始まったけれど2021-07-22

いつも思うことだけれど、ビッグイベントって関心のない人にとっちゃ
実に邪魔で鬱陶しいものじゃなかろか。
特に居住地に近ければ混むは、汚れるは、
変な規制がかけられたりした日には、害ばかりで益なしなものになる。

通常のなんでもない時であったって、
自由を制限され、文句の一つでも言いたいだろうに、
もらせば国賊呼ばわりされかねないときている。
いったい誰が嬉しいのだろうかと思うのだ。

オリンピックが開催される。そのことに不平を言うつもりはない。
たぶんニュースを見て同じ人間とは思えない特別な能力に
感嘆し、喜び、悔しがる、
そういう自分がいるだろうと思う。

でも大規模な交通規制に検問、何もせていないのに職務質問される。
煩わしさを感じるたび、、なんで強制されなければならぬと思う。
大規模なイベントを歓迎する気もなく、
開催によって懐が潤うものでもない。
なんで開催の意義を理解し、協力を強制されねばならない。
勝手にしたらいいけれど、日常を奪わないで欲しいと思うのだ。

平時であれ、そう思うのに、コロナ禍の下では。

ちょっと前まではオリンピック開催に疑問を投げかけていたマスコミも、
いざ開催が目前に迫れば提灯報道一色になる。
スポーツに一生をかけているアスリートに同情的になる。
裏では長引く時短措置に追い込まれて
生活の糧を失った人々も多数いる。
今が旬のアスリートの不運は気の毒かもしれないが、
不運なのは彼らだけではない。

案の定というか、日本の支配層は精神論ばかりが幅を利かせていて、
太平洋戦争に至る道と同じ轍を踏ませる。
楽観論を信じ、見通しの甘さに責任を取らず、
判断の悪さは押し付け合う。多くの人を奈落に引きずり込む。

さて、東京は過去と比較にならない感染状況になろう。
大阪も、再び1000人台半ばに届くのは必然。
いつ緊急事態宣言に移行するかなという感じだ。
悪ければ8月10日ごろに1万人/日を超すかもしれない。

とにかく見込みが甘いのが今の政府の特徴だ。
GO TOは有耶無耶のうちに棚上げされてはいるが、
この状態は政府が望んでの結果じゃない。
むしろやる気満々だったけれど、反発が大きすぎてひっこめただけ。
オリンピックはぎりぎりまで有観客に拘泥して、
結果的に無観客になった。混乱の大元は政府。
4連休も、開会式前後の人の集中抑制と、
お祭りムードの醸成に寄与させようとの目論見だったのだろうが、
無観客になったため郊外への人流を増大させる働きのみ残った。
このため、あるいは感染拡大が地方に一挙に広がるかも。

とにかくやることなすこと裏目裏目の現政府。
ワクチン接種が加速したはいいが
肝心のワクチンの調達が遅れている。

当初オリンピック予算は2-3000億でと言っていたが
一兆を軽く超えてしまった。
だれも責任を取らず、問わず膨れ上がる費用。
入るはずと踏んだ入場料収入は霧散し、
選手村の売却益も、これから一波乱ありそうだ。

すべて税金で穴埋めされると思えば、
バカやってらあ、とあきれているだけでいいのかなと思う。
オリンピック開催にかかる費用をだれが負担するのかなど、
有権者は誰も関知していないのだ。
トップたちは国民がすぐに忘れる愚物と見做しているようだ。
現に、この国はそうした流れの中で溺れている。
もり・かけを思い起こせばいい。
安倍が政界に居続けている状況をなんと見る。
国民が愚物と思うのも仕方なかろう。

コロナの蔓延は予想できなかったことだっただろう。
だが、昨年の延期決定期に、コロナ禍を科学的に分析し、
延期の結果をシミュレートし真摯に検討していたのか
はなはだ疑問に思うのである。

だれも責任を取らない政府と、責任を問わない有権者。
流されるだけのマスコミ。
日本の真の病巣は、楽観論のみを採る、信じる政治風土にある。