サウスバウンド ― 2005-10-03
本当に楽しめた『おもしろい』小説。
こんな小説を待ち望んでいた。
奥田英郎 2005年6月角川書店刊
物語は元過激派の父親を持つ小学6年の男の子の視点で描かれる。
2部構成になっていて、一部が東京での暮らし。2部が西表島での暮らしとなっている。
第一部では、少年『上原二郎』の子どもゆえの冒険と、
大都会・東京での子どもの人間関係の複雑さが描かれる。
子ども社会での冒険の数々は読者を酔わせよう。
同時に父・一郎の官嫌いがもたらす反骨精神に振り回される二郎の苦悩というか、トラブルメーカーとしての父を批判的に見る様子が描かれる。
西表出身のアキラが上原家の居候となり、
ある事件を起こしたことがきっかけで、
一郎が逮捕される事態となり東京から西表へ引っ越すまでが第一部である。
第2部では、一部では目立たない母・さくらがはじける。
その落差が僕をひきつけた。一部では耐える女性かと思わせたさくらのはじけっぷりは痛快だ。
西表に引っ越してからの上原家はすっかり様変わりする。
ろくに働きもせずぶらぶらしていたように見える一郎が
電気も水道もガスもない廃村での生活では
突然の変貌とも言える姿を見せ、西表の生活に溶け込む。
西表では都会では考えられない助け合う優しさがある。
二郎も、当初不安がっていた西表での生活が楽しいと思いだす。
しかし、廃村での生活はリゾート開発が進行しており、
一郎の持ち前の精神に火がつき、
環境保護活動家、右翼、左翼、警官、マスコミ、住民を巻き込んだ
大騒動に発展する。結末やいかに。
上原一郎という人は魅力的な存在である。
ただし身近にいると多少困りますが…
小学生の視点で描いたことで、
価値観の逆転や家族の結びつきの変化が違和感なく受け入れられる。
現代日本や国というもののありようについて
考えさせるところがたくさん存在し、
単なる娯楽小説にとどまらない趣もある。
快作である。
10点
こんな小説を待ち望んでいた。
奥田英郎 2005年6月角川書店刊
物語は元過激派の父親を持つ小学6年の男の子の視点で描かれる。
2部構成になっていて、一部が東京での暮らし。2部が西表島での暮らしとなっている。
第一部では、少年『上原二郎』の子どもゆえの冒険と、
大都会・東京での子どもの人間関係の複雑さが描かれる。
子ども社会での冒険の数々は読者を酔わせよう。
同時に父・一郎の官嫌いがもたらす反骨精神に振り回される二郎の苦悩というか、トラブルメーカーとしての父を批判的に見る様子が描かれる。
西表出身のアキラが上原家の居候となり、
ある事件を起こしたことがきっかけで、
一郎が逮捕される事態となり東京から西表へ引っ越すまでが第一部である。
第2部では、一部では目立たない母・さくらがはじける。
その落差が僕をひきつけた。一部では耐える女性かと思わせたさくらのはじけっぷりは痛快だ。
西表に引っ越してからの上原家はすっかり様変わりする。
ろくに働きもせずぶらぶらしていたように見える一郎が
電気も水道もガスもない廃村での生活では
突然の変貌とも言える姿を見せ、西表の生活に溶け込む。
西表では都会では考えられない助け合う優しさがある。
二郎も、当初不安がっていた西表での生活が楽しいと思いだす。
しかし、廃村での生活はリゾート開発が進行しており、
一郎の持ち前の精神に火がつき、
環境保護活動家、右翼、左翼、警官、マスコミ、住民を巻き込んだ
大騒動に発展する。結末やいかに。
上原一郎という人は魅力的な存在である。
ただし身近にいると多少困りますが…
小学生の視点で描いたことで、
価値観の逆転や家族の結びつきの変化が違和感なく受け入れられる。
現代日本や国というもののありようについて
考えさせるところがたくさん存在し、
単なる娯楽小説にとどまらない趣もある。
快作である。
10点
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