高島シェルターをめぐる非合理2008-03-09

アーク・エンジェルズ関連の裁判がどうなっているのか、
寄付金等返還訴訟は審判までの道半ば。
他の裁判では、
所有権確認訴訟のほうの控訴がどうなったのか不明で、
ARKによる名称指し止め訴訟も経過が良くわからない。
相変わらずはっきりしないままの事案ばかりが目立つ。
原告も被告も情報を出さないのだから、
遠くから推移を見守っていると、どうにも落ち着かない。
ARKも川北氏も、進展を知らせるというわけには行かないのだろうか。

裁判の進行とは別に、高島市ではシェルターの運営について、
アーク・エンジェルズと住民の間の対立に解決の糸口が見えないままだ。
地元には地元の戦い方があるとは言え、
進出反対期成同盟の意思決定と情報発信は、
どうにも遅延気味であり、応援団としては少々いらつくところだ。
それでも住民ブログ
http://noaas.blog99.fc2.com/
からの発信で、
アーク・エンジェルズ発表の『きれいごと』に対しては、
その欺瞞性が明らかにされており、動きの怪しさを知らしめている。

その住民ブログと、アーク・エンジェルズ活動日誌、『ずばり一言』から、
僕たちは高島シェルターの不合理な運営をうかがい知ることができる。
高島シェルターは、無駄としか言いようのない施設だ。

アークエンジェルズは、活動記録によれば、
1/28には141頭の犬を保護と称して集めている。
そして、どうやら最大約80頭の犬を高島に入れていたらしい。
(NOAAs2/25付け)
したがって高島シェルターにいる犬の頭数は70―80頭ということになる。
裏返せば、都島の旧本部、
あるいはホストファミリー宅に60―70頭がいたということになる。
同じくアークエンジェルズHPの里親募集を見ると、
1月に契約により譲られた71頭以外では、
18頭だけが里親募集されている。
このうち8頭は高島、6頭がホストファミリーに、
4頭が保全中の犬であり、所在は明示されていない。
活動記録によれば、2/29現在で123頭の犬がいた。
つまり里親募集されていない犬が、2/29現在で34頭いることとなる。
これらの犬がどこにいるのかは、全くわからない。
スタッフが家庭に連れ帰っているのか、
ホスト宅に預けられているのか、都島にいるのか、全く不明だ。
ただ、昨年の同意なきシェルター開設時以降、
20-40頭の犬を高島に持ち込んでいたことは確かなので、
高島以外のどこかにいることは確実なのだろう。

シェルターを開設する利点は何か、
一箇所に集めて集中管理できるから、
少ないスタッフで大量の犬を扱える点に利点がある。
10頭につき1名のスタッフを配すると豪語したのは林代表であり、
おそらく通常の管理体制であれば20―30頭につき一人で、
収容初期以外なら対応していけるはずである。
収容当初は疾病対策等があり、監視体制を強化する必要もある。
愛情十分にというなら、10頭でも多い気もするが、
より多くのボランティアがいて、
人とのふれあいの機会を増やすのは悪くない。
が、コアなスタッフなら10頭に一人は要らない。
ただし犬を扱うプロに披見される人間であればなのだが。

ちょっと冗長になってしまった。
なにが言いたいのかといえば、次の点にある。

本来、高島に全頭集中させて管理するのがシェルターの利点なのである。
それを中途半端に80頭にした意味がわからないのだ。
ホストファミリーに預けるというのは、
シェルターがないから一時預かりを依頼しているか、
譲渡に向いていると判断した犬に家庭生活を経験させ、
社会復帰を計らせるためにするものだろう。
当然、ホスト宅に行った犬というのは、
里親募集されていておかしくないものとなる。
ブリーダーから契約によって譲渡された71頭は里親募集しているのに、
34頭もの犬が里親募集されていない。この不合理はなんなのだ。

34頭の犬が家庭生活に向いていない犬だというのなら、
アーク・エンジェルズが終生飼養する犬ということになる。
このシェルターのマックス300頭の内、
34頭は死亡しない限りあかないということになる。
これはかつてどなたかも指摘されていたが、
シェルター変じて、犬の終生飼養場化である。
どんどん救えるということが妄想でしかないことを意味する。

さて、もっと不合理がある。
アークエンジェルズは高島と都島の間で犬を動かしている。
治療のために、避妊・去勢手術のためにと称して。
都島と高島間は、距離にして100キロちょい。
高速を使って2時間の距離だ。
高速料金はフルに使えば片道2800円。名神だけでも1600円。
犬の運搬に使っているワンボックスだとリッター9キロで目いっぱい。
燃料も12リッター程度いる。ガソリンなら1700円。ディーゼルでも1400円。
往復では安く見積もっても6000円から6600円、高ければ9000円かかる。
なのにくすのき動物病院をはじめとする協力獣医に依頼するためか、
高島にだって、大津にだって、獣医はあるはずなのに、
犬を載せて大阪に行くのである。
協力獣医で無料で診察・治療してくれるのでもない限り、
時間と金を使って移動する必要はない。
多少のばらつきはあろうが、獣医の費用に地域差は少ない。
むしろ都市部より地方のほうが安いくらいなのだ。
別に大学病院並の診療をしてもらうわけではなかろう。
地元で診てくれる獣医を探せばよいのだ。

もし、協力獣医が無料で診察しているのなら、
手広くやっていて、獣医が何人もいて儲かっている院長が、
社会還元のために奉仕活動しているという以外は、
一般の飼い主から暴利を貪っているかもしれない。
そんな獣医に行き、必要もないのにいっぱい検査されて、
多額の検査費用を取られるなんてことになっていないのか?
たいてい獣医も飽和状態である。
せめて実費はもらわないと、個人経営の獣医では負担がきつかろう。
また、実費程度、または無料で治療してもらっているのに、
譲渡希望者から治療費を正規の額近く求めるのは変だ。
アーク・エンジェルズは避妊・去勢治療の負担を譲渡条件にしている。
去勢で15000円。避妊で20000円。
安いといえば安いが、それとて破格というわけではない。
ちなみに『はいら』の手術は、
内視鏡を使用し、複数の医療スタッフがモニターをしながら行うもので、
一晩入院させた上で、その他の検査はあわせて行って約50000円だった。
内視鏡を用いずする術式なら30000円以内で納まったと聞いている。
入院費を引けば、15000円よりは高いが、さほどの差はない。
アーク・エンジェルズが治療のためだけに大阪に連れて行くのは、
信じられないほどの不合理なのだ。
それも、高島シェルターのスタッフが十分にいる状況でなく、
忙しくて作業がすべて終わらないと嘆いているのにだ。

都島旧本部にも犬がいるとの情報もある。
高島と都島の2箇所で夜間体制をとりながら犬の世話をしているのか?
どう読んでも、実態は限りなく薄い。

林代表は批判を見ずにするなら見に来いといっている。
いっぺん見に行ったろか。
何やかやと難癖つけて入れないなどということは、よもやないだろうな。
身分証明書の提示がなければ入場できないのはともかく、
コピーを取らせなければならないなんて言いはしないね。
お得意の個人情報保護が泣きますぞ。

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