コロナ禍というけれど2021-01-25


95歳の母がコロナ陽性反応が出、5日間の施設待機期間を経、
受け入れ先に入院、19日間の隔離を経、先だって退院してきた。
入院といったって積極的な治療方法があるわけではなく、
意地悪な言い方をすれば隔離しているだけ。
幸いにして致死率が数%の感染症なので
適切に容体観察をしていれば酸素吸入なりもできるし
さまざまな投薬を試せば回復できる可能性が高い。

先週ごろより新規感染者が減少傾向が見られる。
4都府県に緊急事態宣言が出て3週間、7府県に出されてから2週間がたつ。
人の接触機会が減少すれば、コロナ感染者が減る。
最初から分かっていたことだ。

第一波のおり感染症専門家が口をそろえていたのは、
何度も山を迎える。その都度人流を止め山を抑えてを繰り返していくほかない。
治療薬やワクチンが実用化されるまでは通常なら2-3年かかるが、
非常時なので期間は短縮されるだろうが、
それまでは緊張感を持ってコロナに立ち向かわなければならないだろう。
そういうことだった。

なのに忠告を忘れた末の混乱を招いた。
政治家たちの怠慢といっていいのじゃないか。

第2波は東京都(関東圏)を除けば一桁まで減少させられた。
感染増加期に各首長などが強い警告を発したから抑え込めた。
時期的にも温暖で湿度の高い時期だったし、
バカな経済刺激施策もなされていなかった。
うまくいったのにははっきりとした理由があった。

第3波は、首長たちも危機感が薄れたのか、警告を出すのが遅れた。
東京などずっと3桁以上の感染傾向にあったが、
11月ころからは300例に達しても、ほぼ何もしていない。
吉村大阪府知事などにしたところで後手を踏んだのは確かである。
それでも彼は、重症コロナ専門病床を用意したり、
コロナ専門病院を確保するなりしていたし、GO TO停止を早くから働きかけた。
その意味では都知事などより危機意識を持ち続けていたとも思う。
たとえ緊急事態宣言要請が遅れたとしても、
したほうが良いと指摘されていたところは充実させていた。
なのに入院・ホテル療養をするのに数日間待機しなければならない。

政府に至っては、全く無策極まりない。
単なる無策だったのならまだよくて、GO TOという最低の施策を実施し、
そのうえ止めなければならないという専門家会議の意見すら無視、
GO TOが感染を広げたという証拠はないと強弁し、
今現在の状況を作り出したわけだ。
皮肉らばGO TOが原因でない証拠もないだろう。

たしかに観光業者は直接的に助かったろうし、関連業種も助かったろう。
飲食店と関連業界しかり。
だけど山が高くなり始めた11月中旬には停止してしかるべきだったと思う。
そしてワクチンと感染したとしても確立した治療法ができるまでは
GO TO予算は全額産業支援と困窮者生活支援に回せばよかったのだ。

経済が壊滅すれば日本が死ぬ。
それはそうなのだろう。
じゃあ運を天に任せて感染爆発させてしまうという選択もある。
アメリカもブラジルも、そういう道を進んだ。
死ぬものにとっては不幸の極みだが、
近代にいたるまでは、新たな感染症は防ぎ得なかったわけだ。
それでも乗り越えてきた。それが人類なんだろう。
確実にその後経済は滞留することになっていたようであるが。

もっとも運を天に任せるような施策を打ち出した政治家は
政治の世界から退場してもらいたいと思うのも確実だろう。

今頃になって法改正を打ち出し、
感染症受け入れ拒否医療機関と、入院忌避者に刑事罰・罰金をなんていう、
あたかも感染増大の原因が、
そのようなところにあると誤読させようとしている。

今は入院したくても入院できない。
それで自宅療養・待機中に死んでいく。
浮かばれないよな、

やっぱり人災のような気がする。
そう思うのは僕だけだろうか。

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