ちょっと考えてしまう。2021-05-23

コロナ下での自粛生活が続く。
自由に人と会い、共に遊び、共に学び、共に語らい、会食する。
その機会が減少し、孤立感を感じる人が多いようだ。

人はつながることで楽しみも、喜びも感じる生き物だ。
人同士のつながる機会が減ったため生じた孤独をいやすため、
つながっている癒しを得るためにペットを求めているらしい。
コロナが収まった時にペットたちがどうなるかの不安はあれど、
求める人たちの気持ちもわかるような気がする。
(本当に「後」のことを考えられるよう、強く願う)

で、空前の、といってもよい、売り手市場にペット業界があるようだ。
ほんの2年前t炉比べて売価は倍以上になっている。
以前から動物愛護法が改正などにより規制が強化され
緩やかに価格が上昇傾向に向かっていたが、
ちょっと考えられないほどの急上昇になってきている。
子犬一頭の価格が、低年式中古軽自動車に匹敵している。

子犬、子猫は入荷すれば即買い手がつく状況だと聞く。
需要が供給を上回っているようだ。
生き物の取引は、生ものだけに、時価は仕方がない。

それほどの活況にあるのに、あいも変わらず繁殖場崩壊や、
多頭飼い崩壊などがネットをにぎわせる。

で、驚いたのが保護団体の譲渡価格も高騰気味になっている。
まあ市場原理はどこにでも存在するからあり得るといえばあり得る。

もともと利益を取らない活動だといっても
人件費も含めた活動費は要るから赤字を補填するのに、
少々多めの負担を求めたいと思うのも無理はなかろうと思う。

思いはするものの、なんか釈然としないものが残る。

いくつかの団体を閲覧してみたが、
市場原理とは関係なく、従来の一部負担金を求める団体もあれば、
得体のしれない手数料を求めている(1年間で6倍に!)団体もある。
ざっと見た感じでは譲渡費用が上がっている団体では、
コロナ以前との比較で平均で2-3万円上昇している。

一般家庭の遺棄・放棄、繁殖場廃業・崩壊以外にも、
繁殖業者からの繁殖引退犬も多数譲渡されるようになっている。
それが悪いというわけではない。
まあそういう仲介をする業者がいたとしてもいい。
が、保護団体という印象とはずいぶん異なるという印象がある。
保護団体は劣悪繁殖業者を根絶する願いがあったのじゃなかったか。
ならば業者の責任において譲渡させるべきだろうと思うのだ。
間違った考えなのか。
繁殖引退犬の中には、譲渡費用が20万円なんてものも見受ける。
内訳はワクチンや避妊費用のほかに医療関係費が挙げられていて、
腎臓・心臓・肝臓疾患とバラエティーに富む。
そういった疾患があれば引き取って後も多額の医療費が必至だ。
慢性疾患を持つ犬を引き取る奇特な方がいるのは
その方に知識と覚悟と経済的余裕があるなら、いいことだと思うが、
果たして条件に適う人が、手を挙げてくれるのだろうか。

ちょっと話題が逸脱した。

でも、どちらも微妙なところで経済の側面を持つ現象と思える。
釈然としない訳は、僕には経済活動(企業)に見えてしまうからだ。

経済原理で譲渡費用が上下する。
それは多くの人が思い描く動物保護活動なのだろうか。
僕は動物愛護・保護団体を批判的に眺めてしまうようになっている。
そういう目から見たなら、動物保護活動は商売に堕したと感じる。

世の多くの人は、どう考えているのだろうか。