亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎の事件ノート2008-04-16

はやみねかおる    講談社    552円

『そして五人がいなくなる』
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/08/06/473870
に続く第2作。

前作は大人にも耐えられる好著と評していたが、
続編となる本書ではより子どもを意識した作品となっており、
謎解きの整合性より、わくわくした感覚を大切にしているように感じる。
大人が読むには物足りなさを感じるところがあるが、
それでも意外性などでははっとさせるものがある。

三つ子の通う港北学園には伝説がある。
時計塔の鐘がなると人が死ぬ、と伝えられているのだ。
学園祭を前にして突然鐘が鳴り、学園はその話題に涌く。
あろうことか校庭には魔法円が書かれ、空から机が降る。
三つ子の一人亜衣は亡霊と名乗るものからメッセージを受け取り、
夢水教授と共に調査に乗り出す。

やがて明らかとなる過去の事件。
亡霊は過去の事件に関わる何かを清算しよううとしているようだ。
教授は調査もほどほどに福引旅行に出かけ、
事件のことは忘れた風に見える。
ところが、すでになぞはすべて解決していた。

子どもだったころの気持ちを失った教師と、
過去の事件への自責を感じる教師が、
二人でひとつの事件を演出したナゾを見事に解決し、
物語をハッピーな形で終わらせている。

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