腰痛でも下僕するぞ2006-12-03

おとつい突然にやってきた激しい腰痛。
金曜は仕事を休み、土曜も一日安静にしていた。
(もちろん下僕道だけは休めないので散歩は少なめでも行く。)
で、日曜の朝は痛みが鈍痛程度になっていたから、
先週放牧できなかったお詫びにドギーズパークにお出かけした。
『そらん』は用意しているとすでに期待で目が輝いている。
ジョンもうれしくてピョコピョコ跳ねて吼えている。
クルマに乗り込むや所定の位置にそれぞれ陣取り、
もうやる気満々な様子。

腰のほうは冷えたらまずいし、ひねると腰痛がぶり返すから、
しっかりとサポーターで固定して、ころころに着込んでお出かけだ。

きょうのドギーズパークもほぼ貸しきり状態。
ついたときに和犬MIXがいたけど、すぐに帰りはったし、
1時過ぎに顔見知りのジャックラッセル&ビーグルがやってきて、
少し遅れてビーグルがもう一頭来ただけ。
全部顔見知りで『そらん』の喧嘩の心配もなし。
平和に楽しく遊べた一日になった。

ちょっとばかし気温が低くて5度くらいしかなかったけど、
十分に二人とも走ったようで、満足そうにしている。
2頭を洗って帰ってきたけど、僕の腰もどうにか悪化せずに済んだ。
この腰で遊びに連れて行くの無謀かとも思ったけど、
結果がよかったから、よしとする。

きょうの『そらん』のオビのおさらいと熟練は、
珍しくほぼパーフェクトにできた。
その調子で頼むで、『そらん』。

マーリー2006-12-03

ジョン・クローガン   早川書房   1429円

全米ノンフィクションで一位を独走した一冊だそうだ。
副題は「世界一おバカな犬が教えてくれたこと」。
一口で言えば、「
犬を家族にしてみたら、その犬がパワフル且つお茶目すぎ、
ほとほと扱いに困ったけれど、その犬との一生はいろいろと楽しかったよ。」
という話です。

ラブラドールの『マーリー』は、グローガン家にやってきてわかったこと。
骨格が立派で大きくなること。夢中になると人の制止が利かないこと。
なんでも壊すこと。なんでも食べてしまうこと。
雷がめちゃくちゃに苦手なこと。やたらと人に飛びつくこと。

『マーリー』は、あっという間に成長し、40キロを超す成犬となる。
問題行動を矯正しようとジョンと共にしつけ教室に入学するも、
失格の烙印を背負うこととなる。
それでも何とか奮闘し、む常時ではなくとも側歩ができるようになるのだが、
誰もいないときだけという有様。
なんでも食べてしまうのにもきりが無く、ボトルの蓋、小切手など
あらゆる物を胃の中に納め、もどしたりウンチで出したり、
あげく結婚記念のプレゼントを食べてしまい、
毎日のうんち突きを飼主に課す始末。
数々の失敗をしでかす『マーリー』だが、
グローガン一家にとっては、笑いを演出するよき犬ということもできた。

そんな『マーリー』も一度はグローガン家から見捨てられる危機を迎える。
マタニティー・ブルーに妻が陥るのである。
もう顔も見たくない。
あらゆる物を壊し、あらゆる物を食べる『マーリー』の行動が、
妻の心に耐えられない苦痛を生んだのだ。
粟屋という瞬間に、妻の鬱が去り、
『マーリー』が一生をグローガン家で過ごすことができることとなるくだりは、
読み手をはらはらさせる。

グローガン家は、『マーリー』を筆頭に三人の子どもにも恵まれ、
なかなかにアメリカ的中流家庭として幸せな生活をすごしているが、
『マーリー』の老いが、徐々にやってきて、暗い影を落とし始める。
やがてGDVを起こし奇跡の生還を一度は果たすものの、
2度目のGDVでジョンは辛い選択を迫られる。
そのほろ苦さの中、『マーリー』がみんなに示し続けていたものに気がつく。
その結論こそ、犬を飼う楽しみの最大なものだと共感できる。

マーリーは、著者が言うようなおバカではない。
『マーリー』がおバカなのだとしたら、『そらん』なんて形容の仕様がない。
良くも悪くも、レトリーバー種らしい『マーリー』。
天真爛漫で歳をとっても遊び好き。
著者自身言うように、研究不足で家族に迎え入れ、
戸惑ううちに『マーリー』の特性を見誤ったところがあるだけだ。
決しておバカではないのだけれど、
そう表現するほかないというところに大きな共感がある。
謙遜の中、うちの犬はおバカでと言い訳している溺愛飼主諸氏には、
なんとしても読んでいただきたい好著である。