Nakamichi 681ZX2015-10-04

いつ頃のことだったろうか。
1985年か、1986年か、あいまいな記憶しかないが、
カセットデッキが相次いで壊れた。
まずCT-9が、回転ムラを起こした。
モーターなのか、それても動力伝達部なのか、
原因はわからない。
キャブスタンプあたりのゴム部品もへたりが見られる。
修理するとしたら新しいのが買えそうだ。
次いでKD-4も、突然出力が死んだ。内蔵スピーカーもならない。
入力は生きているようだったが、再生ができない。
こちらも修理するには高額になると見込まれる。

友人と互いのソフトをダビングして融通しあっていたが、
それができなくなった。
詫びを伝えると、仕方ないね、って。

ところが次の帰阪時に車からいきなり 680ZXを出し
貸したるといい置いて行ってくれたのだ。

Nakamichiのデッキは、オーディオファンにとって垂涎もの。
群を抜く音質の良さを誇っていた。
たいていは5-6万といった価格帯の製品がおおいなか、
20万円もする、性能も高いが、価格はもっと高い。
僕のような普通の給料取りには、ちょっと手が出ない製品だった。

特性はメタルテープを使えば22kHzまで記録できる。
それもテープの特性に応じてバイアスを調整したりもできたので、
カタログ上だけのものでない。
実際発売後数年たっているのに、
その音質は、他メーカーの最新機を凌駕するものだった。
3ヘッド構成なんてNakamichiでは当たり前、
とにかく物量はてんこ盛りだった。

実際、使ってみて、レコードの音と、録音したテープを聴き比べれば、
うっかりしていると違いが判らないほどだった。

機構の安定性、耐久性も高く、681ZXは1995年まで現役だった。
友人宅で働いていた期間を合わせると約15年間、
5000本ほど録音している。
この間、ただ一度の故障もしなかった。
最後は、カセットトレイのヒンジ部というのか、
そこの部品摩耗で開け閉めができなくなり廃棄することになった。
その時でも、他の機構については不具合はなかった。

Nakamichiのカセットデッキは名器ぞろいだった。

この友人からの貸し出し品には、
SONY TC-D5M 通称デンスケもある。
このころになると既に野外コンサートでも録音は不可となっていて、
また、ドルビーもCの時代になっていたのに、
Bしか搭載していなかったため、681ZXと比べ音質の不利もあり、
ほとんど使用する機会がなかった。
さらに、このころにはウォークマンが一世風靡しており、
携帯録音機としてレコーディングウォークマン、
その類似品が各社から出されていたこともあり、
小型化されたとはいえ、1.5キロのデンスケを持ち出しもしなかった。
わずかに仕事の都合で何度か使ったくらいである。

681ZXは廃棄したが、デンスケは家においてある。
動くかな。長期間放置しているから、動かないだろうな。

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