怪物が街にやってくる2019-01-18

今野敏  徳間文庫  630円

40年前に発表された作品で、
ジャズ小説の表題作を含む6辺が収められている。
後のほうはSFになっちまうものの、
あの当時の熱いジャズを知るものならすぐにわかるモデル..
山下洋輔、中村誠一、森山威男のトリオがメンバー交代し
小山彰太、坂田明に代わっていく過程の中で書かれた。
1970年代の山下トリオは、間違いなく格闘技ジャズだったし、
テイラー達さえ行きついていないグループ表現に成功していた。
(んじゃないか?)
ポンタだとか渡辺香津美。向井滋治だとか生活上委員会、
そういった熱い戦闘的なジャズ集団が繰り広げたインタープレイが
まさしく眼前に現れる。
そういった意味でオールドジャズファン、
中でもフリー系にはまった人なら楽しめる。
カクテル・ジャズと揶揄されたスウィングや中間派ジャズに厳しいし、
クロスオーバー、フュージョんといったムーブメントにも冷酷であるが、
当時のジャズシーンの一端を切り取っていて懐かしい。
タモリだとか筒井康隆、山下洋輔といった面々が
暴れまわっていた時代は、よかったなあ。

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