたいと思っていました。
飼い主以外には甘えない。飼い主一途。
なのに甘えたぶりが進化していて、飼い主への絶大な信頼からか、
以前と違い他人にも甘えるようになっていました。
おかげで僕もジャン君の頭をなで、抱っこまでできました。
きっと手厚い看護の結果のことですね。

『そらん』はジャン君一家が大好きです。
下僕がいることなど忘れて甘えまくりました。
ジャン君を押しのけて近寄らせないのだから我が儘者。
前のジャン君なら、そんなときでも抱かせてなどくれなかったけれど、
久しぶりのジャン君はおっとり感が出てきていて、
呼んだら来てくれるし、抱っこもさせてくれました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jeankichi008/15548052.html
『そらん』のジャン君一家好きは↑で見られます。

4月28日は訓練。いつものように僕も参加してきました。

4月29日は少しドライブ。人のいない広場で『はいら』だけちょっとボール投げ。

5月2日は、渋滞覚悟でドギパ行き。
1000円梗塞の影響か、いつものゴールデンウィークより全体としてまし。
普段より少し通行料が多いかなという感じで往復できました。
たっぷり5時間遊んできました。

その後は今日まで家でごろごろ。
昨日からは天気も優れず寝て暮らしています。
今日も一日ごろ寝の予想。


写真はドライブ中の『はいら』
ほぼこの体勢で全行程をすごします。

第16回『支援金返還訴訟』傍聴めも2009-05-08

途中で書く気力を失い放置視していたものに、
手を加えてアップしております。



4月24日は支援金等返還訴訟がありました。
今回の裁判は、原告・代理人・傍聴合わせて10名ばかりの参加でした。
(被告人側は代理人のみ。)
久しぶりに定刻までに関係者が揃い、時間通りに始まりました。
被告側代理人は、前日の『名称指し止め請求』裁判も担当している方で、
前日欠席してまで受け取らなかった判決を、
別の裁判の場で受け取ってしまうという結果になってしまっています。
なんか、もう、裁判って勧善懲悪の好きな一般人から見たら、
芝居がかっているところが多くて笑えてしまいます。

手続きを厳密にすることで、不合理を排除しようとしているのはわかりますが、
えてしてずるい人のほうが、こうした手続きの隙を付くのがうまいのは、皮肉にすぎる。

裁判もこれまでの裁判同様短時間で終わりました。

次回裁判での証人の確認を行いましたが、
原告側はともかくとして、
被告側に原告代理人が証人として誰が出るのか確認したところ、
証人は挙げられたものにはいないこと、
それよりも被告人側としては、すでに調査嘱託などで回答しているので、
証人は一人も予定していないということです。
裁判において証人を申請しないのはきわめて稀有なことのようで、
原告側代理人は意外さを隠しませんでした。
また原告団にとっても思惑に反しているようで、
証人を追加申請したいので検討させて欲しいとしていました。
被告人がわが証人を立てないことには、
裁判官も意表を疲れたように見えました。
聞くところでは、裁判において証人を立てないというのは、
きわめて異例な事態ということのようです。

次回裁判は6月12日となりました。
なお確認された日程は5月29日だったのですが、
被告人代理人の勘違いから日程の変更となっています。

楊令伝 九 遥光の章2009-05-08


北方謙三    集英社    1600円

4月末に出版された。
前巻まで宋禁軍と梁山泊軍は戦機の熟すのを、
地の利を生かして少数の梁山泊軍が、軍勢で優る禁軍を包囲する形で対峙し、
ひたすら待ち続けていた。
童貫と楊令の思い描く戦機は、全線に渡っての消耗が始まったとき唐突に訪れる。
楊令が史進に語った一言が、宋軍の意表をつき、有力将軍が討ち死にする。
し史進率いる遊撃大河縦横に暴れまわる最中、
童貫と楊令がつかの間邂逅し、一瞬が楊令に軍配を挙げる。
宋禁軍は総帥を失ったことで有力な軍勢を抱えたまま撤退し、
禁軍対梁山泊の戦いは、梁山泊の勝利で終わる。

戦後処理に入った梁山泊は、民の国という理想を楊令が示し、
新たな戦い、民政上の戦いに踏み込む。
交易を柱とする国のありようを考えた楊令の軍略は多方面に神経が行き渡っており、
金と宋の戦いへの介入も見事に決まる。
その策が決まることで、事実上宋朝廷は潰えたに等しい。

しかし、禁軍が壊滅したわけではなく、岳飛や劉光世といった将軍が、
それぞれ大都市を根拠に軍閥化していく。
司令塔さえしっかりしていれば、宋も無力化したわけではない。
しかし、李富のものとなった青蓮寺は宋朝廷の求心力を阻害する形で動く。
李富もまた夢を見るようになっていたのだ。
群雄割拠状態の宋と、北方の金。
梁山泊はその対立の狭間で民の国を目指す。

12世紀初頭の東アジア情勢をダイナミックに取り入れた北方水滸伝は、
新たな局面に入る。
中国人にとっての英雄・岳飛も、その伝説のような物語を彩る脇役を次々と登場させている。
史実にそった物語になる以上、最終的には金と南宋の戦いの中で岳飛は、
秦檜の謀略で命を落とす。彼を操る黒幕は李富ということになろうか。
来た方水滸伝の行方に目を離せない。

彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる。2009-05-08

雪野紗衣   角川ビーンズ文庫    514円

全くもってどうして読み続けているのか自分が信じられない。
ある人の言葉によれば、
『彩雲国物語』は腐女子のための小説なのだそうだ。
くだらんと断じながら、実は結構この作品を気に入っていたりする僕は、
あるいは腐女子なるものに通じる気質ということになるのだろう。

現代劇化してきている作品世界だが、
現代的な視点が多数入り込むことで、
作品のスタート時の時代背景が崩れてしまい、
だんだんと時代設定があいまいになっている。
生き生きとした女性群像が見られることはほほえましくもあるが、
大官が庶民に入り込んだり、
門閥への考え方などでも矛盾が噴出するが、
矛盾が大きくなればなるほど、
作中の人物が生き生きと活動していくというのも面白いものだ。
作品の初期設定の制約に固執しなかったのが成功している。

歴史時代を背景にした青春小説という成り立ちは、
知らない時代だからこそ、想像が広がる自由さを読者に与え、
読者の願いが作品に新たな力を加えているのかもしれない。

さて、王と秀麗にとっていい人であり続けた悠舜の秘密が明かされ、
さらに新たな舞台が設定された。

こんなご都合主義で話し薦めてたら終わらせられなくなるで。
と、言いつつ次巻に期待。

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界2009-05-09

西尾維新    講談社ノヴェル    800円

そうたいして面白いと思わないのに、なぜか続けて読んでいる。
そういうシリーズをいくつか抱え込んでしまっている。
彩雲国物語然り、覇者の戦塵然り。この『きみとぼく』シリーズもそうだ。
西尾維新をミステリに分類する慣わしがあるようだが、
本格推理全盛期の読み手としては、このシリーズのどこを指してミステリと称すべきか悩んでしまう。
確かに体裁はミステリのようなところがある。
でもそれは村上龍をしてSF作家というほどの意味でしかないのかと思う。
でも、そう思うことが、著者の想定範囲なのかもしれない。
この著作は、成熟した大人からは拒否反応しか惹き起こさないのではないだろうか。
中途半端な大人であるぼくは、大人の部分で拒否し、子供の部分で受け入れている。
そういう感じなのかもしれない。
登場人物たちの歪んだ心理状態を不気味とまでも断定できず、共感には程遠い。
西尾維新の駄洒落的センスは面白いとは思いもしない。
言葉遊びも白々しく映る。
でも、かつてはスラプスティック小説などを好んでいたし、
筒井さん大好きだったから、
西尾維新が試していることを否定するほどでもない。
でも響かない。どうしようもなく退屈に感じる冗長さに悩む。
結論だけ言えば、絶対駄作でしかありえないと思っている。

シリーズ第2作に登場した串仲弔士が教員として登場する。
第2作で落命した病院坂迷路のバックアップという同僚を語り手に、
弔士の赴任した私立千載女学園で起きる教員連続殺人事件の犯人探しが始まる。

本格ミステリと銘打つが、ミステリとしての要素は叙述トリックのみ。
こういう成り立ちではミステリとして楽しむことはオールドファンにはできっこない。

バックアップという言葉に騙され、性別を錯覚させるあたりと、
串仲弔士の言葉の支配力が物語の鍵。
こんなんでいいんかい?

パラドックス学園2009-05-10


鯨統一郎    光文社文庫    552円

「邪馬台国はどこですか?」で1998年にデビューした覆面作家。
その後ハイペースに作品を発表し続けている。
ぼくは「邪馬台国ははどこですか? 」と「新・世界の七不思議」を読んでいる。
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/07/15/445617
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/08/18/489945

本作品は『ミステリアス学園』に続いてかかれたもののようで、
読む順番が前後したため、ちょっと意味不明な箇所があったものの、
作品そのものは楽しく読み終えられた。

パラドックス学園というタイトルが示すように、
本柵では数々のパラドックスが納められていて、
そのエピソードとしての取り込みがさびになっている。

パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。
ミステリを極めたいワンダが入部したのは、
パラドックスとパラレルワールドを主として追及する会に入部する。
部員にはなんと、ドイル、ルブラン、カー、クリスティーにポー。
ミステリ界の巨人の名が揃っていた。
なのに誰もミステリを読んだことがないという。ばかりかミステリという概念がない。
ワンダの知識では、部員たちは紛れもなくかこの巨匠たちらしいと知るのだが、
小説は誰も書いていず、むしろ彼らの代表作そっくりの事件がリアルに起きていた。
それら事件は、ワンダの知るとおりの著者の名を持つ部員が謎を解明していた。
混乱するワンダ。
ミステリを変革させた巨匠たちにミステリを書かせようと奮闘するうち、
同じ進入部員のカーが、ミステリを書き上げたところで、完全な密室で死にいたる。
自殺する動機はなく、殺人事件だと思わせれるも、
密室には凶器らしきものもない。密室に出入りした者もいない。

ミステリの変革者たちが密室殺人の謎に挑む。

作中の部員同士の会話のいたるところに、それぞれの作家の特徴を醸し出すあたり、
鯨統一郎、小技が冴えてます。
一人著名作家でなさそうなワンダがチェスタトンであり、
謎の解明に当たり、その性質を使って、前代未聞のトリックを力ずくで完成させるあたり、
鯨統一朗のトリックと同じ行動を、思わず読者も、とるだろう。

パラパラ漫画が本書には付いているのだけれど、
そこにまでトリックがあるとは思いもよらなかった。

ううーん。微妙に面白いぞ。

9日はドギパで遊んできたよ。2009-05-10

週に一度犬たちを連れて遊びに行く。
3-5時間自由に遊ばせたあと、
行った先で洗えるならシャンプーし、
洗えなけれれば、帰宅後にシャンプーをする。
10年近く、こうしたスケジュールの週末を過ごしている。

7年前にパートナーズハウス、6年前にドギパの会員になって、
『ごお』の若い頃に行っていた吉野川や滝畑あたりから、
行き先がかわっったといえ変わらぬ習慣だ。

前日は、7月も中ごろという陽気だったがドギパに行ってきた。
柴犬が一頭いたので、やや緊張した。
『そらん』をオンリードにしたまま、『はいら』をフリーにして挨拶に行くと、
柴犬君、『はいら』には優位性を示していたが、
『はいら』はそういうのに頓着しないおばか犬なので、
機嫌よく遊びに誘っている。柴犬君も遊ぶ姿勢を示した。
『はいら』の場合、なにがあろうと大喧嘩にはなりそうにない。
『そらん』に対して『はいら』に示したようなことすると、
『そらん』の逆鱗に触れる可能性もあるので、
慎重に近づかせて挨拶させると、
少し声を柴犬君がだ゜し、『そらん』が怒りかけた。
すると柴犬君引いたので、、『そらん』と激突することはなさそう。
『そらん』があまり気にしていないし、
柴犬君からちょっかいかけない限り大丈夫だから、
柴犬君をまずフリーにしたうえで様子を見ましょう申し入れたところ、
すでにかなり遊んでいるのでと、
飼い主さんが気を使ってくれて柴犬君を繋いでいてくれた。
『そらん』も一時起こりかけたが、以後無関心のようだったため、
安心してフリーにできた。

ドッグランに来たら、なにが何でも自分言うの犬はフリーにすべきと、
相性の悪い犬がいても頓着しない飼い主が多い中、
とても気持ちよい使い分けができて感謝。

この日も昼からわらわらと犬が来た。
でも常連さんがほとんど゜いなくて、
『そらん』は退屈なのか、ぼくといっぱい遊んでくれました。
珍しいね。

『はいら』は絶好調。
ジロー君とのプロレスに駆けっこ、
プール浴と素好きなように楽しんでいた。

プール浴と書いていますが、実は温泉成分なんです。
『ごお』みたいにパートナーズハウスで鼻歌歌ってくれるようになるか知らん。
この日の様子は別館にも載せています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kumanekonano/52122977.html


写真は訓練用のボールを奪い合っているんだよ。

激闘東太平洋海戦 覇者の戦塵1943(全4巻)2009-05-11

谷甲州    中央公論社    850円

谷甲州は1951年生まれの現在58歳。
大阪工業大学工学部土木工学科に学んだあと、
建設会社などに勤務した後、
青年海外協力隊などを経て作家として独立したそうだ。
青年海外協力隊参加中に奇想天外に発表した
「137機動旅団」が作家デビュー作とのこと。
ハードSFと冒険小説をミックスした作風ということだ。
ぼくは谷甲州の作品ははじめて手に取る。
どうして谷甲州作品を読もうとしたかというと、
職場の同僚とのたわいない会話が端緒である。

横山信義の話題となり、架空戦記物の中には、日本びいきのあまり、
国力・技術力・社会的背景など無視した作品が多すぎる。
また、擬音ばかり多い作品やとんでもない艦船を突然登場させるご都合主義には失望する。
『紺碧の艦隊』など大和や武蔵の建艦をやめて巨大潜水艦を建造したとしていたのに、
いつの間にやら日本武尊に信玄・謙信だ。はてはUFOってか。技術水準もへつたくれもない。
そんな中で横山信義の『八八艦隊物語』は出色のモンやった。

そういう横山信義礼賛をしたところ、同僚が言うには、
技術屋的視点で書いている谷甲州もよいと薦められたのだ。

で、古本屋で最初に安価で売っていて目に留まったのが「激闘東太平洋海戦」である。
「激闘東太平洋海戦」は1999-2000にかけて発表されている。
このタイトルの作品だけで4冊にもなるが、
より大きなシリーズ『覇者の戦塵』の中の一冊として位置づけられている。

『覇者の戦塵』というシリーズの特性を知らなかったので、
いきなり中盤以降から読み出すこととなったため、
1巻ではなにがどうなっているのかよくわからず困惑した。
どうやら日米戦争は史実とは違った経緯で始まり、
電気探信儀の開発時期などにもずれが生じているらしいこと。
1943年という設定にも拘らず、加賀と飛龍が健在なこと。
そして何故かミッドウェイを日本軍が押さえているらしいこと。
そういうことがわかってきて、すこしづつシリーズの真相がわかり始めたのだ。
タイトルが架空の戦闘名をつけられていて当然である。
1939年の時点を分岐奠都する、全く史実から逸脱した作品群が『覇者の戦塵』らしい。

電探を戦術に取り入れるためさまざまな工夫を行うあたり、
技術屋的とされる谷甲州の真骨頂なのだろう。
どうしてし史実では開発競争で大きく水を開けられていた電探が、
運用面を含めてかなり米軍と拮抗しているのかとについては、
2巻、3巻辺りで新鋭機F6F鹵獲するあたりにヒントがありそうだ。

常に日本軍の視点からのみ語られるため、米軍視点から作戦意図など語られることがないため、
結果として電探や兵器をどのように利用し、さらに得た情報を同評価し、
米軍の作品意図を読み出そうとする緊迫感がよくでている。

また、戦闘力を持たない偵察機などに着目してストーリーの中心にすえるところなども、
戦闘場面ばかりに着目する書き手と異なり好感が持てる。
シリーズをもう少し読み込んで行こうと思っている。