どんどん、告発をやりますよ。」だそうです。2009-04-10

「日本の動物愛護活動は、確かに欧米のそれとは比較にならないほど、遅れている。だが、昨今、確実に進歩は見られている。」

いつも思うのだが、「日本の動物愛護が遅れている」との表現は便利だが使うのは適当でない。 どの部分が遅れているのかということが明らかにされていないのでは意味がない。 殺処分数では、日本よりはるかに米国のほうが数は多い。 闘犬なども、日本より米国のほうが、法規制があっても闇では多数行われている。 ヨーロッパでは犬を買うというのは庶民には手が出せない社会構造となっている。
捨て犬が一部ヨーロッパ諸国より多いからといって遅れているとは言い切れない。 日本がなっちゃいないんだよというには、基本的なデータを示しもしていない点で、 いささか乱暴な論理構成となっている。
そして、犬についてのみ言えば、敗戦後の60年間で殺諸分数は1/10のまで減少し、 番犬から家族へと変貌を遂げたのが日本の現状だ。 宗教観の違いなども考慮すれば、欧米とは異なる成熟に至っているとも考えられる。

愛護精神が育っていないのは、あるとすれば拝金主義的な考えに取り付かれた、 生産者や投機的な思惑を秘めた生産者予備軍である。 一般家庭からの廃犬は、主張するほどには多くないはずだ。

「世界で一番、安全な国と言われているわが国が、実は動物たちにとっては受難の国なのである。 アニマルポリスが誕生すれば名実共に安全な国になるのだが。」

アニマルポリスの誕生と『安全な国』は無関係といえる。 無関係なものを並べ立てる。古典的な手法の多用もいい加減にやめるべきだろう。
繰り返すがデータの提示のない主張は惨めだ。 すでに世界一安全な国としての日本はない。 せいぜい世界でも有数の安全な国と呼ばれている程度だ。

法律で守られているからこそ、安全な国なのだが、動物たちの悲鳴を聞こうとしない輩が存在する。 「資本主義の世の中で、金儲け主義に走り、子犬を繁殖すれば、儲かるといっては近親交配であろうが高齢犬であろうが、産ませ続けるのだ。挙句の果て、親犬が病気であっても目がなくても足がなくても、産ませている現実がある。零細繁殖業者等は、子犬を産ませなければ生活ができない。と言う。」

確かに、林代表が指摘する事実は存在しよう。 でも、犬で生計を立てる人間の金への欲望に基づく行為であり、 資本主義と何の関係もない。社会主義であろうと同じ事は起きる。 繁殖業者、なのであれば、当然子犬を販売しているのであるから、 わざわざ述べるのは意味がない。
業としての子犬販売を一切禁止せよといえばよいのではないか? 犬でも猫でも、鳥でもエキゾチックアニマルでも、 生体を商取引の対象とすることを禁止するよう求めればよい。
そうなれば、動物虐待監視委員会の規定自体も違反することになる。 繁殖業者から有料で引き取ることも商取引じゃないか。

「子犬には混合ワクチン接種をするが、親犬にはしない。国民の義務である畜犬登録や狂犬病予防注射も怠っているのだ。」

基本的に物を知らないということは情けない表現を生む。その典型だ。 生産者は子犬にワクチン接種を施さない。生後すぐにしたら危険性のみ高く、 抗体形成にも意味のない摂取となる。 親犬から受け継いだ抗体が失われる頃合に適切に接種をする。 今のように生後50日程度で、生産者から販売者に所有が移っていくのなら、そのワクチンには意味がない。
生産者がワクチン接種しているとすれば、 非常に良質なブリーダーで、社会化期がすんでからの引渡しをしているところとなる。
そういうブリーダーなら親犬へのケアは当然のようにしている。 多少、獣医師法との絡みで怪しいところがあったとしても、だ。
その意味で一部の悪質者を指し示すものを、一般化させるのは卑怯に思う。

「現在、当団体の「動物虐待監視委員会」にて、全国の自治体に向けて動物取扱業者所有の全ての飼育犬の登録及び狂犬病予防注射の有無を調査している。行政宛に情報公開請求を要請しているのだ。どれだけの業者が義務を果たしているのか、知りたいところだ。」

まともな主張のように見える。情報公開がされるのであれば、それに越したことはない。 ただ、そうした行為がアークエンジェルズにのみ開示されるように要請したのなら、 ふざけた行動と思う。第一、全国の自治体といっても50以上の行政区画がある。 そのすべてに情報公開請求したって、そこからなにを読み取り纏め上げられようか。
公開された情報から、改善項目を拾い出し、変化に繋げるためにはアークエンジェルズ単体ではできないと思う。
無登録の業者を排除する為にも広域連携が図られなければならない。 孤高のアークエンジェルズになにができるのか。大きな疑問だ。

この前段の主張がここでは覆っている。 自信を持って『怠っている』と断言しているのに、 その根拠は思い込みだと明らかにしているのだ。

「本来、私が行うのでなく、行政自らが調査して指導をしなければいけない問題だが、お役所は法律で定められている事項ながら、忙しくて手が廻らない。らしい。違反者には20万円以下の罰金刑があるにも拘らず、である。」

この点については林代表の言葉はうなずけるものがある。 しかし、免許制であろうが登録制であろうが、闇で従事されれば役所はタッチできない。
極端に言えば高島シェルターのような場所も繁殖が行われるかもしれないと判断して、 定期的な抜き打ち検査に入れるようにしなければならなくなる。
例にとって悪いが、登録地のみならず、大阪事務所も調査しなければならないし、 従業員の家庭までも調査しなければならなくなる。限界は常に存在する。

「これらを発見したら、「動物虐待監視委員会」としては、動物取扱業者には告発を行い、行政に対して強く指導を強化するように厳重に抗議をし、場合によっては職務怠慢にて告発を行うつもりでいます。」

告発をするのは結構なことなのかもしれない。 ただ、それらを活発に行うこととなれば、法の網を狭める必要がある。 そうしたロビー活動もできるのだろうか?
それから『厳重に抗議』。意味が取れなくて混乱する。 レスキュー特別チームとしての『動物虐待監視委員会』は、 指導の強化により施設の改善を求める組織として規定されていないではないか。
むしろ基準に満たない悪質施設の解散を求める組織であり、 解散後の施設にいる犬をレスキューしようというのではないか?

一体どこが本当の姿というのだ。

「一般の飼主さんはきちんと犬の登録(3,000円)及び狂犬病予防注射(3,200円)を励行してくださいね。」

一般の飼い主はもちろんのこと保護団体もね。
少なくとも今年度のアークエンジェルズ会計報告には、 6200円×レスキュー頭数の額が記載されているはず。 こればかりは協力獣医がいようと安価にはならないですよね。 同時に引き取り車からの入金も細目表記されますよう。 疑いを持たれていることをお忘れなく。

で、なければあいた口が落ちてしまいます。
あっ。高齢犬やアレルギーのある犬に対しては、 一定の条件を満たせば接種免除規定があるのも知らせてね。

「91日以上の犬を飼ったら、30日以内に管轄の行政に登録を申請して鑑札をもらってください。 犬の戸籍ですから、迷子になったり行方不明になっても、鑑札を付けていれば必ず、家に帰ることが出来ます。」

「つばさ」は帰ってきませんね。

「狂犬病予防注射も年に1回、接種義務があります。予防注射を受けているからこそ、日本には狂犬病が発生していないのです。これを怠ると、罰金が課せられますし、狂犬病に罹らなくて済むのです。狂犬病に罹ると、人の命に関わり死ぬ可能性は大きいのです。怖い感染症です。甘く見ないで下さいね。」

感染症予防の立場で書いているようです。そのわりには病犬を安易とも思える体制なのに受け入れられてます。興味深い事実です。
混合ワクチンなどの経費も会計報告に上がってくるはずです。 こちらは協力獣医が安価にて行いはできますが、 一般の飼い主からしたら、やや腹立たしい気がします。 保護団体に対しては無料、もしくは原価で面倒見るが、そり割引分を一般飼い主に請求するようなことはしないでくださいね。<協力獣医

「4月からは全国の保健所、獣医さんのところで集合注射を行っていますから、是非とも受けてください。2650円が予防注射費用で550円が済証鑑札費用です。合計3200円です。」

獣医さんのところで受けるのは集合接種じゃない。←重箱の隅。

「各自治体には獣医師会があり、これら狂犬病予防注射を行っているのですが、自治体と連携して登録とセットで行い、頭数を把握していなければならないのですが、どうもこれが出来ていない。行政の広報では呼び掛けてはいるのですが、現実は、自主申告のようなやり方なので飼主個人の意志に任せているような感が拭えない。獣医師会も年に一度の御祭りのような狂犬病予防注射シーズン。或る地域では、大小病院に拘らず全ての動物病院が接種した頭数を、均等に利益配分をしている獣医師会もある。これだけで、いわゆる飯を食っている病院もあるそうだ。 獣医師会に入会していない動物病院は割り当てがないらしい。独禁法には係らないのだろうか?」

獣医師会は自治体と関係ない。誤解される表記はどうか。
自治体から、十医師会に窓口になってもらい当番を決めて巡回するものだ。 林代表の言うとおり、獣医師会の中での利益分配になるという言い方はできるが、 この文面の中で差し込む意図がわからない。

獣医師会に所属していない獣医にも集団接種利権を吸わせてやれということなのだろうか?

獣医師会は任意団体なのだろうが、割合的にはほとんどが参加している。

ところで獣医師会が標準的診療報酬を制定しようとしたことがあるそうだが、 この動きに対しては獣医師会に加入している獣医内でも異論があった上、 獣医師会に所属していない獣医の反発があり、 独占禁止法違反と判定されたという事実は何故述べないのだろう。

「犬猫を販売するペットショップにて登録、狂犬病を済ませていれば、飼主には義務が承継されるのだが、こんな簡単な理論も業界内では、改善策も打ち出せないらしい。 これすら出来ないのだから、繁殖させている親犬の登録や狂犬病予防注射などまで、話がいかないのだろう。」

狂犬病の接種証明や、登録については林代表の言うとおりとなる。 ただわかりにくい表現で、正しく読めるだろうか。
狂犬病予防接種をした証明があれば、飼い主が変わっても、その年度内の予防接種は免除される。 また、登録についても、生まれて最初の登録が済んでいれば、 飼い主が代わっても登録の変更ということで対応できる。
この弾力的な運用は、ある時期から始まっている。 20年程前には、引越しのたびに自治体で再登録する運用だったが、 ジョンを引き取ったときの行政の説明では犬の住所変更みたいなものですということで、 犬だけの登録変更で済ませられた。 なんか理論とか言っているが、運用面での対応を知らないというだけのことじゃないの?

「業界内の自浄努力が急務であると声を高く申し上げているのだが、聞き入れては頂けない様だ。 動物愛護の精神に則って、とペット小売業協会の御歴々は申されているのだが、面倒でお金が掛かる事は、やらない方針なのか。それともお尻に火が点いてから、慌てて、されるのか。」

ペットショップで売る場合、大半が生後60日程度からとなる。 そのこと事体に問題はあるが、登録と予防接種の関係で言えば、 買い手に任せるほうが自然なケースもあるということだ。
現在3ヶ月程度での販売が常識となってきているようなので、 ふつうのペットショップでは予防接種代の表記はされている。 林代表の行くペットショップは創始したことを表示していないショップなのだろうか?

「全国自治体からの返答があり次第、登録及び狂犬病予防注射の義務違反にて告発を断行していきます。」 また、唐突にこの話に戻している。告発をするのは繁殖業者であり、 ペットショップは関係がない。 無理に次の文を正当化するために脱線しまくって、 ペット業界の暗部について記していたのか。

「業者の皆さん、事前にこれらを実施していてくださいよ。当然の事なのですから、言われなくとも実施してください。20万円の罰金を課せられたら、事前に登録、予防注射をしていたほうが、お得ですよ。罰金を受けたら、繁殖業は出来なくなりますよ。」

損・得でするものではないだろう。
そういう視点で捉えているからこその表現に読めます。

「今なら間に合います。 「動物虐待監視委員会」に情報公開請求の回答が着いてからでは、ほんと、遅いですよ。」

動物虐待監視委員会に回答が届くだろうか。 仮に回答が届いたとしても、登録業者のみでしかない。
林代表の言う、より劣悪な無届業者は依然野放しである。