ドーベルマンはいい犬ですが。怖いよ。2010-10-21

エンジェル・シェルターに新たにドーベルマンが入ったという。
ドーベルマンがどのような犬種かというのは
http://ilovedog.kachoufuugetu.net/mew11dooberumann.html
でも見てもらいたい。

普通の家庭犬が欲しいという人には、はっきり不向きです。
基本的に犬と一緒に遊びたいというだけなら、
穏やかな犬種、たとえばレトリーバー種やマウンテンドッグ以外は、
あまり賢い選択とはいえないと思います。

よその犬と仲良く遊ばせたいと考えながら大型犬を飼うのなら、
特に犬飼初心者ならレトリーバー種辺りが無難だ。
めっちゃひょうきんなロットワイラーだとか、
チワワをぶら下げたママ遊ぶピットブルだとか、
すぐにおなかを見せてしまうドーベルマンもいるにはいる。

でも、これらの犬は攻撃性の強さが強調されてきた犬種で、
姿かたちの美しさや強さだけに惹かれて飼ってしまうべき犬ではない。
ましてや訓練もいれずにドッグランに連れて行くなど無謀な行為だ。
大型犬同士ならまだしも、小型犬とトラブったら、
一撃で殺す強さを持っている。
扱うハンドラーは注意を払い続け事故を未然に防ぐ必要が生じる。
そして犬を確実にコントロールできる技術が必要とされる。
もちろん先にあげたような風変わりな個体もいるにはいるが、
そうした個体にしてしまうのは、
犬種本来の能力を殺していることともなり、
別な意味で間違った飼い方と言える。

で、エンジェル・シェルターにいれられたドーベルマンだが、
どうも活動日誌の表現からすると次の記事の犬のようである。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100517/crm1005171908026-n1.htm
この事件の前年には、別のドーベルマンが小学生を咬んでいる.
過去の記事をいくつか見たが、
訓練を入れているようには読めないし、
攻撃性は開放性のもののようでもある。
確実に犬の上に君臨できる人でないと、
荒ぶる犬を押さえきることはできそうにない。

それから飼育頭数から考えても、
飼育場所の説明から見ても、
ガードドッグとし働かせていたわけではなさそうだ。
むしろ頭数から考えれば、繁殖をしていた疑いが濃い。
事件としての有名はともかく、
エンジェルズ基準に従えば、助け出すべきものではない。
このような事件を起こした飼い方がなされている犬であるなら、
一般への譲渡は無謀である。
譲渡できる人は極めて限られてくる。
引き受ける能力のある人であっても、
訓練時期が遅くなってしまっていることから、
相当なためらいの末の決断になりそうだ。

ではエンジェルシェルターで終生飼養できるかと問われれば、
人手が極端に少ないエンジェルシェルターでは困難だろう。

犬の問題点を矯正できる人材がいたとしても、
日々、ぎりぎりの人材で動かしている現況では
ドーベルマンにかけられる時間などないに等しいだろう。
だから犬の問題行動は放置されたままとなり、
150頭にも及ぶ保護犬がいる中では、
いつ事故が起きても仕方のない不安定な状況となる。
訓練のはいっていないドーベルマンを引き受ける。
犬たちはおろか、人にも危険がないとは言えない。

シェパーの「空」と
ドーベルマンがとりあえず平和裏に接触したように言っているが、
それが仲良く共存できるという意味ではない。

焦ってしつけで強制を取り入れれば、
現に持っているドーベルマンの問題点を、
より歪めたものにしてしまうかも知れない。
と、言って陽性化訓練するだけの手間も取れない。
だったら犬舎に留置の時間が増える。
ストレスは掛ったままとなり、常に犬は不安定となる。
少しの油断から名古屋での事件の再来を招きかねない。
施設内で話しても事故。施設内で隔離しても事故。
そういう危険性をはらんでいると思う。

この先に、大きな事故が起きなければ良いがと、
エンジェルズへの不信とは別に、心配する。