シェルターで殺処分ゼロは無謀です。2020-10-08

かって僕は「エンジェル・シェルター?(しつこい)」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/02/08/1170742
との記事を書いたことがある。13年も前になる。

「広島ドッグパーク崩壊レスキュー」というものがあり、
保護団体の行動や言動が物議をかもした。
支援金を多額に集めシェルター構想を掲げた団体に対して
その継続性や効果に疑問を持ち書いた。
興味があれば見ていただいてもよい。
だらだらと長い分になっているので
要旨をまとめると接ぎになる。

1 遺棄は放棄の現状を変えないと永遠に保護し続けることになる。
2 終生飼養することになるため収容頭数がすぐに限界になる。
3 最低限の飼育環境維持に大きな敷地建物が必要なこと。
4 施設運営スタッフの確保が必要。

1000頭規模と計画が語られていたので、その数で経費を考えました。
運動に必要なスペースや犬舎で最低6000平米以上必要で、
初期建設費が1億ほど。
スタッフの駐車場、来訪者駐車場など合わせたら、
また十分に健康的な運動スペースを確保するなら
敷地も建設コストももっと必要だろうということ。
建設経費の次には、訓練スタッフや飼育担当者等スタッフがいる。
それに設備維持・日常管理業務などで総勢80名程度人員が必要。
人件費は少なく見積もって年7000万(スタッフの1/3が常勤正規職員)
ほかはボランティアで無給か、低賃金の臨時スタッフで支える。
目的を十分に果たすには1名に15頭が限界値だろうと思いました
飼育にあたり餌代や光熱水費、運搬に必要な車両代に燃料費
なんじゃかんじゃで人件費込み月900万は経費が必要とした。
年間で最低1億。書かなかったが医療関係費が上積みとなる。

正直少なめだと思っていたのです。
頭の中だけでのシミュレーションです。
実際には倍はいるかなとの感触でした。

PWJの経費を見れば倍でも足りなかったようです。

だからシェルターを乱立させ殺処分ゼロを目指す保護活動には反対しました。
とにかく元を絶つ。それが進まないとシェルターの崩壊が起きると思ったのです。
シェルターが崩壊し、シェルターレスキューが起きると予想しました。

PWJの行く末に、この危惧が当てはまらないか心配しています。

勇気ある撤退が、真剣に議論されるべきではないかと考えます。

注意深くPWJの発信を読めばわかると思います。
全頭引き揚げ開始5年で3000頭が施設にいます。
野犬なので譲渡に適合しない個体が多い。
また、大きな疾患や障害を持つ個体も多そうです。
引き受けはしても譲渡希望がないに等しいでしょう。

すでに毎年2-300頭は施設内で死んでいるのではないかと思います。
頭数は少ないかもしれませんが、死んでいないほうがおかしいのです。
なので事業開始からの引受け頭数は、たぶん4000頭に達すると考えています。
データ的に考えれば、すでに800頭程度が死亡している事態がありえます。
引き受ける犬の年齢が平均分布と仮定すれば、
つまり1-15歳の犬が各年齢ごとで200頭以上と考えてよい。
犬の平均余命は15歳には届いてないはず。
野犬であれば、実際には12歳くらいまで落ちるのではないかと思います。
毎年新たに引き受ける頭数は600頭以上。
もしかすると死亡数+譲渡数=新規受け入れ数となる平衡点が来ているかもしれません。
PWJでは施設拡充を今も行っているようなので増加は当面続き、
死亡数+譲渡数=新規受け入れ数となるのが保護頭数5000頭当たりと想定しています。
それでも今の増加数であれば、あと4年です。

3本ほど前に書きましたが、
PWJへのふるさと納税・一般寄付は、今のところ独占的だから集中しています。
が、同様のプロジェクトがGCFで乱立すれば集金力は落ちていきます。
資金がショートする可能性はとても高いのではないかと思います。
保護活動家がPWJ同様の取り組みを検討されても不思議はない。

この活動に夢を見るのはとても危険なことだと思います。

PWJの発信、または賛同者の発言から類推した、僕なりの想定です。

これからPWJへ疑義を投げている方の発言を読み込んでいきます。
そこから見えるものは、また整理し書いてみたいと考えています。

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