JBL S31002015-10-14

1995年になって、かねて積み立てていた預金が満期になった。
ディスクの全ても手元にそろった。
幸いにして実家の床は、親の趣味の関係で強化してある。
築30年を超えた家にしては丈夫だ。
そこで、念願の38cmウーハーを手に入れることに決めた。

Project K2 S950077500は、どう頑張っても手が出せない。
エヴェレストも同様。
S5500なら可能性はあるが、アンプまで買うとなると厳しい。
第一30cmウーハーだし。
4344は4wayで鳴らし切るのは難しそうだし、
価格が100万ほどするからちょっとしんどい。
4430ならセットで80万程度だけど、
周波数特性が16kHzどまりと、スペックで見劣りする。
そもそもスタジオモニターを鳴らし切.る自信がないのだもん。
いっそTANNOY System 15はどうかなんて思ったりもした。
でも、やっぱりJBLの38cmが欲しかった。

うじうじ悩み続けていた。
あきらめて30cmのS2600で妥協しようか。
評判の良いスピーカーだけれど、
試聴したら物足りない。気のせいだったのだろうけれどね。
S2600から1年たち発表されたばかりのS3100が、
なんと38cmを搭載している。
2wayだけれど、スペック的に3wayとそん色ない。
周波数特性が30Hz~20000Hz、能率が94dB。
ドライバーも1inchが採用となっている。
セットで64万円ほどと手ごろ感もある。
上を見ればきりがない。
鳴らすために費やせる費用なんて、
しがない月給取りの身の上じゃ、
このスピーカーでも望外というものだろう。
僕にとっちゃ、十二分にハイエンドだわいな。

えいやっと購入した。
試聴すれば迷いまくるから、
もう聴かずに、雑誌と店員の言葉を信じて買った。
先にあげた、どのスピーカーよりおおらかになる。
実際、その通りだった。

家に届いたS3100を、とりあえず鳴らしてみる。
どうせ慣らしの時間がいる。駆動はPM80a+DP-8020だ。
鳴らしながら、アンプ、CDプレイヤーの梱包を解こう。
音出しした瞬間、手が止まる。
このアルバムは、こんなにいろんな音が入っていたのか。
ベースもドラムスもピアノも粒立ちが違う。
すべての楽器が、ちゃんと存在を主張している。
低音の音離れもよい。
軽く吹き上がっているようでも、良寛、質感ともある。
これまでのスピーカーから異次元にある。

ここら辺に置いといてと、何の工夫もせずポンとおいただけの、
リスニングポイントを作りもしていない状況でだ。
スピーカーから出る音だけで圧倒された。
思わず、他の機器は放り出し、
S3100の置き位置の調整に取り掛かった。
説明書に目を通し、スピーカー間の距離を2.5mにし、
壁から30cmほど話して壁に平行におく。
そこで音を聞き、数cmずらしたり、角度を少しつけたりしながら、
良いポイントを探していく。
1時間くらい試行錯誤したはずだ。
時分なりに納得のいくポイントを見つけて、
時分なりの帰順のCDとレコードを聴くことにした。

低音のチェックにはジェゴクが定番。
竹管から出る重低音が再生できている。
地の底から響いてくる重低音が揺さぶる。
ガムランで使用する高音パートの打楽器も歯切れがいい。
ドライバーから出る音は、まだ固いけれど、
音がきれいに分離している。
キングズ・オブ・マリをかけてみる。
ベースの音が、うねりを持って出てくる。
複数台のマリンバは、位置関係が見えるよう。
アタック音の鋭さは、4312Bでは感じられなかったほどに鋭い。
一つ一つの音がはっきり分離している。
僕にとっての最後のアイドル木之内みどりも聞いてみる。
ドラムもベースも軽快に歌う。
ボーカルはさ行の音もきれいに表現する。
つやっぽさが一段上がっている。ぞくぞくする。
価格に納得する色模様だ。

もはや他のスピーカーで聴くことはあるまい。そう思わせた。

スピーカーの追い込みは、このあたりまでにして、
いよいよ他の機材を使えるようにする作業に入った。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kumaneko.asablo.jp/blog/2015/10/12/7837655/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。