テクニクス SL-P72015-10-02

1980年ごろにコンパクトディスクが発表されて、
オーディオ機器はデジタルへと舵を切った。

初めてCDを聞いたときは、本当に驚いた。
スクラッチ・ノイズのないきれいな音、
音の立ち上がりの強さ、頭出しが簡単。
いいことづくめのように思えた。
いつかはCDがレコードを圧倒するだろう。
これはプレイヤーを買わなければ。そう思わせた。

が、最初の世代のプレイヤーはトラブルをよく耳にしていたし、そのうえ高価。また、ソフトも多くなくて、乗換に躊躇した。第1世代のやや混乱していた状況が落ち着きを見せたころ、第2世代プレイヤーが各社から出され、ソフトの数も増えてきた。そろそろ買い時が近付いてきたと考え始めた。ただ、実売で10万円を切る機種が少ない点がネックだった。

そんな時発売されたのがSL-P7だ。
販売価格が11万円と実売は10万を切る。他の大柄な機種とは異なり、ジャッケットサイズで邪魔にならない大きさということで購入した。1983年か1984年のことだ。

買ってから2年位の間は、ダラー・ブランドのアルバムほか10数枚しか買わなかった。なんでかというと、買ったSL-P7、こいつが僕のこれまで使った様々な機器の中で最悪の個体だった点にある。

購入して半年もたたないうちに故障、修理に出して帰ってきたと思ったら、一月ももたずに、また故障。修理に出すたび1か月は帰ってこない。買ってから2年ほどの間、まともに使えなかったのだ。
最初は、購入店を通じて修理に出したが、このやり取りが、ほんとにつかれた。一度など苦情の症状は見られないと返ってきた。家で使えば、やっぱりまともに動かない。再度修理。回転部が悪かったと修理されて返ってきたものの、やはり音飛び。修理に出すたび梱包して持っていくのだが、説明書のとおり輸送ねじなどもしっかり止めておく。すると、輸送ねじを外さずに使ったお客様の使用に問題があるなどと因縁をつけてくる。販売店がじゃないよ。サービスセンターがだ。こういう不毛を3回か4回か、もっとか、繰り返した。さすがに販売店を通じたやり取りではらちが明かないと見切りをつけ、テクニクスの修理センターにじかに持ち込もうとしたら、相談窓口はセンターの場所を教えない。お客様の直接持ち込みはお断りしています。だと。販売店に直談判して、場所を聞き出し、持ち込むことになった。販売店は、経緯をサービスセンターに、僕の前で説明し、連絡してくれたのである。販売店は誠意ある対応だった。

持ち込んだ時の対応も、大トラブルだと、僕は思っていたが、あちらさんにしてみれば大したことはないようで、謝罪をされたこともなかった。このセンター持ち込みも、記憶では2回以上行っている。普通、これだけトラブルが続いたら交換が筋だろう。そう、水を向けても無視。結局、まともに動くようになるまで2年近くかかったのだ。修理に行ったり来たりを繰り返しているうちに、安くていい製品がどんどん出てきて、早く買ったのに恩恵を受けられないばかりか、早まった買い物をしたものだと後悔がいっぱい。新しいものに買い替える余裕もなく、動くようになってからも、使うたびにセンターとのやり取りを思い出して腹が立つやら、情けなくなるやら、精神衛生に悪いこと、この上なし。

最後に修理されてきてからは故障もなく、トレイの開け閉めが出来なくなるまでの7-8年使って、SONY CDP-333ESJ(勘違いであった。本当はKENWOOD DP-8020だった。)に買い替えた。

機器としての感想は、音質・操作性云々ではなく、初期のトラブルがあまりもひどくて最悪。修理完了後も、普通に鳴って、普通に使えただけ。むしろ、CDはプレイヤーごとの差が出る度合いは分かりにくい。あとあとMELIDIIANなどのことも書くのでそちらで。

テクニクス製品は、このやり取り以降、買うことをやめた。あまりにも人を小ばかにする会社だと思っている。と、これは余談。

SL-P7が使えるようになってからは、徐々にLPの購入が減り、1988年ごろにはCDが購入ソフトの主流を占めるようになった。それでも、LPは買い続けてきた。操作性はCDが優れてはいるが、音を聞く儀式めいためんどくささは捨てがたいし、CDって、言うほど良いソフトじゃない。アナログディスクのほうが、音としては好ましいと思っている。

ただ、メンテナンスに神経をとがらせないでいい
楽さという魔力があるため、
レコード盤をまわして聞くことは極端に少なくなっていった。