エンジェルズの活動にまたまた疑問。2011-03-13

年明けからこっち、すっかり更新速度が落ちてしまっています。

なんか気持ちに余裕がありません。
余裕のないときにはゲームに逃げる。
元祖ヒッキーと呼ばれてもよい過去を持っています。
読書とゲームと犬遊びの日々、
隠者の生活のようで憧れていた世界にいるので幸せなのかといえば、
現実は働かないと食べていけないわけですから、
とても悲しい分裂状態にあって、自己崩壊中です。
早く常識人から見て社会人として適切な枠内に戻るよう焦っています。

2月からこっち、ゲーム以外ではネットはほとんど使っていません。
気にしながらも、エンジェルズ関連も見ていませんでした。
で、数日前に寄付金等返還訴訟の和解案がどうなったのかみようと
ほんと久しぶりにネット巡回し始めたら、
エンジェルズがまたまた大規模レスキューに着手し、
これまたひと悶着おきているという驚きに出会いました。

そして、あまりにも大きな災害が発生。

そこにさっそくかかわろうとするエンジェルズも見てしまいました。

旧名のアークエンジェルズで
広島ドッグパークレスキューにかかわってよりこっち、
和泉市でのブルセラ犬騒動、
シェルター開設での地元との衝突、
大宰府での強引なレスキュー劇など
劇場で見るかのごとき数々の混乱と騒動を繰り返して、
保護活動というのは「やから」にも似た、
関わらぬが吉という意識を植え付けつつあるたエンジェルズ。

交通制限さえある状況下で、
自衛隊や警察、消防といった指揮系統と連絡したのか、
期待されているのかどうかも分からぬまま、
とりあえず救出に行くのだそうだ。

人の安全は上記団体が当たるのだろうから、
犬や猫という愛玩動物の支援に立つ。
そういう決意を述べているが、
指揮系統の中に入らぬ単独実施で、
しかも単独で支援金を要請する。

エンジェルズとは別に連合して被災動物支援を行う団体があるのに、
そこへの参加を表明するわけでもなく、
そうした活動へ人の目をいざなうわけでもなく、
ただ、自分たちは動いているといいたいらしい。

そのおひざ元はというと、
滋賀シェルターでは100頭を超える保護犬を抱えている。
その世話は、林夫妻も含めてやっと4-5名で面倒見ている。
東北まで出向くことでシェルターでの世話は、
2-3名となる。
シェルターには保護犬とは別に
商行為として行う老犬ホームの犬も相当数預かる。
契約行為であるはずの犬たちの世話まで放棄して、
救出活動に混乱をもたらしかねない活動を行う。
現在の保護犬、預かり犬にとっては迷惑千万。
被災地にとっては有難迷惑であるかも。

ただ今すぐに人への支援を視野に収めないままで動き出すことは
被災者や被災動物のためになるとは思えない。
自己満足でしかない。

阪神大震災の時に起きた経験はなんだったか。
必要とされる支援をいかに効率的に行うかであった。
そうした教訓を全く無視した形での介入目的。
まったくの善意だったとしても褒められる行為ではない。

支援金依頼を前面に押し出した今回の形であるならば、
被災地支援が目的でないという批判を受けたとしても、
当然のことだ。

(10日に書いていたものに13日加筆後アップ)

火事場泥棒のような寄付金募りにご注意。2011-03-13

今回の地震と津波被害救済をうたった数々の募金の呼びかけが始まっているようだ。
たいていのものは真摯になされているようではあるが、
なかにははっきりとしない団体のものもあるようだ。
有効な寄付先であるかどうかはしっかりと見極めたい。

また被災地の動物救援については、
要請があり次第、緊急災害時動物救援本部が設置されるという。
その構成は以下の諸団体の連合となる。

 社団法人日本獣医師会  財団法人日本動物愛護協会
 社団法人日本動物福祉協会  公益社団法人日本愛玩動物協会
 社団法人日本動物保護管理協会

で、現在のところ設置はまだのようだが、
被災地の状況把握が確実なものになれば
きっと稼働しだすと思われる。

これまでの経過の中でも、
災害時の愛玩動物保護を巡ってはトラブルがあったようだ。
いい動物を横領しようという動きが過去にあったようだ。
獣医師広報版にうかがわせる記事がある。
http://www.vets.ne.jp/log/search/data/0700/files/20110313115714.html

今回の東北関東での地震と津波の被害は筆舌に尽くしがたいものがあり、
地震発生後丸二日を過ぎた今でも、
被害の全貌が明らかとなっていない。
断片的な情報をつなぎ合わせると、
本来被害情報を把握する立場である行政、
あるいは地域の警察・消防が機能を失ったため、
実際の被害状況の把握だけでも、
まだ時間を必要とするようだ。
死者は1万名を超えるという予測もなされている。
あまりの出来事に悔みを口にするのも不謹慎と思える。

阪神淡路の地震も被害は深刻であったが、
今回の地震に比べれば被害の程度は限定的であった。
神戸から直線で50キロの我が家では震度5の揺れのみだったし、
津波が町を襲ったこともない。

そんな状況であっても電話はつながりにくかったうえ、
現地にボランティアに行くにも手段がないという状況が続いた。
そういう状況の中、復旧ボランティアに車で出立した人たちの述懐に、
やみくもに行くことで現場の混乱を大きくさせてしまったとの反省が残されている。
食事一つにしてもそうだ。
被災者にさえいきわたる状況でないのに、
ボランティアがろくな働きもできないのにいるため、
貴重な食料と水を消費する。
災害復旧のために必要な道具も持たずに行ったため、
いるだけで何もできないばかりか、
足手まといになっただけだったとの反省もあるった。
車で向かったため、支援物資を運ぶ車両を妨げただけという、
笑えない事態もあった。

まずはノウハウを持った集団が情報把握と誘導路の確保し、
現地の状況がわかるまでは、
義侠心だけで現地に行くことを控え、
後方でできる準備をして待つことが有効だという。

愛玩動物を避難させたいという飼い主の心情はあろうが、
そのための動きが混乱を招かせる結果につながっては本末転倒。
被災地への支援は、物心ともに必要とはいえ、
まず犬猫ありきではないだろう。

災害への支援金も、最大限に現地にもたらされるようするのがよく、
特定の団体が自身の口座に集めたものであっても、
そこが直接差配するのではなく、
災害対策本部なりが集中運用するなどするほうがよいに決まっている。

ましてや犬を救うための支援金を募ったのに、
満足な報告さえしないばかりか、
余剰金を団体内にプールしたまま、
私たちに寄付されたのだから使い方に文句をつけるなと言い放つ。
そういう団体へ支援してしまっては、
送った善意は浮かばれない。

わずか15名ほどの団体が、
東北全県と関東の一部の被災地に出かけてできることなど、
たかが知れている。
せいぜい数十匹も引取れたなら上首尾といったところだ。
本当に悲惨な状況の愛玩動物が待つ地域にまで行き着けたら奇跡だろう。
さも自分たちが英雄であるかのようにネットに喧伝し、
すごい人道的でアクティブに動くように見せかけているが、
その実は無計画と無謀としか見えやしない。

そもそも彼らのホームページに書いている、
被災地からのSOSにしたって信じられるものでない。
電話が鳴り続いているという表記があるが、
現時点で電話がストレスを感じずかかる地域は、
甚大な被害の中でも軽微な状況で済んだところのものが多く、
とりあえず緊急性が低い地域のものでしかなかろう。
人の常として、まず縁者に安否連絡をする。
そのような通信を行うことさえ困難な状況で、
犬や猫の避難先を優先して考えて連絡する人は多くなかろう。
僕であっても、犬たちのために頭が回りだすまで時間を有すると思う。
その電話が鳴りっぱなしなどと書くことで、
この団体の発表を信じる気持ちにはなれない。
いくつかの問い合わせがあったのは事実なのかもしれない。
それでも停電のある中、ネット環境さえ閉鎖している状況下で、
関東・東北の人間が関西の小さな団体の電話番号を
把握していたとするのは無理がある。
いつもの脚色の強さなのかと疑いを抱く。

この団体の支援金要請については、
真摯に被災動物のために使われるとは、
容易に信じないだけの疑いの目を持ってほしい。

それでも呼びかけに応えて支援金を送るのなら好きにすればよい。
でも、被災地にとって必要な力になる要素は限りなく低い。
そのことだけは十分に認識しておくべきだ。
いずれできる救援本部への支援を行うほうが有効性が高いはずだ。