ルート225 ― 2006-04-24
藤野千夜 新潮社 514円
子供向けに書かれた、所謂YA本。
玉石混交なYA本の中では、異例なほど完成度が高く、
大人が読んでも充分に感情移入できる。
中村義洋監督(僕は知らない人)で映画化もされているらしい。
物語は中学2年と1年の姉弟が、
今いる世界からちょっとだけずれた世界に迷い込むというお話です。
SFでいうところの並行世界ものです。
SFでは、はちゃめちゃなことが起きていて、
主人公は獅子粉塵な活躍をする。とか、
絶望感につぶされ敗れしものとなるなどという激変形が多いのだけれど、
本作ではほんの少し違うだけでしかない。
喧嘩別れしたともだちと和解ができていたり、
昨日会ったはずの幼馴染と顔をあわせていなかったり、
巨人の高橋が太めだったりするくらいで。
そもそもの発端は、夕飯時になっても帰ってこない弟を、
母の言いつけで捜しに行く。町中を探しても見つからない弟を見つけたのは
大きな国道の向こう側。
いじめらしいものにあっている弟と、ぶらりと還ろうとしたら、
知らない街になっていた。大きな国道は無く、大きな川で。。。
途中で弟のテレかで電話をかけたら叱られる始末。
やっとの思いで帰ってきたら、家から母がいなくなっている。
ちょっと用事で出かけたのかなと思っていたのに、
次の日にも、また次の日も還ってこない。
分かったことは弟のテレカを使ってかけたときだけ
母と電話で話すことができるということ。
そういう異常事態のなかで、姉弟の暮らしが始まるのだけれど、
結末まで破綻無く物語が進み、
結果的には救われなかったけれど、
読むものには安心感のある結末が用意されていて、
俄小説家には無い著者の底力が感じられる。
7点
子供向けに書かれた、所謂YA本。
玉石混交なYA本の中では、異例なほど完成度が高く、
大人が読んでも充分に感情移入できる。
中村義洋監督(僕は知らない人)で映画化もされているらしい。
物語は中学2年と1年の姉弟が、
今いる世界からちょっとだけずれた世界に迷い込むというお話です。
SFでいうところの並行世界ものです。
SFでは、はちゃめちゃなことが起きていて、
主人公は獅子粉塵な活躍をする。とか、
絶望感につぶされ敗れしものとなるなどという激変形が多いのだけれど、
本作ではほんの少し違うだけでしかない。
喧嘩別れしたともだちと和解ができていたり、
昨日会ったはずの幼馴染と顔をあわせていなかったり、
巨人の高橋が太めだったりするくらいで。
そもそもの発端は、夕飯時になっても帰ってこない弟を、
母の言いつけで捜しに行く。町中を探しても見つからない弟を見つけたのは
大きな国道の向こう側。
いじめらしいものにあっている弟と、ぶらりと還ろうとしたら、
知らない街になっていた。大きな国道は無く、大きな川で。。。
途中で弟のテレかで電話をかけたら叱られる始末。
やっとの思いで帰ってきたら、家から母がいなくなっている。
ちょっと用事で出かけたのかなと思っていたのに、
次の日にも、また次の日も還ってこない。
分かったことは弟のテレカを使ってかけたときだけ
母と電話で話すことができるということ。
そういう異常事態のなかで、姉弟の暮らしが始まるのだけれど、
結末まで破綻無く物語が進み、
結果的には救われなかったけれど、
読むものには安心感のある結末が用意されていて、
俄小説家には無い著者の底力が感じられる。
7点
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