楊令伝 六 狙征の章2008-08-13

北方謙三   集英社   1600円

宗禁軍が南の方臘と北の遼との戦闘の間隙を付き、
梁山泊は一地方を支配化とし独立国の様相となっている。
戦闘に傷ついた宗禁軍が回復するまでの間に、
支配地を得た梁山泊は決戦に迎え充実の秋を迎えている。
この巻では、来るべき決戦を向かえる前にか、
童貫と王進の対峙が描かれている。
王進を通して、童貫と楊令が会話を交わす名シーンと読んだ。
こういう潔さを書かせたら北方謙三、にくいぞ。

青蓮寺の分裂は進行している。
李富は独自の思想を持ち始め暗躍を始めているし、
聞煥章は李富により野望を阻止された後、
扈三娘を自分のものにするという私欲に走る。
欲が過ぎ、計略が破れ一命を落とす結果となる。

童貫と楊令の激突を前に水面下での戦いが語られる章となった。

編集者T君の謎2008-08-13

大崎善生   講談社   552円

「将棋の子 」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/11/10/759390
以来に大崎氏の作品を読んだ。
長年、日本将棋連盟に属し、将棋世界の編集長をしていただけに、
棋士に知己が多く、将棋界の隠れた逸話を紹介していくと、
なかなかに面白いものとなるのである。

さて、表題だが、このネーミングの意味がわかるととても面白い。
生涯に読んだ本が一冊?信じられなーい!
なのだ。

奇人変人の多い(といっても最近は折り目正しい人ばかりである)棋士の話より、
よほど不思議な編集者がいたものだと感心するやら呆れるやら。

「週刊現代」に連載されていたエッセイをまとめた本書を読めば、
知られざる棋士の姿が見えてきて、
寄付の差し手に妙に人間味を感じてしまうようになるかもしれない。

将棋ファンなら必読。