「はいら」のがんの進行が2019-05-01

どうしようもないことなのだ。
犬だって人と同じで腫瘍ができる。
人と同じように治療もできる。
抗がん剤治療も可能だ。

が、ジョンの苦しむ姿を見た僕は、
抗がん剤治療に進む気にはなれない。
「そらん」のリンパ腫でも、
したほうがよかったかと悔いを持っているものの、
結果としては正しい選択だったと思っている。

「はいら」のがんは昨年4月に発覚した。
リンパ腫もだが、深刻なのは肺がんだった。
何の治療もせず一年が過ぎたが、
どちらもゆっくりと進んではいるが、大きな変化にはなっていない。
しかい、何もしていないからか、
体の浮腫はかなり増えてきた。
どれも悪性と断定できないが、気になる。
加えて、昨年末から右後肢第二指にできものができている。
気を付けていたが、
「はいら」自身が激しく舐め、
「まこら」も激しく舐めるものだから、
出血を繰り返しているうち、患部が大きくなってしまった。

検査の結果では、両生徒も悪性とも判断できないままでいたが、
この前の検査で、どうやら悪性であると指摘され、
右後肢切断を提案された。

決められない。

指を落とすくらいなら決断するが…

結局、何もしないで様子を見るだけしかできない。

犬と暮らすのは楽しいが、こういう時があると苦しい。

13歳はむつかしかろうが、今少し元気なままでいてほしい。

嶽神伝 死地2019-05-01

長谷川卓  講談社文庫  820円

七つ家の「二つ」を主人公とする「血路」の続編。
シリーズの最後に位置する本書は2作目にあたる。
続編と言いながら両作品で描かれる時間には40年近い経過がある。
この時間の中に「嶽神」「無坂」「弧猿」「逆渡り」といったシリーズ作が埋めていく。
発表された順は時間の流れとは異なるので
今回の文庫化にあたり加筆修正が加えられ、
血路が始まりの書であり「死地」が結びとなる、
シリーズを通しての一貫性が確保されたのだろう。
シリーズの始まりが武田の野望から逃れる「二つ」の誕生で、
最後が、その「二つ」によって締めくくられる。

物語は賤ケ岳の戦いのころから始まる。
勝家が、敗戦に備えて小谷の方を落とす依頼を七つ家に行ったことで幕を開ける。
秀吉の忍び集団・しころ衆と七つ家の因縁が生まれる。
秀吉と二つは旧知であり、秀吉には山の者という、農民でさえない出自があった。
しころ衆と秀吉の間には大きな秘密が隠されており、
その秘密を闇に葬るため、ある策略が実行される。
天下人となる秀吉の出自の秘密を知るものを根絶やしにしようというのだ。
ある集落が毒により全滅させられたことにより、
二つはなぜ虐殺が行われたかを探りをはじめ、
そのことによりしころ衆との死闘に至る。
北条幻庵と風魔衆も絡み、目まぐるしく運命が進む。
「血路」と同じく異能の忍び集団との戦いが手に汗握る。

この文庫版については、「血路」→「無坂」→「弧猿」と読み進めるのが正しい。
失敗したなあ。「血路」→「嶽神」→「逆渡り」→「弧猿」とみ進めてしまったのだ。