取引 ― 2008-12-02
真保裕一 講談社 880円
660ページを越す大作である。
しかし、分厚さを感じさせないスピード感にあふれた物語となっている。
冒頭からのスリリングな展開は、読者を飽きさせない。
物語は、ふたつの社会的問題が題材として選ばれている。
ひとつは児童密売。
先進国での児童需要の大きさから、
貧困国では、児童が取引の対象として存在する。
異常性愛者の性的嗜虐性を満足させる供給源として、
あるいは豊かな国の臓器需要に堪えるため、、
誘拐などの手法で闇から闇へと子供が売買されているのだ。
その非人間性を題材として消化している。
もうひとつは、政府開発援助という名の暴力的装置。
日本が行っている援助は、国内・国外問わず汚職の温床となっている。
賄賂がまかり通り、談合がまかり通る。
援助される側の国が豊かになることのない、
窓口に当たったものだけが潤う名ばかりの援助。
その不正を題材にしている。
この二つが絡み合いながら、
登場する人物たちの欲望がさらに加わり、問題を複雑にさせていく。
国税の中で、その正義感ゆえ浮いた存在となった調査官は、
謀略といえる手法で、無理に調査を引き受けされる。
大学時の友人が絡んだ企業のODAでの汚職疑惑を追うため、
良心の呵責とと戦いながら、調査を開始する。
その過程で友人の妻とも言える女性が殺害され、
その子供が誘拐される。
調査官自身にも身の危険が訪れる。
調査目的を果すことはできるのか。また、子供の救出は叶うのか。
ハイスピードでたん解される物語は、
一気に読み薦められる。テンポのよいミステリです。
660ページを越す大作である。
しかし、分厚さを感じさせないスピード感にあふれた物語となっている。
冒頭からのスリリングな展開は、読者を飽きさせない。
物語は、ふたつの社会的問題が題材として選ばれている。
ひとつは児童密売。
先進国での児童需要の大きさから、
貧困国では、児童が取引の対象として存在する。
異常性愛者の性的嗜虐性を満足させる供給源として、
あるいは豊かな国の臓器需要に堪えるため、、
誘拐などの手法で闇から闇へと子供が売買されているのだ。
その非人間性を題材として消化している。
もうひとつは、政府開発援助という名の暴力的装置。
日本が行っている援助は、国内・国外問わず汚職の温床となっている。
賄賂がまかり通り、談合がまかり通る。
援助される側の国が豊かになることのない、
窓口に当たったものだけが潤う名ばかりの援助。
その不正を題材にしている。
この二つが絡み合いながら、
登場する人物たちの欲望がさらに加わり、問題を複雑にさせていく。
国税の中で、その正義感ゆえ浮いた存在となった調査官は、
謀略といえる手法で、無理に調査を引き受けされる。
大学時の友人が絡んだ企業のODAでの汚職疑惑を追うため、
良心の呵責とと戦いながら、調査を開始する。
その過程で友人の妻とも言える女性が殺害され、
その子供が誘拐される。
調査官自身にも身の危険が訪れる。
調査目的を果すことはできるのか。また、子供の救出は叶うのか。
ハイスピードでたん解される物語は、
一気に読み薦められる。テンポのよいミステリです。
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