ローリスク・ハイリターン2010-10-04

とは、公益財団法人どうぶつ基金理事長・佐上邦久氏が
環境省「動物愛護管理のあり方検討小委員会」に提出した説明資料
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-02/mat04.pdf
の中に書かれている言葉である。

ぼくたちはローリスクローリターンとハイリスクハイリターンということばは、
それこそ耳にたこもので聞いている。
大きな見返りを求めるのは、大きな危険をはらんでいる。
安全を望めば小さな見返りしか期待できない。
FXだとか、その他もろもろの金融・投資の世界を現すことばとして
うまい話にはご注意といった風に聞かされている。

国際投資家でも、年収ではなく時給が1億という相模理事長が言う、
ローリスクハイリターンは、これまでの常識で見れば、
思わず飛びつきたくなる素敵なことばに映る。
佐上理事長が使ったこのローリスクハイリターンは、
飛びつきたくなるようなことばで使っているわけではないらしい。
が、ぼくにはむしののいい話ではないという説明が理解しかねている。

ぼくは、すすんで投資はしたことがないし、これからもしないだろう。
(証券会社のしつこい勧誘に音を上げ任せたことはある。大損させられた。)
ゲームに勝ち抜くほどに暇な時間はないし、勝ちきるほどの知識もない。
そもそもマネーゲームは、大きな資金があるものに有利で、
小さな金しかないものには不利なシステムだと思っている。
投資というものは実体経済を取り残して、
さまざまに暴走していくものだと思っているので、
僕のような自転車操業的な収入で手を出すものじゃないと思っている。
そういう僕の目で佐上理事長の提案を読むと、
投資家の目線というものは、利益というものに対してシビアで、
あらゆる物を投資家目線で割り切って考えられるのだと感心し、
ただただ驚いてしまうのである。

で、そういう驚きを感じながら、佐上理事長の提案を見ると、
なるほど、愛護思想もペット生産も産業として捉えるのもありかと思わせる。
繁殖場団地構想など、さすが新しい発想と思わせる。
ただ、提案の内容では動物保護団体の大半は、
佐上理事長の提案では閉鎖するか、業態として整備しなおす必要に迫られるのかもしれない。
もう少し読み込んでから、いつか、感想を書いて見たいと思っている。

さて、先ほども述べたが、エンジェルズは、この佐上提案を先取りして、
すでに実践しているように映る。
ローリスクハイリターンやこの報告の眼目を積極的に実践しているのが
エンジェルズのような気さえしている。

佐上理事長が
「動物愛護を地元産業とする企画は以上のような前提に立ち、事業規模は
非常に小さく、またどこででも通用する提案ではないものの、どこか一カ所でも
「壷にハマれば」、当該地域の再生に貢献出来る可能性」
と、述べているのに呼応したかのように、
しきりに地元との融和(事実は決裂)をアピールし、
観光資源の目玉として、地域の特産物販売の書くとして共同できると、
シェルターの効能を開設時前後に訴えていた。

さらに
「ローリスクハイリターンな事業を展開するためにインターネットや携帯活用が可能な業種を
企画すること。」
もひろしまドッグぱーく以降の手法として定着している。
動物保護活動に強い関心を持つ人たちの間を電撃的に情報が広がっていく。
先般書いたMIXIの記事のように、強い支援者であるか、
または本人たちの成りすましというべきなのか、
大変なことが起きているとの情報を事前に流し、
さらにマスコミなどを呼び込んで過剰に劣悪さをアピールするなどしている。

佐上理事長が書いている
「ローリスクハイリターンは、「リスクが少なくて利潤が大きい」という虫のいい話ではなく
「失敗の可能性は高くても失敗によるダメージリスクが少ない(ので成功するまで再挑戦
出来る)と理解すべきである。」
と、言う要旨を具体的に実践している。
もちろん佐上理事長の提案趣旨は違うのだろうが、
形だけなら踏襲しているのだ。
ひろしまドッグぱーくでは、集めた寄付金がエンジェルズ発表で約1億3千万円だった。
そのうち1億1千万円が手元に残った。純利益8割越えだ。
まさしく少ない投資で最大限の収益を上げていた。
その後は、思うように支援金が集まらなくなったのか、
1億1千万円あった繰越金は昨年度には残り1000万円を切っている。
それを補うかのように、繁殖場レスキューを数々仕掛けている。
これが再挑戦だとしたらなんて想像してしまう。

繁殖場レスキューの多さは、もはや活動主旨に挙げている
『最終処分場の犬を救うことを最重要課題とする』
との目的が、しばしば忘れられてしまったのかと思えるほどだ。

佐上理事長の提案を実現に移すためには、
こういう実践があるかもしれないと疑わせる点で、
乗り越えるべきものが多数あるのではないかと思った次第。

どうぶつ基金とエンジェルズは非常に近しい間柄である。
その一方に疑惑がもたれていることを、まさか知らないわけではあるまい。
今のままでは提案の中身については検討の価値はあるかもしれないが、
一般人のうち、少なくともひろしまドッグぱーく事件なりで、
エンジェルズと関わった人たちからの共感は生まれにくいと感じるところです。