7回目の命日2011-09-23

「ごお」は僕にとって特別な犬だった。
てんかん発作を起こすまでの9年間、
いつでもそばにいて、迷惑の一つも感じさせず、
ただただ楽しい時を与え続けてくれた。
ただただ僕を信頼し続けた。
発作後にはより強く信頼してくれた。
獣医師の熟練の治療では暴れるのに、
僕のつたない作業にはじっと耐えていた。

元気な、活動的な犬だったけれど、
訓練らしい訓練をしていないのに、
呼べばたちどころに帰ってくる。
ほとんどの言葉を理解した。
争い事は好まず、どの犬とも上手に付き合う。
ケンカを売られたら、ひたすら逃げるだけ。
かといって臆病にはならない。

水泳が大好きで、ボールが大好きで、
いつでもくっつき虫で…。

失った悲しみは深い傷となった。
「そらん」やジョンが悲しみをいやしたとはいえ、
かさぶたの下の疼痛はずっと残っている。
何気ないときに、突然「ごお」の最後の日々を思い出し、
悔いという痛みに襲われる。
どうして、あの選択をしてしまったのか。

取り返すことのできない未来。
やり直すことのできない過去。
この悔いは死んでしまうまで、
何度も何度も襲ってくるのだろう。

それでも犬と一緒にいることはやめられない。

命日くらいは少しばかしの涙が出たとしても仕方ない。
今日も少しだけ泣いてしまった。
普段は距離を置く「そらん」が、
珍しく横にずっといてなめた。
こんな日もある。

最後のリバーランドの写真。
せっかくライジャケも着せたのだから、
もう少し、泳がせてやればよかったなあ。