無事に帰ってきました。2008-02-13

犬たちに楽しんでもらうために2泊3日で八ヶ岳に行き、
昨日帰って来ました。

大阪は、この冬最大のかんばが来襲して、雪が積もったとのこと。
大阪が雪だったくらいだから、八ヶ岳も雪は当然。
「犬の牧場」への道中でも、SAなどには雪が残っていた。
小渕沢で降りて野辺山への道も凍結していた。
国道はさすがに除雪されていたものの、
わき道に入れば全面圧雪路。
スタッドレスタイヤのありがたみが炸裂。

「犬の牧場」は雪が40センチほど積もっていた。
さすがの牧場の犬たちも新雪の中にはあまり入り込んでいず、
到着したその日は、ラッセルしながらの遊びで体力がいった。
2時ごろから、さらに雪が降り積もり、翌朝にかけて15センチくらい降った。
野辺山方面から海の口に降りる国道も冠雪してしまった。

2日目、3日目は快晴。
それでも気温が上がりきらないから、
雪はパウダー状のままだったから、犬たちは雪遊びを堪能できた。
様子は写真を整理できたら別館に載せようと思う。

12日は、大阪は雨。
訓練が休止となったので、犬たちはベッドで一日ごろごろしていたらしい。
下僕は仕事に出て行かねばならず、筋肉痛はいまだ残ったまま。
こんな下僕の居る生活もよかろう。
僕も飼われたい。。。なんてことはない。

動物記2008-02-13

新堂冬樹   角川文庫   590円

動物記といったらシートン。
狼王ロボとか灰色熊の一使用なんてタイトルを、
読んでから40年以上たっても覚えている。
なんだか記憶があいまいになってしまっていて、
どんな物語だったかは遠くなってしまったけれど、
たくましさや雄雄しさ、知恵や愛情があふれていたように思う。

あれから40年以上たっても、
いまだシートンを超える動物記に出会えていない。
って、内容覚えていないのにね。

新堂冬樹は、やくざな世界をよく書いていた作家だ。
「炎と氷」(だったっけ?)などの作品は迫力がありました。
その後「忘れ雪」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2005/10/10/103378
辺りから、純愛小説を書いたりしています。
昭和レトロな純愛小説と新堂のアールが融合すると、
とても他愛ない話が手に汗握る活劇になってよかった。

そんな新堂冬樹の「動物記」。

ほとんど長編といってよい「極北の王者アダムの生涯」。
分量としては中篇に属する「兄弟犬ミカエルとシーザー」。
小品ともいえる「大草原の穴ぐらのジョン」。
以上3篇が収録されています。

グリズリーにジャーマン・シェパードにプレーリードッグが、
それぞれに魅力的に書かれています。
新堂氏が描く動物記の世界は、どこまでが生態観察で、
どこからが創造なのか、はっきりとした線引きができないけれど、
それぞれに魅力的な物語に仕上がっています。

アダムは手負いの子連れグリズリーを射殺した男が、
自らの経営するペンションに連れ帰り育てたところ、
日本人少年と一頭が深く交流したことで、
後年悲劇につながる物語となっている。
野生動物に人間が関わることでおきる悲劇が軸。
アダムと少年の生き様は、どこからか歪んで行き、最後に交差したことで、
それぞれの心を取り戻して、
悲劇でありながら感動的な物語となって終わります。

兄弟権の物語は猟犬をかんたんに捨てる風潮を揶揄しています。
東京近郊の保養地で野犬が闊歩する。
野犬に立ち向かった2頭の兄弟犬は、
一頭は人に大切にされ、幸せに暮らしていたが、
もう一頭は、人に裏切られ野犬として生き、
めぐりまわって兄弟犬が再会することになります。
再開したときは、追うものと追われるものとなっており、
激突しはするが、兄弟の絆が強く、
人の思惑を飛び越えた愛を見せ付けます。

ジョンの物語は、観察者である動物生態学者が語り部となる。
プレーリードッグの家族愛の強さが縦横に語られます。

いずれも動物ものの王道を行く作品となっており、
涙する物語に仕上がっています。

人間の絡みは、善悪が強く出ていて、
人の介入こそ、自然界の中の猛威と知れます。