彼女の知らない空2022-06-27

早瀬耕

ロシア軍に抵抗するウクライナ軍はドローンを使う攻撃をする。
それは、常に生命のやり取りをし、死の恐怖と向き合う戦争の姿を変えた。
戦争の姿がこのように変化した例を知ったのは
湾岸戦争が最初だった。
その後の戦争は、モニター上で破壊を行うゲーム画面になってきた。
だからそこに人を殺す実感がるのかとの疑問を感じていた。

この優れた短編集は表題作において、ある思考実験をしている。
そこが無性に怖い世界に思える。

収められる他の6篇いづれも、
21世紀が抱える危機的混沌に抗う術があるのかの問いかけだ。

何かしら小説を読むことに深さを求める人には良品。
字面の面白さにのみ酔いたいのなら手を出すものじゃない。

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