キャットフード2013-10-07

森山智喜 講談社   530円(別)

森山智喜は1984年生まれだそうだ。
2008年に、「講談社BOX新人賞“流水大賞”」に入選し認められ、
2010年に本作
「キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人」にて
単行本デビューしている。

「キャットフード」は、化け猫同士の心理戦が中心となる。
ある化け猫グループが最高級キャットフードを作ろうと企画する。
その材料は人間。
彼女たちは綿密な計画を立て犠牲者4人を集めた。
が、4人の中に一匹化け猫が混じっていた。
彼は、野良として生きているがね
犠牲者になるうちの一人にかかわっていて、
その人を死なせたくはなかった。
できるならその人の友人たちをも。

猫は猫を殺してはならない。 
この絶対的なルールの中で猫同士の知恵比べが始まる。
4人の中に混じった猫を見分けキャットフードを作れるか。
正体を見破らさないことで人間を守り切れるか。

やや守る側が優勢なまま事態が推移していく中、
攻める側の猫は、飼い主である三途川理に協力を求める。
守る猫の予想を超えた奸智は人間たちは苦境に立たされる。
 
いよいよという瞬間、守る側の猫が化けた本人が重要な働きをする。

この結末は、著者の「名探偵三途川理」のシリーズ゛の基本スタンスになる。

アイデア一本で、最後まで引っ張る力技は見事。
面白いのは面白い。
ただし、僕のおすすめの本ということにはならない。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kumaneko.asablo.jp/blog/2013/10/07/7002391/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。