4-6月の走行距離2011-07-26

4月と5月は、ともに1500キロ程度で合計2943キロ。
6月は2432キロ。
積算距離が20110キロまで伸びた。
3か月合計で犬たちは3500キロほど乗っている。。
今年に入って6170キロくらいとなる。

6月に伸びたのは犬の牧場行きが大きな要因。
初泳ぎしていただいたのだ。

どうやら一年間で21000キロにとどまる気配だ。
この7月の出張ラッシュで、
犬の下僕としての本貫が2度にとどまりそうなのが大きな原因だろう。
ヴェルファイアでの年間走行距離は、
当初の予測値の23000キロには届かないことは確定だ。

犬たちは7月9日以降遊びにつれていけてない。
8月6-7日も僕の予定は詰まっている。
4週連続土日は留守番になってしまう。
そろそろ折檻の内容が過激になりそうだ。
どこかで有休でもとって気散じさせてやらないといけないと思うのである。

ほぼ終息。2011-07-26

今日の朝あたりから、
散歩に行くのが楽になった。

手足口病は、ほぼ終息の模様。

ほっとしています。

風魔(全3巻)2011-07-26

宮本昌孝   祥伝社文庫   上・下695円 中724円

宮本昌孝は、よい時期に歴史・時代小説に軸足を移したのだろう。
もう若くはないし、いつまでも未来志向の強いSFを描き続けるのは、
だんだんしんどい年になってきていたのではないかと思う。
安定志向を目指す40代以降ともなれば、作家も読者も、
昔から歴史・時代小説を志向するものだといわれていた。
ましてやただいまは歴女ブームとかいわれていて、
戦国武将や維新志士を題材にしたゲームやシンボルが売れている。
少年漫画誌上でも戦国ものの多いこと多いこと。
史実も時系列も整理せず書いても批判さえ受けない時代だ。
そんな中では、きっちりと時代考証している点で、
宮本昌孝は正当派に属するのかもしれない。
とはいっても、時代考証に縛られすぎることなく、
自由に想像力を泳がせて、時には大胆に変容させる。
だからブームに乗れるのだろう。
「戦国武将列伝」という雑誌では長谷川哲也の画で「陣借り平助」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2010/09/14/5346495
が連載されている。
今だからこそ受け入れられるのかもしれない。

「陣借り平助」の平助もユニークな造形であったが、
この小太郎もとびぬけた造形となっている。
過去の物語などで表現されている
「身の丈七尺二寸、筋骨荒々しくむらこぶあり、眼口ひろく逆け黒ひげ、牙四つ外に現れ、頭は福禄寿に似て鼻高し」
という造形をほとんど採用しながら、
端正ともいえる要望であるとし、
無手で無類の戦闘力を有するものとして描いている。
そのくせ血なまぐさい行為を好まず、知性にあふれ、戦略眼は一流で、
仲間を大切にしており、
茫洋とした個性を抱かせているのである。
この造形解釈は隆慶一郎が「影武者徳川家康」で描いた小太郎と双璧か。

古河公方の後を継ぐ氏姫を菰に入れ現れる冒頭から圧巻である。
そのあとには家康との邂逅があり、因縁の湛光風車との初対決。
さらに曾呂利新左衛門、唐沢玄馬と、主要な忍が登場し、
大きく物語が動いていく。

いうまでもなく風魔は北条氏の情報収集力を支えてきた集団。
物語の当時は秀吉の北条征伐前の緊張状態。
家康、北条、秀吉の思惑が錯綜している。
旧時代の権威としては古河公方が北条によって立てられている。
時代から転がり落ちる北条を支えるべく奮闘する風魔衆。
が、趨勢は覆らず北条は断絶。
風魔衆は勢力に属せず自立の道を模索し始める。

しかし、時代は風魔を巻き込まずにはいられなかった。
小太郎を慕う一団と袂を分かった者たちが、
風魔の名で江戸近辺を荒らし回る。
小太郎と服部半蔵、柳生又右エ門と強敵との対決が目白押し。
冒頭の忍びたちも交えた活劇シーンは興奮させらること間違いなし。

山田風太郎張りの妖術というほかない忍術は出てくるは、
暗躍から見えてくる歴史の流れは権力者の闇を伺わせもする。
こまごまとしたところでは、隆氏の影響も感じられる。

歴史小説というより伝奇小説としたほうがぴったりな本作。
読めば必ず引き込まれるだろう。