ピースわんこプロジェクトの謎。2020-10-08

ここまで「ピースウィンズ・ジャパン」と上石高原町町役場発信の情報、 「ふるナビ」」記載の情報から、いろいろと考えてきた。 考える発端になったのは、杉本彩氏の主催団体EVAが発した注意情報で、 ついでいぬねこネットワークの公開質問状とその回答だった。 批判している方々の発信は、実は見ていない。 それでも批判的な色彩を含むのは、 動物愛護団体・保護団体とは距離を取ろうと思ったあの団体の足跡を見たから。 なんぼなんでもあんな馬脚を現すものは、二度と起きるまいと思っていた、 起きているがな、というのが今現在の考えだ。

なんで一挙に悪い印象に振れてしまったのかというと、 会計報告を見直したところ、いろいろと不思議なことが見えてきて、 誠実さに欠けるあざとさが透けて見えるように その手法が、思わせるからだ。

次に9月10日から新たなGCFが始まっていることに気づいた。 なんと目標額は4億8千万円だそうだ。 しかも 「【緊急支援】コロナ危機を乗り越えて 殺処分から犬の命を守る」だ。

だいたい緊急などと銘打つ内容か。この事業が。 突然大量の放棄・遺棄が発生したのでもあるまいに。 8月に終了したものは6億1500万円集めていた。 保護犬事業への会費、 一般寄付もふるさと納税交付金に匹敵するほどある。 保護犬事業のものとみられるもののみで4億5千万あったのに。 年間運営費は10億としているのに、 さらに4億8千万円GCFが必要って、 一体全体事業をどのように計画したのだろうか。

年間10億が必要で、会費・一般寄付での収益が4億から5億あれば、 この団体は暦年で決算しているといっているのだから、 今年度会計は足りている。そのうえでさらに4億8千万欲しいとはむさぼりが過ぎる。 もう、寄付頂戴が先に来る活動になってしまっている。終わりの始まりだ。

多くの人の善意を裏切ることだけは、起きませんように。 かっての悪夢がよみがえる。

だいたい「命を救う」というお題目を唱えられれば、 自ら騙されてもいい「小さな救う。それこそ至高の美しい行為だ」 と、周りが止めようが、忠告しようが、 ハミを付けた競走馬のごとく、競争するように支援する。 そういう人を多く見た。

だから今回も同じ構図と考えてよい。 GCFでなくて、団体の直接要請を盲目的に信じて協力する人は、 どうぞ勝手にやってくれ。 シェルターに犬を入れ、死ぬまで飼養することが絶対の正義と思うなら、 好きにすればいい。ただし「ふるさと納税」を利用するな。 GCFはふるさとチョイスで900事業展開されている。 8月末時点で800億ほど集めていた。年末には1000億ほどになるかもしれない。 そのうちの11億近くを得ようというのだ。一事業で1%に達する。 そのぶん他の事業計画を圧迫する。謙虚さはないのか。

GCFとは政府(自治体)が行うクラウドファンディングで、 自治体の課題解決に、あなたの意思を反映する

趣旨はそうなのだ。上石高原町の課題解決のためになされる。 この事業は広島県広域の事業であり、ただの一町にすぎぬ自治体が、 広島県全自治体を代表するのが解せない。 そこは置いておいても、自治体が寄付を募っているわけだ。 一年間で11億の寄付金が必要なだけの根拠につき、 打ち合わせはしているのだろうな。 資金繰りが苦しいはずがない。保護犬事業は収益が費用を上回っているじゃないか。

なんやねん、この寄付金募集のありようは。

今回も積算根拠がよくわからん。

暦年で計画を立てているのだろう。

ひと月一頭2500円だったフード代が1.5倍に膨れ上がる。 人数に変化がないのに人件費が3千万上積みされる。 県の指導で避妊・去勢手術が増え、 収容頭数は増加してるのに医療費は横ばい。

なんでだ。

2月には2900頭いたのに、9月には2800頭に減っている。

なんでだ。

少なくともこの7か月で3-400頭は受け入れていないか。 4-500頭も譲渡したのか。いや、自然死・病死が200前後とも考えられるか。 (いや事故死もありそうだな。) なら2-300頭が譲渡先が見つかったということか。 「コロナ危機を乗り越えて」っていうが、 コロナ危機どころか「コロナ譲渡景気」じゃん。

同じ会計年度なのに、プロジェクト内での配分が異なってしまう。 額も変わってしまう。

ふるさと納税を利用しているというのに、これはあんまりだ。 ふるさと納税参加の条件を規制しないとだめだ。 何をやっても許されては、あかんやろ。

GCFが自治体の事業なのは間違いがない。 起業に、企業誘致に、補助金交付もできる。 それらが許されるのは、自治体が事業を毎会計年度ごと監査し、 活動の透明性と寄付金用途の正当性を公表ているからだ。

自治体、寄付者、事業主体(NPO) が、 それぞれ頂点にあるトライアングルで、 常に双方向で信頼関係が結ばれていなければならない。 その6つの矢印の、どこか一つでも崩れたら、成り立つ事業ではない。 崩れたままなのに活動の正当性を担保し続ける神石高原町は 単なるお人よしの世間知らずの集団なのか。 それとも利害関係が絡み合った末での、共犯関係か。

これまで自治体の信用力を勝手に使っていた詐欺集団も多い。 あぐら牧場しかり、ケフィアしかり。 かってに名称を使われてのことなら責任は問えないが、 神石高原町は、告発者がいて、事業の正当性が問われているのに、 実に反応が鈍い。むしろいまだに積極的に肯定を与えている。 一度くらい優秀な監査能力を有する職員を送り、 事業内容の中身を見ておくことだ。ことが大きくなる前に、 自分たちの町の名が傷つくことがないかどうか確認することだ。

職員が不正に関与するはずがないなんていうな。 毎年何件も、どこかの自治体で賄賂提供を受け便宜を図る、 特別な人間関係があって便宜を図る、 そういう不正が後を絶たない。

自分たちが何をして、誰に何を保証しているのか考えていただきたい。

急速に事業が拡大したための混乱がベースかと思っていたが、 どうもそれだけではないようだ。毎年の案内内容がかなり揺れている。 故意と錯覚させる手法も多数ある。 そんなものが多発している。見えないよう企んでいるとしか思えない。

個人的には、何が起きようと絶対に支援したいとは思わない。 かの団体が一番無軌道になった時でさえ、こんなことはなかった。


以下は取り消し線部は、すべて間違いです。単位は(円)です。 したがって1000倍と勘違いしています。 それなので、適正な価格です。 犬の医薬品も在庫は一頭当たり4万円ですので、 内服薬・外傷薬・犬舎消毒薬等もあるのでごく普通です。


2019年の会計報告を見て一番驚いたのは次のくだりだ。

前払費用(単位千円) 西山第2第3犬舎土地貸借料(個人)         1,333,333 捜索救助チーム育成事業業務委託費前払費用(㈱帝釈峡遊覧船)                                   900,000 スコラ犬舎土地貸借料(㈱帝釈峡スコラ)       355,000 その他                              1,200,568 合計          3,788,901

㈱帝釈峡遊覧船、㈱帝釈峡スコラは観光業を営むグループ企業か。 災害救助犬育成と業務委託をする。随分とおかしなことじゃないか。 何年に分けているのか知らないけれど9億円だよ。何年契約。 ハンドラー、訓練を請け負うものは誰? トンネルに使って資金着服なんて、まさかないよね。 西山犬舎所在地は岡山県だという。  確認はしていないがスコラ犬舎とも山間部に所在するのだろう。 地目が山林であれば、資産価値としては坪1万でも高いくらいだろう。 2万3千坪(7万平米)なら17億出せば買えるんじゃないか。 長期にわたる借用への地代としたら100年くらい借りる契約なのかな。 それくらいでも年の負担は1700万円だ。

保護犬事業に記載される地代家賃は2019年度で39,418,235円だ。 借地権はPWJ全体で1,857,600円とされている。 監査法人がいるのだから正しいのだろうが、 僕の頭では理解できない。

驚くべき数字はまだある。 保護犬事業で医薬品在庫が10612912(千円)ある。 在庫で106億円。一頭当たりの医薬品在庫が400万円? 理解できません。


ここまで、すべて間違いです。ほかのところの単位と取り違えました


犬猫保護事業決算では、2013年度42,246,166、2016年には469883541 2017は8015344310、2018には980174200、 2019では969665229となっている。 PWJ全体では、人件費は2013年は各事業の支出に埋没している。 それが2014年は385713199、2016には5億6千万、2017は784446997 2018が974621943、 2019は人件費・賃金・海外現地スタッフに細目建てし それぞれ593408526、36330442、302168676となっている。 ちなみに保護犬事業では2016が94725281、 2017年以降は172385480 → 256105549 → 275768991と推移する。 2017・2が保護頭数1400頭、2018・2が2400頭、2019・2が2900頭 保護頭数は増加に伴い見合った人員確保が行われていたが、 2018~2019にかけては増強が十分であるか判断に悩む。 保護犬事業の収益は 2014年実績が397697226 → 81994987(前年繰り越し分含む) → 1082494036 → 1097372254 → 1189268829と推移している。 全頭引き出しを実行するようになってからは毎年10億円を集めている。 直接事業費は2016年から記載されている。 50160241 → 1349844463 → 214305370 → 166520798と推移し 外注費が 36881049 → 59890268 → 44731921 → 50824902となる。 その他経費が 211728669 → 335672297 → 315949778 → 693897001と推移する。 毎年度ごとでの剰余金は 218757081 → 302205394 → 146555663 → 253009221となる。 要するに寄付金で損失は出ていない。優良事業であるとわかる。

2020年は先に61500万円ふるさと納税があった。 なのに追加で48000万円の支援を求めている。 保護犬事業におけるワンダフルなんちゃらの寄付がまるっぽ飛んだか、 行政からの補助金がまるっぽなくなってしまった規模の追加支援要請である。

ああ、忘れていた。人件費については 保護犬事業開始後から大きく増えている。 2015年の3億9千万弱がPWJのNGO活動のベースと思われる。 保護犬事業実施後に組み込まれる6億近い人件費は 素直に考えたら保護犬事業による増加ではないか。 ほかにもGCFで事業を行っているが、 人件費の増額分(保護犬事業除く)が3億円以上になる。 他の新たな事業は、どれも今一つ成功したといえる状況でない。 人件費に見合うだけの収益があるわけではなく、 事業実態があるわけでもない。 GCFは【緊急】災害支援事業が多く、 PWJが、対象を個人か企業かわからないけれど、 補助給付金を支給する活動のようです。 単年ではGCFで集めたもの寄付に積み残しがかなり出ている。 緊急の割には動きに精彩を欠くものです。 ほかにもGCFは行われていて給付事業以外もあるが、 人件費を投入する価値のない赤字事業にしか見えない。

併せて記しておく。


2020年10月8日。下から3段目の段落で、 一部金額の間違いを訂正しました。 最後の段には文意が通るように加筆しています。

シェルターで殺処分ゼロは無謀です。2020-10-08

かって僕は「エンジェル・シェルター?(しつこい)」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/02/08/1170742
との記事を書いたことがある。13年も前になる。

「広島ドッグパーク崩壊レスキュー」というものがあり、
保護団体の行動や言動が物議をかもした。
支援金を多額に集めシェルター構想を掲げた団体に対して
その継続性や効果に疑問を持ち書いた。
興味があれば見ていただいてもよい。
だらだらと長い分になっているので
要旨をまとめると接ぎになる。

1 遺棄は放棄の現状を変えないと永遠に保護し続けることになる。
2 終生飼養することになるため収容頭数がすぐに限界になる。
3 最低限の飼育環境維持に大きな敷地建物が必要なこと。
4 施設運営スタッフの確保が必要。

1000頭規模と計画が語られていたので、その数で経費を考えました。
運動に必要なスペースや犬舎で最低6000平米以上必要で、
初期建設費が1億ほど。
スタッフの駐車場、来訪者駐車場など合わせたら、
また十分に健康的な運動スペースを確保するなら
敷地も建設コストももっと必要だろうということ。
建設経費の次には、訓練スタッフや飼育担当者等スタッフがいる。
それに設備維持・日常管理業務などで総勢80名程度人員が必要。
人件費は少なく見積もって年7000万(スタッフの1/3が常勤正規職員)
ほかはボランティアで無給か、低賃金の臨時スタッフで支える。
目的を十分に果たすには1名に15頭が限界値だろうと思いました
飼育にあたり餌代や光熱水費、運搬に必要な車両代に燃料費
なんじゃかんじゃで人件費込み月900万は経費が必要とした。
年間で最低1億。書かなかったが医療関係費が上積みとなる。

正直少なめだと思っていたのです。
頭の中だけでのシミュレーションです。
実際には倍はいるかなとの感触でした。

PWJの経費を見れば倍でも足りなかったようです。

だからシェルターを乱立させ殺処分ゼロを目指す保護活動には反対しました。
とにかく元を絶つ。それが進まないとシェルターの崩壊が起きると思ったのです。
シェルターが崩壊し、シェルターレスキューが起きると予想しました。

PWJの行く末に、この危惧が当てはまらないか心配しています。

勇気ある撤退が、真剣に議論されるべきではないかと考えます。

注意深くPWJの発信を読めばわかると思います。
全頭引き揚げ開始5年で3000頭が施設にいます。
野犬なので譲渡に適合しない個体が多い。
また、大きな疾患や障害を持つ個体も多そうです。
引き受けはしても譲渡希望がないに等しいでしょう。

すでに毎年2-300頭は施設内で死んでいるのではないかと思います。
頭数は少ないかもしれませんが、死んでいないほうがおかしいのです。
なので事業開始からの引受け頭数は、たぶん4000頭に達すると考えています。
データ的に考えれば、すでに800頭程度が死亡している事態がありえます。
引き受ける犬の年齢が平均分布と仮定すれば、
つまり1-15歳の犬が各年齢ごとで200頭以上と考えてよい。
犬の平均余命は15歳には届いてないはず。
野犬であれば、実際には12歳くらいまで落ちるのではないかと思います。
毎年新たに引き受ける頭数は600頭以上。
もしかすると死亡数+譲渡数=新規受け入れ数となる平衡点が来ているかもしれません。
PWJでは施設拡充を今も行っているようなので増加は当面続き、
死亡数+譲渡数=新規受け入れ数となるのが保護頭数5000頭当たりと想定しています。
それでも今の増加数であれば、あと4年です。

3本ほど前に書きましたが、
PWJへのふるさと納税・一般寄付は、今のところ独占的だから集中しています。
が、同様のプロジェクトがGCFで乱立すれば集金力は落ちていきます。
資金がショートする可能性はとても高いのではないかと思います。
保護活動家がPWJ同様の取り組みを検討されても不思議はない。

この活動に夢を見るのはとても危険なことだと思います。

PWJの発信、または賛同者の発言から類推した、僕なりの想定です。

これからPWJへ疑義を投げている方の発言を読み込んでいきます。
そこから見えるものは、また整理し書いてみたいと考えています。