ピースわんこの件(裏)救助犬事業2020-10-19

(裏)とした内容のみ見たい人は、かなり下のほうの
数字が固まって出てくるところから見てください。

救助犬について詳しく知らない方もいるだろう。僕が知っている限りのことを記してみる。僕はIRO国際救助犬B認定試験に合格できた犬の所有者だった。自らがハンドラーになるのは能力不足であきらめたが、いちおう訓練や試験の内容は知っている。知らない世界を知るのも存外に楽しい経験だった。
その犬のことを書くと寄り道が過ぎるので、さっそく。

IRO国際救助犬認定試験は犬の教育社会化推進機構 (OPDES) や救助犬訓練士協会 (RDTA)などが担っている。(参加・見学しました)JKCも救助犬試験を行っている。そのほかにもいくつかの団体ができているみたいだ。(これらは全く知らない)救助犬の中でも捜索に特化している感じだ。捜索以外にも水難救助や山岳救助などもあるそうだが、日本で認定制度があるかは知らない。臭気選別、臭気追跡と同じく犬の嗅覚を利用したものだ。ただし鼻の使い方が異なるところもある。空中の匂いを取るところなどがそれだ。
認定試験は服従・熟練・捜索に分かれている。服従はオビディエンス競技を想像してもらえればよく、熟練は匍匐前進・梯子のぼりなどの障害物踏破・遠隔操作です。この二つの種目は犬を動かす力が試されます。捜索は災害現場を想定した会場で行います。広域捜索と瓦礫捜索があります。広域は自然環境下での捜索でエリアが広大になります。瓦礫は倒壊家屋などを想定します。一定時間に隠れている要救助者を発見しないとなりません。A段階では2-3人、B段階では3-5人だったように記憶しています。見た感じではハンドラーの力量が必要なのは広域だと思いましたが、実際のところはわかりません。ちゃんと訓練したら犬ならどちらもこなせるでしょう。ハンドラーの知識や経験、犬とのチーム力が求められるものと感じました。B段階まで達した犬であっても不慣れなハンドラーが扱えば服従か熟練で脱落することもあります。(僕がこの口でした)
IRO認定試験の参加者は実働を視野に収める警察犬訓練士や嘱託警察犬訓練士もいますが、ドッグスポーツとして取り組む人もいます。たいていは訓練士かPD訓練士に師事する飼い主ハンドラーがチャレンジしています。
犬の適性は、臭気をかぎ分ける能力があること(臭気探知力が落ちるショート・ノーズは不適)、臆病(特に破裂音など)が過ぎる犬、人や犬への攻撃性が抑えられない犬は不適です。不向きな性向があっても訓練次第では乗り越えられる犬もいます。
僕の犬は訓練士さんに週1回預け訓練・ハンドリングしていただきました。運動能力や不安定な足場などは平気だったけれど、破裂音(花火まつりには震えている)が苦手で克服にずいぶんてこずったようです。それでも何とか訓練士さんと一緒なら克服でき、5歳ころにA、7歳ころにBを突破しました。僕にちゃんと取り組む能力があればもっと早く合格していたでしょう。日常の訓練を継続していないと成長が遅滞します。
費用は訓練士さんへの訓練費、受験料、遠征費など合わせて400万円くらいだったと思います。都合6年間の額です。
救助犬試験に合格したからといって、いきなり現場で活躍するのはむつかしいと思います。犬・ハンドラーが一体となった活動を繰り返し経験値を高める必要があるでしょう。

前置きが長くなりました。ピースわんこプロジェクトに含まれる救助犬育成についてみていきます。
2010年に夢の丞ほか4頭を救助犬に育成するころ、2名の訓練士(PD訓練士1名以上)をPWJは採用しています。2011年には夢の丞と杏を継続して救助犬に、あと2頭をセラピー犬に転換向させ、さらに候補犬に4頭加えると発表しています。同年11月には新たにハルクを導入します。ハルクのA合格が2014年、夢の丞、杏ともピースわんこから認定試験に合格したとの記事は見つけられません。実際に現場で働けるなら問題はないと思います。が、いささかけったいやなあと思っています。ピースわんこのお知らせではセラピー犬活動が報告されてるのだから、ハルク同様お知らせしていてもいいのに。とにかく現場で働けるのなら問題なし。夢の丞が初出動でもハンドラーが経験豊富なら成果が出ていて不思議はない。
ピースわんこの災害救助犬訓練センタは、それは立派です。他の訓練所とも共同訓練しているようです。
【前編】災害救助犬育成現場を視察してきた!
https://www.docdog.jp/2017/09/magazine-peacewindsjapan-01.html
【後編】災害救助のプロに聞く、一般飼い主にできること
https://www.docdog.jp/2017/09/magazine-peacewindsjapan-02.html

広島県への事業報告書に見るピースわんこ事業     単位(万円)
     2015 2016 2017   2018 2019
救助犬事業 5930 9838 12875 7677 医療・レスキュー事業31967
従事者    6 6  10   10           15
保護犬事業 25041 47025 80153 98017            96280
従事者   22 38  62   82           93

PWJではパスワードがないと見られないけれど、県には提出していたのでPWJの報告からピースわんこ事業のみ抜き出してみた。ま、パスワード設定するわな。誤解もくそもないわな。
保護犬事業は各譲渡センターも含みます。
7か所とも2名以上の体制で、14名以上が各地に散らばっている。
救助犬育成事業も、もともとピースわんこ事業といっていたから
保護犬事業との ダブルカウントがあるかもしれない。
2018年度の事業報告では、
2019年1月31日までに譲渡頭数が1000頭を超えたという記述もある。
表では救助犬事業としているが「捜索救助チーム育成」が
PWJの事業分類である。
悲しいのは2016年の報告では「資金調達」との分類があり
中身は「資金調達制球力の高い犬の保護事業」に注力と書かれていた。
犬好きのことをリサーチしてるんだ。愕然。
2019年には、それまでそれぞれの派遣事業ごとに分散していた
災害支援派遣費をまとめてきた。
PWJではよくある費目の割り当て変更だ。
それ自体は問題がないが、
ピースわんこ事業から切り離しているのかなと思う。
2019年には「馬保護事業」で686万円ばかり使用する。従事者は1名。その馬は相馬市に行くことがあるそうだ。
こちらはまた別の話です。そのうち出てきます。

上とは別に2018年の会計報告で但し書きがありました。
前払いではスコラ犬舎土地借用量355000円が(株)帝釈峡スコラ、
捜索救助チーム業務委託費900000円が(株)帝釈峡遊覧船に
年額がいくらになるかわかりませんが支払われている。
生駒譲渡センターの家賃は297864円だそうだ。
湘南やら世田谷はもっと高そうだし、
7か所の家賃で年2000万円くらいいってるんじゃないか。
2017年度の会計報告で近親者との取引が載せられていて
理事長が理事長として就任する4団体と、
ピースわんこ事業を推進してきた理事長妻が代表取締役につく企業が挙げられていた。
「アシュティ・アンド・カンパニー株式会社」というんだが、法人情報を探したら救助犬の育成などなんだそうだ。…。
外注費で267364204円とある。…。
なんだこれ?2016-18年にかけて現れる数字だけれど。

(裏)とした理由わかっていただけます?

頭を抱え込むのもわかってもらえるでしょう。