博物戦艦アンヴェイル2021-03-08

小川一水

正統的少年向け冒険小説だった。
期待した物語のありようからは大きく異なっていた。
タイトルだけで買うとこういうことが往々に起きる、

文庫の著者略歴には「骨太な本格SFの書き手」なんて記しているから
てっきりハードSFっぽいのかなと勝手に思い込んでしまったのだ。
独語の調べれば、何のことはないライト・ノベル作家だったということだ。
機体とのずれは大きい。
最初からラノベと知っていたら買わなかったろう。
(ラノベも読むのだが、この作品は肌に合わぬと判断したろう)

そのような経過があるからあまりいい印象がない。
少年少女向けとしたら面白いのだろうとは思うが、
今どきの子どもなら男の子ならスケベが足りん、
女の子なら、恋が物足りんのかなと思う。
大人が子供に読ませる本としてなら、ちょっといただけないと思うやも。
主対象は小学校高学年から中学生といったあたりかと感じる。

大航海時代くらいの技術力が想定されている。
帆船同士の戦いあり、神話的存在との戦いあり、
伝説の魔盾があったり、オウムが喋ったり航海知識を持っていたり
ファンタジー要素がふんだんに入っている。

可愛い少女騎士と、憎めない少年の恋模様に
美貌の青年貴族艦長に率いられ伝説の地を目指す。
未知の生物、自然の猛威、苦難を乗り越え航海する。

還暦越えた大人の読みものじゃない。