親指さがし2005-12-09

映画化されるのだそうだ。
山田悠介 幻冬舎文庫 495円

『リアル鬼ごっこ』で話題となった著者だ。
『リアル鬼ごっこ』はコミックで読んだだけなので、
はじめて作品を読むこととなる。
コミックでは、設定は1000年もあとの社会でありながら
移動手段や生活様式は現代と変わらないということだったので
いささか戸惑いを感じたものの、
それなりにおもしろいなあというのが感想だった。

『親指さがし』は設定は現代で違和感がない。
そして『リアル鬼ごっこより、よりホラーに近いと思えた。

若い女性が殺されてばらばらにされた。
奇妙なことに親指だけが見つからない。
その人の親指を探すという都市伝説をある日知る。

5人が円になり左親帯を隠しあい、殺される瞬間を想像すると
不思議なことに見知らぬ建物に着く。そこにはろうそくが燈されていて、吹き消せば元の場所に帰ってこられる。
親指を捜していると、誰かが肩をたたくが決して振り返ってはならない。
振り返れば二度と帰ってこられない。

小学生5人の仲良しグループは、そのゲームを行った。
すれるに満ちた経験に惹かれ、繰り返して行ったとき
一人が失踪してしまう。
懸命の捜索にもかかわらず、何の痕跡も見つからないまま7年がすぎた。
成人を控えた彼らは、7年前の清算を行うべく
事件の真相を追い求め始めた。

そして悪夢が彼らを襲うのだ。

憑依ものと言うべきなのか、リング的というのか、判断がつきかねる。
たしかに恐いところはあるが、なんかすでに知っているような感覚。
映像にしたら恐いのかもしれないが、
小説だと中途半端な気もします。

6点