ボランティア基金等返還訴訟 傍聴メモ2009-08-29

あっちもこっちも火を噴く混乱の中ではあるが、
2年間見続けてきた裁判は追い続けようと何とか時間を確保して傍聴してきた。

ほとんど時間ぎりぎりに大阪地裁について法廷前に到着すると、
ロビーには原告代表をはじめに幾度かお目にかかった原告が10名近くいた。
また、原告にはなれないもののDPに深く関わるAA問題を追及する人たちもいた。
すでに顔見知りの方以外も数人はいたが、ほとんどが一度は見た人ばかりだった。

挨拶することも無く、とりあえず開廷前に着席しようと入廷すると、
すでに被告人席に被告代理人と林代表が着席していた。
この裁判を傍聴するようになって以来、原告より先に被告代理人が着席していたのは初めてのことだ。
さらに傍聴席に眼を向けると林統括を含む女性3名が被告人席に一番近い列に固まって着席していた。

いよいよ定刻が近づくと、原告団が入廷し原告席には8名が着席した。
傍聴席には証人の証言を聞きたいということなのか、
林統括たちを含め26人が着席(開廷後2名が増える)。
傍聴席は車椅子席を別にすると40席あるから6割の席が埋まったこととなる。
関心がまだ薄れていなかったと安堵した。
あまり面識があるわけではないが、あちこちで見かける愛護団体関係者数名の姿も見て取れた。
また、マスコミ関係者らしき人もいたと閉廷後に他の傍聴者から聞かされた。
しなこ氏の証言が終わると出て行かれたのがそれにあたるのかもしれない。

開廷前に証人の確認を書記(というのか?)が確認し、
裁判官が入廷してきた後開廷。
証人はDP会計を担当した税理士、元広島支部長のしなこ氏、原告の一人の都合三人。
証人全員の宣誓を終えた後、(次の裁判では原告代表と、林代表が並ぶのだ。正面から見たいね。)
原告代理人から、しなこ氏の体調を考慮し証言を行いたいと申し出があり、了承された。

最初に断っておく、
ぼくの耳は半分壊れているので聞き取りできない箇所が多い。
だから言葉と言葉をぼくの想像で繋いでいるところがある。
誤解させてはいけないから、証言の内容に触れるのは最低限とし、
雰囲気を伝えるのを中心とする。
証言の内容については、他のブロガーなり原告団なりがアップするだろうから、
より正確なそれらをよく読んで欲しいと思う。

さて、しなこ氏への原告代理人の質問が始まった。
しなこ氏は相当に緊張しているようで、しばしば言葉を継げなくなるところが見られた。
被告人席の林代表はしなこ氏の証言が始まると瞬きの回数が増え、
やがて凝視するようになっていった。
傍聴席の林統括の首筋も注意して眺めていたが、
原告代理人の質問が佳境に入ると紅潮といって良い色合いを示していた。
林代表の焼けた褐色の顔色も、赤みを増していた。
これらは証言の内容に不満を持ったことから起きたのだろうとの印象がある。
その他の証人の証言には見られなかった特徴だ。

しなこ氏の証言により、初期のころの現金書留を見たことがあるとはっきりし、
医療措置の様子見指示がAAスタッフの指示とはっきりした。
また副代表が食事の世話をしていたらしいこともわかった。
しなこ氏は疑問を感じ会食には参加を控えていたということもわかった。
シェルターについての会話は2006年11月ごろになって聞かされ、
その折にはシェルター基金でされるのかと思ったとしている。
しなこ氏は2008年5月にAAを退会したが、何故やめなかったかについて、
怖くてたまらなかったと声を震わせた。

原告代理人の質問は30分ほどで終わり、
裁判官より証人の様子から5分間の休憩が告げられた。
休憩に入ったとたんしなこ氏は一緒に来ていた友人の元に崩れるように身を寄せていた。

5分間の休憩の後、被告代理人からの反対質問がなされた。
前回裁判で対して時間はとらないと思うといっていた代理人だが、
しなこ氏への質問は45分を越える長いものとなった。
しなこ氏の調書に多数の青い付箋が付されており、
それについて被告の主張も交えながら質問を多岐にわたって行った。
僕は調書を見ていないのでなにを問題とした質問なのか良くわからないが、
質問の中には、林代表が外車を有しており、それを売った300万円という金員を、
DPの費用に当てたことは知っているかなどと聞いていた。
それらの質問の一つ一つに対して懸命に思い出そうとしているようであったが、
しばしば答えられなくなるところも見かけられた。
しかしながら、募金箱の大きさや募金箱の形状など、
普通なら記憶があいまいとなるところを質問することにより、
証人の証言が信頼が置けないものと印象付けようとするための質問に聞こえてしかたなかった。
特に治療速度が求められるGDVで命を落とした犬たちへの質問のなかで、
様子見をするというのが普通ではないかという見解を引き出そうとし、
それに対して緊急性がいることを指摘されるや、見解の相違というなど、
犬好きからしたら無知極まりない論理を展開していた。
被告代理人が狙った質問の意図に反した証言も多々あったようで
最後には知りきれトンボの終わり方をした。

被告代理人の質問が終了した後、陪席が質問をしていた。
陪席の質問はしなこ氏の証言を重視しているということではないかと思った。

しなこ氏はすべての証言が終わった後は、
くず折れるようにして友人たちに抱えられるようにして退席した。
林夫妻がいる中での証言をぶれずにしとおしたことにより、
極度の緊張状態にあったのだろうと思わせた。

しなこ氏の言葉の中で最も印しように残っているのは、
「自分の優柔不断のために、多くの人を傷つけてしまったことが怖かった」
というような言葉であった。

ついで会計士が証言にたった。
林代表が建築業を営んでいた25年前に知り合い、
2006年にDPの会計を頼まれたということだ。
法人の決算としてではなく、収入・支出をトータルに終始して欲しいという依頼を受けたとのことである。
収入については通帳4通を元にまとめたとのことで現金収入の部分についてはわからないとしていた。
支出は領収書などを元に整理したという。
シェルター基金についてはAA側のほうでマーカーが付されており当初打ち込みを行ったが、
のちAAのみが入力作業を行ったということだ。
記者会見等に同席することが体調的に負担であり、その後は関わっていないということであった。
かかわりを持ちたくないため報酬は求めていないということであった。
被告代理人の質問で、弁護士と同席の上で依頼を受けたことも明らかとなった。
被告側が支払いの意思を示していたことは確認された。

最後に原告のひとりの証言について、
現金100万円の支援について被告側からの反論はなされなかった。
また、多数の支援物資のうち大型のサークルについて細かく質問がなされたが、
証人は代理人からの質問に対し、
相当に特別な形状のものであり、支援したものとして見間違いは無いと断言していた。
ハーレーや車についての意見について、愛護団体のものが乗っていたとしてもおかしくないのではないかとの問いに、
愛護団体を営んでいるものとしてのありようとして納得できないと返していた。

この日はこういう感じであった。
次回日程についての確認で原告代表がパワーポイントを使った証言を行いたいと述べ、
それに対しては裁判官からとにかく内容を書面で提出するよう求められていた。


最後に閉廷のあと1階ロビーにいると林代表一行が降りてきた。
林代表はジーンズをはいていたが、その背面にはウィングの刺繍(またはプリント)があった。
http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/7d/image.shopping.yahoo.co.jp/i/f/efc_rp6173←こんな感じ
あの手のものを着ていたのでは、糞尿に塗れての作業は辛かろう。
あの手のパンツはライダーが好むものであり、おしゃれだしカッコはいいのだが、
普段着にする勇気は僕にはない。