明日のブルドッグ ― 2006-07-25
高橋三千綱 草思社 1300円
高橋三千綱は『九月の空』という作品で芥川賞を1978年に受賞している。
だから純文学系の作家に分類されているのだろう。
僕はどちらかというと純文学系の作品はあまり読まないので、
高橋作品を読むのは本書が初めてなのである。
しかし、漫画の原作者としての高橋三千綱とは長い付き合いになる。
『われら九人の甲子園』や『セニョール・パ』などの作品に
原作者としてクレジットされているのを見知っていた。
漫画家が原案を解釈しているにせよ、
それらの漫画を通して知る、高橋作品の世界は好きなのだ。
小説が、漫画で知った味を感じさせるのか、
興味深々に読み進めた。
期待は裏切られることはなかった。
漫画で感じたかるみはそのままに、より深い機微を感じるものだった。
『明日のブルドッグ』は、あの鼻ぺちゃの恐ろしげな顔つきでありながら、
どこかひょうきんを感じるあのブルドッグが物語の中心だ。
高橋さん自身の日常と、フィクションをごった煮にした世界は、
結構リアリティーに溢れている。
パグ犬のリリィの死後、犬のいなかった作家一家にブルドッグがやってきた。
そのブル太郎と命名された犬は、
誇り高く、やさしさと勇気を持ち合わせていて、さまざまな冒険をする。
公園で少女とダックスを助けたと思えば、
傷ついた野生のオオタカを庇護しもする。
このオオタカとの出会いは感動的である。
この一見エッセイ風の作品は、
細部にわたるまで神経が行き届いていて、
しかも現実にありえるかもしれないと思わせる。
大人のファンタジーとのキャッチにふさわしい。
犬好きへの必読書。中でも鼻ぺちゃ好きには絶対の一冊。
高橋三千綱は『九月の空』という作品で芥川賞を1978年に受賞している。
だから純文学系の作家に分類されているのだろう。
僕はどちらかというと純文学系の作品はあまり読まないので、
高橋作品を読むのは本書が初めてなのである。
しかし、漫画の原作者としての高橋三千綱とは長い付き合いになる。
『われら九人の甲子園』や『セニョール・パ』などの作品に
原作者としてクレジットされているのを見知っていた。
漫画家が原案を解釈しているにせよ、
それらの漫画を通して知る、高橋作品の世界は好きなのだ。
小説が、漫画で知った味を感じさせるのか、
興味深々に読み進めた。
期待は裏切られることはなかった。
漫画で感じたかるみはそのままに、より深い機微を感じるものだった。
『明日のブルドッグ』は、あの鼻ぺちゃの恐ろしげな顔つきでありながら、
どこかひょうきんを感じるあのブルドッグが物語の中心だ。
高橋さん自身の日常と、フィクションをごった煮にした世界は、
結構リアリティーに溢れている。
パグ犬のリリィの死後、犬のいなかった作家一家にブルドッグがやってきた。
そのブル太郎と命名された犬は、
誇り高く、やさしさと勇気を持ち合わせていて、さまざまな冒険をする。
公園で少女とダックスを助けたと思えば、
傷ついた野生のオオタカを庇護しもする。
このオオタカとの出会いは感動的である。
この一見エッセイ風の作品は、
細部にわたるまで神経が行き届いていて、
しかも現実にありえるかもしれないと思わせる。
大人のファンタジーとのキャッチにふさわしい。
犬好きへの必読書。中でも鼻ぺちゃ好きには絶対の一冊。
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