ペイ・フォワード2008-05-21

キャサリン・ライアン・ハイド   角川文庫   648円

『ペイ・フォワード 可能の王国』というタイトルで、
2000年に映画化されたものの原作。

カリフォルニアの小さな町の学校に転勤した、
ベトナム戦争に行き、顔半分を失った教師が出した課題。
『世界を変える方法』

この課題に取り組んだ12歳の少年・トレヴァーが考えたものが、
『Pay it forward』
3人の人に何かいいことをする。お返しをしたいといわれたら、
それを他の人に返してもらう。
そうしたらあっという間に人間の数より多くのいいことがおきる。
その鍵は、人を信じること。

トレヴァーはアイデアを出すだけではなく実践をする。
一人目は、麻薬所持で服役していたジェリーに。
彼には立ち直るための資金として貯金をあげ、
家に招待し、ジャンキーからの立ち直りをさせようとした。
二人目は、グリーンバーク老夫人に。
彼女には、新聞配達の終わりに会話し、
彼女の庭への思いを汲み取り手入れをする。
三人目は、課題提出者本人に対して。

トレヴァーの計画は、それぞれのものが果たそうと思いながらも、
それぞれの事情で継いで行くものが退場していくかに見えた。
しかし、しっかりと進行していたのである。

それが国中にあふれたとき、
トレヴァーは幸福の絶頂にいた。

そんなトレヴァーが、ひとつの道が続いたことを知らずにか、
或いは使命感があってからか、
傍観に襲われる人を助けようとして凶刃に遭い、不帰の人となる。

その悲しみが、力強い約束となるフィナーレは圧巻である。

僕たちはトレヴァーのように、人を信じきることができるか。
信じる心を次へと手渡していけるのか。

小説の中での出来事が、いつか当たり前のことになる世が来たら、
世の紛争と貧困は、その姿を消していくに違いない。

ワクチン接種2008-05-21

さっき犬たちのワクチンを接種してきた。

僕の犬たちには、『ごお』が6歳の頃より9種混合ワクチンをさせている。
犬友達の助言で、長野や岐阜あたりに流行している病への対処として、
7種では力不足と思ったからだ。

9種混合ワクチンは、年に2回打つことが求められているため、
ワクチンの過剰接種とならないか不安なところもあるが、
補助犬の皆さんとの出会いもあるから、
へんな病気をもらうわけには行かないだろう。

できたら、7種にはない部分だけの接種になればいいのだが、
別々になったの薬剤はないそうなのだ。

接種に先立って健康診断してみたら、
『そらん』は27.9キロ、『はいら』は29.7キロだった。
『はいら』はすっかりおデブちゃんになってしまった。
さらに量を調節せねば。『そらん』と同量にしよう。

せめてあばらに触れるようにしないとね。
『そらん』に比べてマイペースでぼんやりしているから、
ウェイとコントロールがむつかしそうな「はいら」に注意。