古川豪 at 異議なし!2019-05-26

しばらくライブから遠ざかっている。
暇だが金はない。
そんなに遊びたおすことはできそうにないが
ぼちぼちライブにも出かけよう。しばらく前から思っていた。

古川豪さんは京都で活動し続ける方だ。
数年前に「なのりその森、ふうの町」をネットで発見し、
懐かしさもあり買わせていただいた。
そのとき、機械があればライブにも行きたいと記していたら、
七夕コンサートの案内を、ここ数年いただいくようになった。
行きたいなと思いながら、やはり京都は遠い。
ライブに行ったらビールのいっぱいぐらいは飲みたい。
せっかく行くのなら、いろいろなところにもよりたい。
なかなか犬がいると長時間家を空けるのがためらわれる。
葛藤の末、いつも見送り続けていた。

それが今年の案内では阿倍野まで来演に来るとあった。
で、行くことにした。

会場の「BAR 異議なし!」はこじんまりとした空間だ。
昭和の香りがいっぱいで、なんとも懐かしい。
昔の天王寺界隈の空気がある松虫駅前にある。
手書きの告知が、今風のおしゃれから遠い。
10名も入れば、もう身動きできそうにない。
そんな空間だから、奏者との距離は3メーターといったところ。
店主は、なんともおおざっぱで、商売っ気なく、
好きなものを、好きなように表現する。そんな御仁だ。
近くにあれば、入り浸ってしまうかも。

古川豪さんは、たぶんバンジョー弾きとしては屈指の人じゃないか。
ギターはオールピックでフィンガリング奏法でドライブし、
これがなんとも気持ちいい。
「トカトントン」や「ホーボーの子守唄」が懐かしい。
70年代に「羅針盤で星占いはできない」「原子力時代の子守唄」を
発表されていて、よく聞いていた。
春一番で思い出深いのは、77年だったか、
天王寺野音で、どこか上の空の聴衆を前に
PAなしで観衆を鼓舞した姿だ。

あれから30有余年。
どんな風な姿を見せていただけるか、期待していた。
やっぱり本物は違う。いってよかった。
古希が間近とは思えぬ力強さ。声の張り。
「なのりその森、ふうの町」に収められた曲たち、
彼が暮らした商店街を歌う時、
その人情が歌う姿から発散する。
そのほか「さのせ」が爆発し、
「トカトントン」や「ホーボーの子守唄」も歌ってくださった。
懐かしいフォーク名曲コード進行の種明かし
ピート・シガーへの憧憬など、客席との会話も興味深い。
内容充実、ほんまに良かった。

お客さんは少なかったのが残念だったけれど、
そのぶん濃い会話が聞けた。
どうやら現役の奏者さんと思しき方に
(追記・ちんどん通信社のジャージ川口さんでした)、
やはり昔日には歌っていたかと思しき山形からの来場者。
出てくる人物交流に目を白黒。
福岡風太、篠田昌巳、梅津和時etc. etc.
知っている名も多いが、知らない人も多数。
70年代からの、こぼれ話に目を白黒させるばかり。

小さな店で、なんか一人場違いな部外者が来ちゃった感もしたけれど、
居心地のいい時間がそこにあった。
また、誰かが来られるなら、お邪魔でなければ伺いたい。

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