ノアに乗り換えた2024-09-14

母が他界してVOXYのサイドリフトが邪魔に感じた。
で、去年の6月のノアの一回目の発注、
9月に追加装備を加えた発注をしていた。
Gでアダバンスドパークをはずした内容だ。
1年待ちだとか聞いていたから早くて6月ごろかなと思っていたけれど
なんと9月6日まで納車できなかった。

特別な車じゃないのだから、も少し早い納期になってしかるべきかとも思うが
世界的な半導体不足とトヨタの認証不正問題などもあり、
これほど長期の納車期間になったのは仕方ないのかもしれない。

VOXYは結局5万5千ほど乗っただけになった。

ノアだけれど、初めてのハイブリッド車である。
これまでガソリン車ばかり(ディーゼルも一台)乗ってたから
いろいろと違和感がある。

最大のものは長い下り坂が走りにくいところ。

これまでは一段堕としたところでエンジンブレーキを利かせ
下りりカーブではアクセル操作でラインが保持できていた。
連続するアップダウンでもシフトを入れ替えることなく運転できた。
が、ノアの場合Dレンジではエンジンブレーキが不足し
フットブレーキを多用することになる。
Bレンジに入れたら少しパワーがいるときは
Dレンジに戻さなければならない。
勾配が高めのアップダウンでも同様だ。
頻繁なシフト操作が必要となり不便。
長い下り坂では登りになる箇所の判断がしずらいので
安定した運転にならないと感じた。

平地ではハイブリッド故低燃費が実現でき満足度があるものの、
ワインディング道路や山岳部は操作しずらい面がある。

今のところ600キロ程度乗った。
平均燃費は17キロ弱。
自宅から伊賀まででは往路が17.9キロ、復路が20.8キロ
自宅から大台ケ原までが王と12.9キロ、復路が30キロ超え
市街地のちょい乗りは8-12キロといったところ。
価格上昇分に見合うだけの燃費の良さは感じにくい。

ノア本体は遮音性もよく静かな車内と思う。
サポート装置も使えるレベルだと思う。
ACCは単なるクルコンしか経験していなかったので、大変便利。
これまでクルコンは使ってこなかったが使ってもいいかなと思う。
VSCの効きが予想より強く気になるけれど慣れれば問題ないだろう。
本革巻きステアリングは汗っかきなので傷みやすそうだ。

これからおいおい慣れていくのだろうが、
なんとなくガソリン車の良さばかり目立っているというのが現時点だ。
もう少し若いころなら、ガソリン車のほうが運転している実感があり
ハイブリッドがつまらないと思ったように思っただろう。

いろいろ…あるよな2024-04-24

2021年に姉が、2023年には母が、
相次いでこの世を去り、天涯孤独といってよいのか。

自分自身の体調はというと
目は近視老眼がますます進み、
文字を読むのがつらいと思うようになった。
聴力の落ち込みも進んできていて
僕が僕であるために必要な
音楽鑑賞や読書といった行動が失われていく。

残っているのは「犬遊び}なのだが
10年前なら半日付き合えたものが
今やせいぜいが数時間しか頑張れない。
犬を遊ばせた後、洗い乾かことがしんどいと思うようになった。

車での移動は、やはり10年前なら20時間くらいは頑張れたが
いまが5-6時間が目いっぱいというありさま。
速度も今では規制以上を出すのは怖くなってきた。
だから従来より移動に時間がかかる。
移動にかかる時間はおおむね20%以上増えている。
運転時間が増え休憩が増えたことが影響している。

そんなこんなで、あと10年くらいが活動限界かと思う。
時々記憶が飛び出すこともあって、
遺言は残していかねばならないと思っている。

なので母の死を契機に財産等の分割について
あとのものが困らぬよう遺言を公正証書にした。
「まこら」が死ぬまで動ける体で生きれば、いつ死んでもいいのだ

ドギーズパーク滋賀改修工事に関しての意見並びに退会について2024-04-23

ドギーズ会員となって20年が過ぎました。これまでの営業に感謝しています。

さて昨年当初にドギーズパーク滋賀改修についてお知らせを、施設主担から聞き、その後4月ごろに担当者不在の中、受付に張り出された案内で改修工事が始まることを知りました。宿泊棟・ドッグカフェの営業を休止しますが、ドッグランの使用はしていただけますとの内容でした。お知らせについては改修であり、サービスの大幅な変更を伴う旨知らされておりません。
一般に改修というのは大きな変更点を伴うものでないのは自明であり、この度の&resortへの変容は予測外のことです。この点については大きな不満を持ちます。大きな変更を行うのであれば会員に対して事前に説明する責務は御社に存すると考えます。施設改修の進捗状況及び再開期日に関しての知らせがHP上でもないまま新年度を迎えました。会員資格更新の案内が来たため本部にドギーズ再開のめどをお聞きしたところ4月中旬には案内できるとのことでした。中旬を迎えたのでHPを確認しましたがドギーズ再開のお知らせがなく、やむなくダイヤモンド滋賀に電話で問い合わせしたところ、施設は完成しているとの返答でした。その時、施設に大きな変更がないことを確認したところ、その場で回答いただけず折り返し担当からお伝えしますとのことでした。
担当からの着信にドッグランの大きさが1/5程度まで縮小していると聞き、先日(4月18日)確認に行ったところ、御社の裏切り行為を目の当たりにし、大きく失望したところです。
企業である以上経営判断の結果が&resortという解に行きついたのは尊重されるべきだと思います。私のように20年会員だったものは改編の内容に納得がいかないのであれば退会するだけのことであり、企業判断に異は唱えません。しかしながら会員期間の短い人にとっては詐欺同然と受け取られかねません。なぜか以下に項目を立て説明しておきます。

そもそもドギーズパーク滋賀とは
2003年プレオープン時の主なセールス内容は以下。

⓵関西最大級のドッグラン。
②ドッグスポーツのためのアジリティコーナーの設置
③施設内にはドッグカフェを開設する
④犬と一緒に泊まれるコテージ
が大きな誘い文句であり、さらに夏場に向け
⑤プールを設置する。

上記に加え、滋賀での状況次第では全国展開、も考えている。

そのほかにもこまごまとしたセールスポイントはありましたが、私が会員になったのは広いランに魅力を感じたためです。

この度&resortを見学しましたがドギーズサ―ビス継承をクリアできているのは④のみでした。

このようなドギーズサービスの停止を伴う衣替えするのであれば既存の会員に説明しておくべきことだと考えます。その点では御社の今回の処置は会員への裏切りであると断罪できます。ちなみにドギーズ会員は少数派でしたが本会員の中にもドギーズの存在があるため会員となった人が一定居ることもお知らせしておきます。

&resortをdogリゾートとして見たときに足りないものと改善点。
①  ドッグカフェではないのは致命的です。犬連れで来た人が犬と一緒にいられないカフェなどニーズを無視したものです。
②  アジリティ遊具に関して設置するなら安全を確保すること。アジ用具があれば子供は必ず上ります。危険です。用具の設置方法への配慮は見学当日伝えたところです。ランの運営に関して研究されたのでしょうか。用具はいたずらに置くと危険なだけです。また広さに見合った配置も考えなければなりません。起伏のあるランですので遊具を置けるスペースは限られます。あのランでは置くとしてもドッグウォークの小型版かハードルくらいでしょう。ハードルを置くならとび丸太はいらない。アジ用具は小型犬の方も使いたがります。大型犬側にのみ設置していては不満が出ます。アジ用具はできれば公式競技スペースに準じたスペース(20メートル四方以上)を設け固めて設置されるのがベターです。むしろアジ用具はあの広さなら置かない選択肢のほうがいいように思います。
③ ランの中心側に排水溝があることは問題をはらみます。クレーチングが途切れている個所も見受けられました。いわば施設の不備が理由の事故が起きれば責任を問われる恐れがあります。できれば排水溝移設を検討されてはいかがでしょうか。無理なら、せめて排水溝クレーチングを表面に滑り止め加工を行った板状のものとし途切れなしに固定設置されるくらいにされたほうが良いように思います。
④ グランピングテント付近に犬の係留フック見当たりませんでした。犬連れを前提にされているのであれば設置しておくといいでしょう。もちろん夏の暑さ対策も欠かせません。犬は人より熱に弱い生き物です。
⑤ カフェと受付ですがペットの侵入を拒むのであれば係留フックを陽の当たらないところに設置するなりしておくこと。
⑥ ドッグラン利用時に犬が大小便した時に水を流すよう指示がありました。ならばバケツか何かを用意しておくべきです。そういう指示を出す場合、スプレー等を施設が用意しておくのが一般的です。
⑦ ラン内に人が腰かけるものがない。どの程度の同時利用者がいると想定されているか疑問ですが、3-4脚は設置されるほうがいいでしょう。腰掛を設置しないのなら荷物置きができる配慮(例えば柵のフック)はしたほうが良い。また夏場の日よけも考慮しておく。(熱中症回避)
⑧ 狭くなったことでボールやフリスビーなどの犬の遊具使用条件や、人のものも含めおやつなどの持ち込みへの対応方針を決定しておくべきでしょう。さらに乳幼児(小学生以下)のラン入場も大変な危険要因になる点も考慮しておくといい。前施設は広大であったため利用者側が乳幼児のいる場所に配慮できましたが、今回のランの大きさでは不可能です。多くのドッグランで乳幼児の入場を禁止するのは理由があります。
⑨ 水道ですが水抜きがないように見受けました。冬季の破裂は必至です。また冬季に使用するのに温水対応になっていないと利用者からは不満が出るでしょう。

上記について②③及び⑧についてさらに補足。
ドッグラン内での事故があれば一般的には当事者間で解決が原則となり、施設側が賠償責務を負うことはありません。ただしそれは施設側の注意喚起義務・安全管理が適切になされている限りにおいてです。いかに文言上で施設に責務はないと書いていても、施設設置上での不備があれば免罪符になるとは限りません。また乳幼児の安全確保に対する保護者の監督責任を促す注意喚起義務が適切しておくことが求められます。適切さを欠いたままだと訴訟リスクを負うことは否定できません。大型犬と乳幼児の間で接触事故が発生した場合は最悪死亡することもありえます。乳幼児の場合は予測外の動きが引き起こす事故、例えば飼い主の許可なくいきなり犬に抱き着いたり、犬の周りで走り出し犬の本能を刺激させ、追いかけられ驚き転倒し負傷することも、多々あります。また保護者が適切な子どもの安全確保に留意しない例も多い。それらは危険要因であり、施設としての注意喚起に不備がある場合は法的な責任を負わされる可能性もあります。一例として示しますと、グランピング中で飲食時に子供だけが犬と一緒に、あるいは一人でかを問わずランに入場することはあり得ます。それは事故要因ともなりますし、利用者間の口論を引き起こし暴行に発展する事態も考えられます。そういう事態を回避しうるよう安全管理上の不備がないか検討されておくことを進言しておきます。おそらく従来のドギーズ利用者のうちそうした配慮を共有してきた会員は、引き続き訪れるとは考えにくいので、全く新しい秩序構築までは施設側の人員で対応するしかないように思います。

&resortを見学した印象。
誰をメインターゲットにしているのかわかりません。
グランピングはアウトドアを手軽に楽しみたいインドア派か、アウトドアを楽しみたいが面倒なテント設置などはしたくないという人がターゲットではないかと思います。どのような利用者であれ豪華で優雅さのある施設を期待しています。
しかるに施設はテントがあるだけで夏は直射日光ガガンガンあたり、冬は寒風にさらされる、暑さをやわらげ寒風を避ける木々もなし。ゆったりとしたくつろぎの空間には遠い。景観に優れているわけでもなく自然と戯れる環境でもない。キャンプから楽しむ人には焚火がグランピングの楽しみの一つですが、あの場所では火は焚けなさそう。グランピングを愉しむ人たちのニーズを分析したように見受けられなかったです。

つまりあのままではドッグリゾート派にとっても、グランピング派にとっても満足度は高くなさそうです。早急にメインターゲットの検討をされリピーター確保を目指さなければ、早晩行き詰るように見受けました。具体案など持ち合わせておりませんが、顧客ニーズに応えるべく改善されたほうが良いと見受けました。
既存の会員を考慮しないままの方針変更には怒りすら覚えますが、改変された以上は成功してほしいと思います。

私自身に関しては、長年親しんできた施設であり、改修を待ち望み、さらなるdogリゾートしての改善に期待していたところですが、期待に添う方向ではなく、むしろdogリゾートから乖離した姿に失望しました。御社の方針では、ドッグライフ上での魅力が全くなくなりました。残念ではありますが退会します。
ドギーズ会員としては、従来から改善への要望は伝えてきています。しかしどのような提案に対しても反応がなく、むしろ年を追うごとに施設運営は劣化していくばかりでした。もっと不満を書き置きたいところもありますが、経営陣に聞く耳があるとも思えませんので、これでやめておきます。
会費を今後支払わないでいれば自動退会という解釈でよろしいでしょうか。別途手続きがいるようなら案内願います。

ドギーズパーク滋賀改修が終わったが…2024-04-23

5000平米ある全国でも有数の広いランが魅力だったドギパ
昨年初頭より改修が伝えられ、
5月の大型連休後には、
宿泊棟・ドッグカフェなどが営業停止、
9月末にランの利用も停止された。

年会費については当該年度分を返金され、
良心的だなと感心していたのだが…

ドギーズパーク滋賀の名称がなくなった。
同時にサービズ内容が大きく変わってしまった。
場所も移転している。
元あった場所はサッカーコートになり、
以前空きスペースだったところに移された。
広さは以前のランの半分ほどあるかどうか。
その空間に管理棟兼カフェ・宿泊コテージ・グランピングテントが
ごちゃごちゃと設置されている。
トライクか3輪バギーが置かれていたから、
アクティビティとして用意しているのだろう。
でも楽しめるようなコースは僕には思いつかない。

カフェもペット禁止と来た。
競技用アジリティ器具は雑然と置かれていて、
うちの犬が乗ったら激しく揺れる始末
全くダイヤモンド滋賀経営陣は
20年間のドギーズ運営でのノウハウを共有できていない。
新しく導入したグランピング施設というのも、
ちゃんとニーズを確認したか疑問である。
グランピングが人気だから導入しようと安易に考えたのかと疑う。

たしかに豪華なテントはある。バーベキューコンロもある。
だが豪華さや優雅さ、自然と楽しむ環境ではない。
星空を眺めたり、せせらぎを感じたり、
川を渡る風、木立を通る風、木々の香り、
そういうアウトドアの楽しみを感じられる施設に見えなかった。
最初は物珍しさもあろうが、すぐに飽きられるのじゃないかと思う。

ドギーズの強みだった広いランを捨てたことで
利用者の多くがそっぽを向くこととなるだろう。
1000平米程度のドッグランはこの20年で飛躍的に増えた。
ドッグカフェが併設され料理も凝ったものを出すなり、
他の施設にはない特色を打ち出している。

その中でドギーズが優位に立っていたのは
広大なランと、競技場に準じたアジリティ施設だった。
それらがなくなったのだからコアな利用者は
僕同様に見切りをつけることになるのではないか。

残念だ。

せめてグランピングが楽しめる領域になっていたら
あきらめもできるが、あれでは口惜しいばかりである。

あんまりだから意見書を送付しておいた。
内容は次の記事。

戦国十二刻 終わりのとき2022-07-07

木下昌輝

豊臣秀頼、伊達輝宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康。
これら6人の武将たちの最後の24時間を描いた小篇集。
伊達輝宗の最後を描く「子よ、剽悍なれ」は伊達政宗視点で、
山本勘助を描く「山本勘助の正体」は武田義信を語り部に、
その他は本人視点で紡がれる。

いずれも意表を突かれる作品群である。
中でも秀頼を描く「お拾い様」は
淀殿の狂気じみた愛がもたらす結末に呆然とさせられる。
この淀殿描き方は、滅びを導いた愚者の像を完全に否定する。
また家康の最後を描く「さいごの一日」の
南蛮時計の針と家康の回想がなされる進行に静謐を感じさせられる。

なかなかお目にかかることのない趣向に満ちた作品集だ。
木下昌輝の生み出す作品群は
他の新しい歴史小説の旗手たちのそれぞれに趣向を凝らした作品から
一歩抜け出している。そう思うのである。

まこらのパットは弱い2022-07-03

去年もドギパに行き水に浸かるとパットの皮がめくれていた。
で、今年もやっぱりめくれた。
ご丁寧にも前肢は両方、後肢は左側。
ドギパにいる間は痛いと言わなんだが、
帰路、天理で小便させようとしたら
庇い手して歩いている。
確かめてみたら、去年とまったく同じようなめくれがあった。
帰宅後、じっくり観察するとパットの側面に数か所のめくれを発見。
消毒してめくれの処置を済ませた。
めくれは大小7つもある。
めくれたらすぐに痛がれや。
こんなにたくさんめくれてるくせにボール投げせがむな。

帰宅途中から、よほど痛いのか歩くの嫌がる。
小便すらせずに家に入る。

歩きたくなくて、散歩を催促もせずいきなり家の中で大小便。

水遊び中に大量に水を飲んでいるようで、
途中で何度(洗い上がりと、天理、帰宅後)も排尿させるのだけれど
それぞれで1分以上じょぼじょぼしてるのに、まだ足りない。
どんだけ飲んどるねん。

絨毯と布団が濡れてしまった。
洗わなあかん。明日は雨の予報。
わしの布団あらへんがな。

とほほ。

夜の散歩はPAWをかぶせてみたが、早々に切り上げよった。
もう室内で小べんせんとってや。

水が大好きだが、水にぬれるとパットがめくれる。
この夏も思いやられる・

歴代ゴルで水遊びでパットがめくれた例はほかになし。

困った。

密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック2022-06-30

鴨崎暖炉

このミス2021年度文庫グランプリ受賞作品

このミス大賞新人作家の登竜門ではあるが、受賞作品は完成度の高いものが多い。
で、結構手に取る。本作品も結構楽しめた。
過去の密室トリックを系統だて定義しているあたりが興味深いが、
犯行の動機や犯人像には飛躍がありすぎてついていけないし、
また、本作中の事件のトリックについては机上の空論のような気がします。
それらの部分は会話のテンポというか、著者のセンスでカバーされています。
まあ、先行する密室トリックもほとんどが現実には実現性が低いので
たいして問題とはならないのでしょうが。

物語の設定は、事件現場に対して不在照明がされれば
いかなる動機を持っていようと見に問えないのと同じで、
いかなる動機を持つ者がいようと、密室状況の下で事件があった時、
その密室のからくりが解き明かされなければ、
その者の犯行を問えないという判決がなされたとしている。
そのため密室事件が多発している日本が舞台。

人里離れた場所にある、かつての人気ミステリ作家の別荘雪白館。
現在はホテルとして営業している。
このホテルの売りはオーナーの料理と作家の密室を使った未解の謎。
そのホテルを舞台に連続して起きる密室殺人。
犯人は誰。閉ざされた空間での事件であり、
そこに居合わせた12人の誰が犯人なのか。

探偵役が多いうえに、探偵役と犯人と黒幕が一緒だとか、
探偵役の一一人は早々に殺されるなど、手が込んでいる。
ノックスの十戒とモーセの十戒を並べていたり、
他の作品群をさりげなく引用したりと小ネタも多彩。
主要登場人物のキャラもたっているし、会話も軽妙。
液体窒素を用いたトリックなどは頭でっかちな気がするが、
全体としてよく考え抜かれた印象がある。
考え過ぎが瑕疵と思うのだが、ま、これもアリか。

八本目の槍2022-06-29

今村翔吾

『塞王の楯』が直木賞を受賞しますます人気が出ている今村さん。
著者の作品を読むのは『童神』に次いで2冊目となる。
その時の感想はこちら↓
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2020/09/24/9298713

この小説は石田三成を、賤ケ岳7本槍を通して描き出す趣向となっている。
従来の作品では三成を含む文治(官僚)派と武断(軍人)派との確執が
豊臣家臣団の分裂を生んだとする。
中でも加藤清正と福島正則が三成を憎み対立するのが鉄板となっている。
それを覆すのが今村作品の面白さである。

加藤清正に始まり、糟屋武則、脇坂安治、片桐且元、加藤嘉明、平野長泰と続き
最後に福島正則が三成との関係を騙る。
そこから滲みだしてくるのは三成という大才の仁気あふれる姿なのである。
そして清正にせよ、正則にせよ、に次なりを決して厭うのものでなかったとする。

たしかに確執はあり、東西に分かれた三成と清正、正則であるが
それは豊臣家をどう守るかという路線対決であり、
対人関係のまずさにのみが原因とはしていないのだ。
だから、官名で呼び合わず小姓時代の名で語り合わせる。
誰もが三成を認めている。が、ある者は敵対し、ある者は殉じていく。
このありようが美しくないわけがない。

新たな彼らの姿は、凄絶に美しい。
できれば事実もこの作品のようであれかしと願う。
従来の作品群より、それぞれが人間らしくていい。

最後に配された正則が淀殿に放つ言葉が、
この作品のタイトルとなった肝であり、本作を一級品足らせたすべてだ。
七本槍と三成の真の形が、これにある、と思わせる力作だ。

平均寿命2022-06-29

ゴールデンの平均寿命は10~12才。
このデータは20年間動いていないようだ。
大型犬の寿命が短めなのは承知している。
でも知る限りでは15才声のゴルも数頭知っているし、
もっと長生きのように思う。

僕がかかわる5頭のゴルも
10歳目前で力尽きたのが2頭。
12才9か月に14歳8か月、14歳5か月。
平均すれば13歳に近い。

6頭目の「まこら」は現在4歳9か月。
今度こそ15歳を超えてくれと思っている。

ドッグランでの走りっぷりを思えば、
(3時間くらいは知りまくる。おそらく10キロ近くなる。)
そんなに高くないハードルのように思うが
スポーツマンの早死にも多々見られるので
こればっかは天のみぞ知るってか。

事故物件いかがですか 東京ロンダリング2022-06-28

原田ひ香

「三千円の使い方」が平積みされえいるのを見て、
少し気になっていた作家です。
で、本屋で見ていてタイトルに惹かれて手に取ったのが本書です。

事故物件…殺人事件・自殺・孤独死など心理的な瑕疵を持つ不動産。
所有者にとってはそうした瑕疵があることは死活問題となる。
その問題を解決するのがルームロンダリングという手法。
そういう闇の商売があったとしても不思議やないと思うし、
もしオーナーの立場であったなら使いたくなろうというもの。
また作中で闘争する【失踪屋】なるものもあっても不思議やない。

この作家面白いやないか。

独立した短編ともなる8小品が、絡まり合いながら進行していく。