回帰祭2009-12-06

小林めぐみ    早川書房   ¥903

著者は2003年『宇宙生命図鑑』にてセンス・オブ・ジェンダー賞大賞受賞したということだ。SF、ファンタジー、ミステリなど、多彩な活動領域を持つ。

環境汚染により人類が生息できなくなった地球から、生息可能な星を求めて多くの避難船が飛び立った。その中のひとつが避難船ダナルーだった。事故により不時着した星は、人類の背すそ区にとっては厳しい条件だった。ダナルーはマザーシステム機能の一部を損傷しており、そのため人口調整をしなければならず、出生抑制を行う必要があった。しかしマザーシステムの異常のため、男女比は9:1となっていた。地球は環境改善され復興を遂げたが、ダナルーでは大規模な建艦が行えず、全員の帰還は困難。出生者のうち16歳で番になれない男子は全員復興した地球へ回帰することになっていた。

不時着後300年、ダナルーに生まれた3人の少年たちを軸に物語りは展開する。閉鎖空間対して希望を見出せない少年たちが多い中、アツはダナルーを人の手で開発すればよいと考え、ライカは反逆者を家族に持ち浮いた存在。秀才でダナルーを調べている。ヒマリは地球にいきたいと強く希望する。そんなアツはヒマリに一目ぼれ。また、アツとライカがひょんなことから一緒にダナルー探査を始める。そうして出会ったのが、自らを教授と名乗るウナギ。ウナギは二人にダナルーの謎を語る。
回帰祭が近づくに連れ、さまざまな謎が錯綜してきて…
 閉鎖社会に秘められた謎解きが楽しいSF仕立てのミステリ。

ちょっと結末は弱いけれど、まっ、秀作でしょう。

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