素晴らしい活動ではあるのだ2020-10-06

和歌山市動物愛護センターをめぐるふるさと納税をめぐる報道を見て、 久しぶりに動物愛護・保護団体を含む世界がどうなっているか 少しだけ見ることにした。

もしかしたら良いほうに大きく変わったのかもと半ば期待、 口当たりはいいけれど実のない怪しい活動への恐れ半分、 そういう相反する思いをもって、ざっと見ていた。

かつて調べていた団体の今を除きに行こうとしたところ、 ピースわんこと、その活動に意見する団体とでひと悶着あったと知る。 で、両方のネット上での記載をさがしていたら、 今度はふるさと納税が NPOを含む法人に自治体が保証する形であれば 直接寄付を募る枠組みになっているのだと気づいた。

このことに関しては、先に「ふるさと納税は社会に必要なの?」で 僕自身の考えを書いた。 法の設立時の趣旨から考えたなら、総務省の判断で解釈を変更し、 このように融通性を利かせることは、ほぼできないだろう。 立法府(国会)が然るべく法改正なりを行ったのだろう。 だから実施については一定の制限・制約があり、 それらに事業は適合しているということだ。 こういうことは専門家(国会議員)が認めているのであれば それが民意というものであろう。

だから文句を・意見を、今頃になって書くのはお門違いかもしれない。 世の趨勢は受け入れているのだ。 文句を言うなら、変化がなされる直前までか直後でなければ、 やっかみだろうとか、活動の邪魔をするなと叱られるもしよう。

だけれども一法人がふるさと納税という制度に 直接参加できている制度ではあるが、 よくよく見ると必ず自治体が絡まないとならないようである。 これは自治体が、その事業の主体となる法人に、 絶対の保証をしているということが前提となる。

その意味でふるさと納税サイトを見れば、 今年度の募集においても、当該自治体が絶対の保証を与えている。 自治体が保証するくらいだから 間違いない事業なのだとの安心感を与える。 それだけの責任を当該自治体は負う、 事業への不信が投げかけられれば、お墨付けを与えたものとして、 それら不信に説明責任を果たす義務がある。そのように思う。 当然ふるさと納税を所管する国も説明責任があると思うのだ。

しかるに2018年の騒動を見る限り、 いくつかの疑義に対して送検はされたものの不起訴になった。 という記述くらいしかざっと見た感じではなかった。 この騒動で、当該自治体・国とも何の説明もしていないようなのだ。

2020年度のふるさと納税に対して、 6億円を超える寄付があり、募集は終了している。 その6億円は93%が団体にわたり、7%が自治体にわたる。 ざっと4200万が自治体が寄付として受け取る。

ちなみに平成30年度の当該自治体の財政報告を見れば、 ふるさと納税の実績は7億3千万弱 そのうちNPO法人支援が7億1千万強を占める。 さらに内訳ではピースウィンズ・ジャパン関連が6億6千万強 そのうちピースわんこ・ジャパンのものが6億5千万弱となる。 つまり自治体本体への寄付は2千万ほどにしかならず、 7%のピースわんこから分配は4200万円ある。 自治体にとって大きな収入源になっているとわかる。

地域経済という観点から眺めれば ピースウィンズの職員の消費、また法人の事業税・固定資産税など、 さらにピースワンズから寄付者に出される返礼品需要も見込まれる。 自治体の財政、並びに地域経済に占めるピースウィンズの存在は 大きなウェイトを占める。自治体にとっては救世主なのだろう。

自治体の財政規模は一般・特別会計を合わせて157億円余り、 自主財源だけなら45億円程度という、 ほんとうに苦しい台所事情になっている。 だからこの関係はお互いにメリットがある。 自治体は、法人自身の信用の上に、 正当性を活動内容について保証する。 法人は、自治体独自の寄付金をはるかに超える寄付金を集め そこから必要経費として7%を自治体に分ける。 双方が助かりあう素晴らしい枠組みと思う。称賛しかない。

あの騒動さえなかったら。

さて、この記事を書くにあたって ピースウィンズ・ジャパンの活動報告をもう一度見ようとしたら パスワードの打ち込みがないと見られないように変更されていた。 一昨日(3日)までは何もなしで閲覧できていたのに。 NPOの会計報告は、たしか公開性が高かったように思う。 僕は、あの活動報告は誰に見られてもいいものと考えている。 公開していても問題があるところなどないだろうに%%。 なんで対応を変えたのかなあ。

2020年10月7日訂正と謝罪。 ああ、やっちまった。線部は早とちりだ。 ちゃんとしています。見えてます。ごめんなさい。 ちゃんと確認の上、まとめて後日書きます。

それと、今年度のふるさと納税サイトでの記載から 以下のような事実がわかった。 2020年2月には保護犬が2900頭いる。 法人には獣医師はいない。隣接する獣医で週5度診察を受けている。 その他、寄付金の使用途として挙げているものは 10万円で点滴静脈注射、3万円で糖尿病犬の血糖値測定2週間分、 5万円で寝たきり、病後の犬のじゅくそう保護テープ10枚分 1万円で2頭の犬の1月分のフード、が挙げられる。

病気の犬にも適切な医療・看護を施している。 これはすごいことだと思う。 老犬・認知症の犬などの世話も手厚く行っているに違いない。 別な年度では、うろ覚えで恐縮だが、 15000円で中型犬6頭のフード、1万円で1頭のワクチン・フィラリア予防 25000円〈?〉で1頭の医療費〈?〉 が挙げられていた。 ちょいと不思議なのはフード代の積算単価は同額なのに、 フード代として挙げられていた金額が ほぼ変わっていないように思った。 勘違いしたのかと思って確認しに行ったら鍵付きになっていた。 だからうろ覚えの年度と数字で比較を示しておく。 2017年の活動報告には7600万円だったのが 2020年では8700万が見込まれている。 2017年か2018年の報告で、 1頭当たりの年間食費が7万円近くと思ってびっくりした記憶がある。 1頭月2500円と見積もっていたら標準的なフードだ。 そして2900頭の積算を月2500円で積算すれば一致する。 同じ基準で積算すると1400頭なら5200万円なのだ。 7600万円と記載されていたものについて中身を確認したかった。 記憶の額なら1頭で月6000円ほど使っていたことになる。 誤った情報を伝えるのは嫌なので確認したかったのに、 見えなくなってしまったので仕方ない。 同様に医療費も頭数が倍にもかかわらず、 ほぼ横並びだった記憶にある。人件費しかり。 気になったことは調べるのが習性で、ちまちま細かく観察する。 でも時々勘違いすることもある。誤情報は広げたくはない。 だから勘違いがあれば訂正もしたかったのに、とても残念だ。

中型犬なら1日給仕量は150-250グラム程度と思われる。 月に6キロ前後の消費なので ブリーダーサイズならアイムスあたりにあたる。 この団体なら悩んでこの辺りのものを選んだとしても納得できる。 誰だってできるだけ良質なものあげたいよな。 アイムスなら良質と言われるフードの中では一番手ごろなものだ。 キロ150円ほどからフードはあるが、 それらは必要成分が不足とする人もいる。 グラム当たりのカロリー量が低いことがあり、 上のランクのフードとカロリーベースでは同一価格ということになる。 良心的にやろうとお目ば思うほど、 やはり良質なフードを与えたくなるのが当たり前だろう。


関連でもう一つ書きます。

理想的な保護体制だと信じるけれど。スタッフは…2020-10-06

前回記事で、とんでもない勘違いをしてしまい
大変申し訳ない。
団体の活動報告を見て、会計報告があったので
錯覚してしまった。
改めてお詫びしておきます。
まあ、辺境ブログなので誰も見てはいないと思いますが。
念のため

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では以下に前回の続きを
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普通の給料しかない僕が一番困った点が、
犬たちが闘病または老犬になり
医療・介護が看護が必要となった時だ。
銭金の話で恐縮だが、4頭のゴールデンを見送るうちに
闘病中の医療費だけで300万ほどかかっている。
少し例を挙げると腎臓疾患で死んだ子は、
獣医に泣きついて点滴パックを標準価より割引してもらい
自宅で僕が皮下点滴を行っても月5万円必要で、
その他検査費を含む獣医への支払いも40万ほどあった。
闘病期間は10か月、不注意がなければ、もっと長い期間になったろう。
金銭面だけじゃなく時間もかかった。
聞き分けがよく呼べば来てじっと点滴をさせてくれたが犬だったけれど
一度の処置に30分必要だった。
獣医では点滴させるのも大変で数名がかりでしていた。
だから所要時間も長くなった。
次にリンパ腫で逝った子は、抗がん剤治療をしたものの、
薬剤の副作用から急性白血病になり、
輸血も含め多くの費用が必要となった。
流動栄養食なども与えていたので食費も一挙に跳ね上がり
リンパ腫発覚から亡くなるまでの間の4か月ほどで100万ほど要った。
同じくリンパ腫で逝った1頭は、
介護用品・諸検査や栄養補助品などで4-50万かかった。
この前亡くなった子は、もろもろのがんに苦しんだ。
足先が皮膚がんのため壊死していき、
日に3度以上、消毒、患部保護を行う処置をした。
肺がんを発症してから亡くなるまでの1年半の間、
日を追うごとに、どんどんとすることが増えていった。
最後の一月だけで20万円ほど要ったように記憶する。
医療費・用品・看護食などトータルでいくらかかったかは不明だ。

介護・看護では結構大変な労力と手間が必要だ。
動けなくなってからは
排尿・排便補助、食事の補助、水をシリンジで与え、
体位を定期的に変えてやり、
時には世話が間に合わず漏らした尿の始末、便の始末、
そういったことが必要になる。

家庭犬と一緒を要求するつもりで言っているつもりはない。
事業内容にみる高額医療の例示から、
団体自らが、犬達を苦しませないように、
手間暇・資金のかかる領域を約束している。
まったくもって頭が自然と下がる。

かつて保護犬の死を情感たっぷりに記事にした保護団体に
様子がおかしいと知っていたなら獣医に連れていき
最低限、診断を受けせ、必要な措置をさせるべきだと書いたら、
その保護団体関係者から 、
一般家庭と同じことを求めるな、と叱られた。
なにもそこまでもとめたのではないが、
それほどナーバスな反応があった。

そのように反応されたレベルより、高いレベルの治療まで行っている。
ほとんど一般家庭と同等か、それ以上に行き届いていそう。
資金面でも大変な負担が伴うし、
それらのかなりな部分をスタッフたちが行っているなら重労働だ。
隣接の獣医は大手の獣医とは思えない。
だからこのような犬が一定数以上いたら
獣医の指示でスタッフでできることをしていると予想できる。
(念のために書き添えておくが、
団体の飼養する犬であるから獣医師法違反になることはない。
ただ恐ろしく資金・手間暇を要することは間違いない。)
そのような看護・介助が必要な保護犬がいれば
それこそスタッフの負担は計り知れないものとなる。
それを実行しているのだろうから凄すぎる。

人手があればできるじゃんなどと気軽に考えてはいけない。
100名のスタッフがいるといっても、
週休日は最低1日与えなければならない。
なので1日当たり85-86名程度の体制になる。
ここから個体管理・物品管理など行うスタッフも必要だ。
有給休暇取得など欠員が生じることもあろう。
犬の面倒を見るスタッフは1日当たり目いっぱいで80名ほどだろう。
シェルターでの作業が7時-20時くらいとすると
スタッフは2交代制に近いことになりそうなので
手薄な時間帯では40人ほど。1人当たり70頭に気を配ることになる。
手厚い時間帯でも35頭前後を一人で見る。
1日中ケージに入れたままでないのだから
(ドッグランで運動させる、しつけ・訓練する)
これはハードすぎる労働だ。
1400頭当時なら半数で済む。それでもきついと感じるくらいなのに、
これではスタッフの消耗が想像を絶するものと思うが、どうだろう。

一般家庭レベルのことを多数預かるシェルターで実現できるのなら、
理想的で、素晴らしくて、ほとんど驚異の世界だ。
2900頭いたら正規分布だったとして10歳以上の老犬が1000頭いる。
その中で寝たきりになるような犬の数は50頭はくだらない。
重篤な疾患持ちのものも相当数に上がろう。
保護された犬の中にはフィラリヤ陽性の犬もかなりな数が含まれる。
だから個体管理も大変だ。
そうしたことを実現しているようで、敬服する。

だから資金が巨額になるのも当然で、そこに疑問はない。
心配するのは、いくら熱意があろうと
業務量がある点を超えると、熱意が多忙に負けてしまう。
スタッフも保護頭数に見合って増えないと続かない。

保護頭数は拾ったデータでは数年で倍になっているのに、
人員はさほど増えていない。
寄付金は全頭引き受け開始のころから約3倍に達する。
団体HP, サンケイウェスト記事、
上石高原町HP ふるさとチョイスなどから得た
正式な発信を整理すると(連続した年度ではなく断片化したものから)
保護頭数は2014年度当初180頭いて、CFで8200万集まり、
この年に全頭引き受けを始め、ふるさと納税での寄付額は。
2015年は2億7000万越え、2017年は4億超え、
2018年には5億6700万円、
2019年?には5億3000万円、2020年が6億1500万円。
同時に保護頭数も2017年度には1400頭を超え、
2020年2月には2900頭となった。
遺棄・放棄の元が改善されないと増加はあと5年続き、
おおむね5000頭程度の保護犬を抱えることになりそうだ。
スタッフの数も倍とまではいわないが
1.5倍まで増員しないと事業内容の質の低下が考えられる。
ただ1400頭当時にも100人のスタッフとしていたので、
実は今のスタッフ数が適正な状況なのか心配する。
必要なスタッフ募集はしていても
人材の確保が順調に進まないのかもしれない。
慢性的な過重労働下に置かれれば、
燃え尽き症候群なども発生し、ベテランの離職につながる。
そんなことになれば事業の質の低下が起きてしまう。
これは解消されるのを望むしかない。

この後はどこかで時点で、施設内で自然死・病死する犬と
新たに引き受ける頭数が平衡を保つことになりそうだ。
法人として譲渡事業を強力に推し進めれば
施設で滞留する頭数を減らすことも可能だと思うが、
どこかで見た実績では
譲渡数実績が1150頭(団体創立時から)とと記憶する。
これは自治体の2018年当初の文面のような記憶がある。
(定かではない)
保護頭数を4000頭台にとどめおくことは当面期待できそうにない。
現状でも各所に譲渡センターを数か所設置している。
なのに譲渡数は伸び悩んでいる。
おそらく譲渡に不向きな犬が比率的に多く、
団体ポリシーとして譲渡できないと判断しているのだろう。
それでも他の保護団体に協力を仰ぐなど対策を施せば、
団体単独で譲渡を行うより、譲渡成績アップが期待できそうだ。
シェルター事業では譲渡に適さない犬が多数出るため、
仮に譲渡に適している犬であれば早期譲渡を目指すべきと思う。、
シェルターでの滞留時間が長くなればなるほど
高齢になるなどし譲渡希望者が受け入れにくい状態になるだろう。
それは施設内での自然死が多数になることをも意味する。
その評価をどう考えるのか、今から考えていたほうが良い。
過程で最期を迎えるのに匹敵する手厚さであるとはいえ、
収容頭数の10-15%、読みだと各年度で5-700頭が臨終を迎える。
この数はきつい。
もともと熱意のある者にとって、死の数がもたらす衝撃は、
耐え難いものになりそうだ。

今は独占的な枠組みにある事業なので寄付が集中しているが、
ほかの自治体でも同様な枠組みで事業が実施されれば
寄付者は分散されていく。
事業への寄付がどの程度の潜在力を秘めているかは未知数だが、
動物愛護に関心があり5万円程度の寄付能力がある人が
100万人いたとして500億円。
現在の総額が5700億当たりなので、まだまだ増える余地はあろうが
動物愛護に振り分けられるふるさと納税は
そのあたりが限界なのではないか。
そうであるならば、全自治体で同様な事業が展開されても
一自治体当たり10億円程度となる。
だがそのような見込みは現実には期待できなさそうだ。
動物愛護を歌う自治体事業は、事業内容が異なれど、ほかにもある。
さまざまな事業が多岐にわたり行われている現状なので
今後もこの分野の事業は増えるだろう。
いつまで独占的に寄付が集められるか基盤安定に不安がある。
今は同様の枠組みで事業展開する自治体が存在しないため
一手に寄付を集めているがいつまでもの保証はない。、
他の動物愛護関連の事業では
寄付額が計画に達していないものもある。
そういう点からも将来展望を持っておかなければ、
この取り組みが、後世には蛮勇・無謀と評価される未来もありそうだ。
 
万一にも全頭引き受けをやめてしまえば、
寄付者たちの落胆は大きくなるだろう。
現時点での予算配分はさらなる施設拡張を志向しているので
最大5000頭程度の規模は考えていると思われる。

これらはデータがない中での予測なので外れるかもしれないが、
ここまでの経過を見る限りそんなに外れた予測とも思わない。
平衡点に達して後は施設拡張・整備は不必要となるものの、
その時の運営予算は現在の倍近くが必要だろう。
施設の拡張のための費用は不要にはなろうが、
それでも11億ほどの単年度会計が必要なように思う。
この枠組みの事業が独占的であり続ければ心配はないが、
成功例があれば必ず模倣が生まれる。
それは悪いことではないのだが、
乱立したならば、困った事態が出来しそうではある。

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収まりきらない。
自治体の責任から考えたものを次に書く。

ピースわんこへの賛辞は、褒め殺しや皮肉ではありません。
GCFに書かれた、もしくは想像させる事業であれば
驚嘆すべきことだと思っています。