彩雲国物語 紫闇の玉座 上・下 ― 2011-10-27
雪野紗衣 角川ビーンズ文庫 上648円 下819円(別)
2003年から始まったシリーズの最終巻になる。
全巻に挿絵を施していた由羅カイリの手によるコミック化がなされたほか、
NHKでアニメ放映もされた。
人から聞いたところでは、腐女子と呼ばれる層から絶大な支持を得ていた作品らしい。
本編だけで18巻、番外編4巻からなる。
第14巻に当たる「黒蝶は檻にとらわれる」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2009/05/08/4292003
以来の感想だ。
それ以前では、本編に当たる「はじまりの風は紅く」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/11/17/958041
「黄金の約束」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/01/15/1112479
「白紅は天をめざす」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/01/01/2540397
の3巻について書いている。
また、番外編の「隣の百合は白」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/04/26/3322314
「黎明に琥珀はきらめく」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/12/03/3990158
にも過去に触れている。
本シリーズは半ば呆れかえりながらも読み続けてきた。
随所にちりばめられる「美」のありえなさにはドン引きさせられたが、
ストーリーそのものは結構面白いものであった。
まあ、剣と魔法の世界にするのなら、するで、徹底して欲しかった。
作品の世界観をどこにとどめるのか、
読者への配慮が、僕には見苦しいと思わせるものとなっていた。
願わくば、この作品の最初の趣旨に立脚して、
時間・空間のありようを調整しなおしたうえで、
新たに大人向けの歴史ファンタジーを書いてもらえないものかと思う。
著者には力量はあるのだろうと信じている。
シリーズファイナルということで、
見ただけで気絶してしまう「美」男子などの軽薄さはない。
その意味では、初刊以来の骨太さを取り戻している。
と言っても、やはりシリーズを通して拡大した矛盾点は解消しきれなかった。
また、いったん与えてしまったキャラのイメージを排除するのも難しいため、
途中の伏線が生かし切れていないと感じるところもある。
そうした不満点は多く感じているけれど、
それなりに楽しめる作品だったと思っている。
上巻が秀麗の活躍が中心で、下巻が王が活躍する巻となっている。
不戦を貫く王の勝利で終わるが、
実際にはこんな奇跡は訪れようもない。
理詰めで詰んでいるものを覆すことは誰にもできない。
それでも大団円は大歓迎。
2003年から始まったシリーズの最終巻になる。
全巻に挿絵を施していた由羅カイリの手によるコミック化がなされたほか、
NHKでアニメ放映もされた。
人から聞いたところでは、腐女子と呼ばれる層から絶大な支持を得ていた作品らしい。
本編だけで18巻、番外編4巻からなる。
第14巻に当たる「黒蝶は檻にとらわれる」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2009/05/08/4292003
以来の感想だ。
それ以前では、本編に当たる「はじまりの風は紅く」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/11/17/958041
「黄金の約束」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/01/15/1112479
「白紅は天をめざす」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/01/01/2540397
の3巻について書いている。
また、番外編の「隣の百合は白」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/04/26/3322314
「黎明に琥珀はきらめく」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/12/03/3990158
にも過去に触れている。
本シリーズは半ば呆れかえりながらも読み続けてきた。
随所にちりばめられる「美」のありえなさにはドン引きさせられたが、
ストーリーそのものは結構面白いものであった。
まあ、剣と魔法の世界にするのなら、するで、徹底して欲しかった。
作品の世界観をどこにとどめるのか、
読者への配慮が、僕には見苦しいと思わせるものとなっていた。
願わくば、この作品の最初の趣旨に立脚して、
時間・空間のありようを調整しなおしたうえで、
新たに大人向けの歴史ファンタジーを書いてもらえないものかと思う。
著者には力量はあるのだろうと信じている。
シリーズファイナルということで、
見ただけで気絶してしまう「美」男子などの軽薄さはない。
その意味では、初刊以来の骨太さを取り戻している。
と言っても、やはりシリーズを通して拡大した矛盾点は解消しきれなかった。
また、いったん与えてしまったキャラのイメージを排除するのも難しいため、
途中の伏線が生かし切れていないと感じるところもある。
そうした不満点は多く感じているけれど、
それなりに楽しめる作品だったと思っている。
上巻が秀麗の活躍が中心で、下巻が王が活躍する巻となっている。
不戦を貫く王の勝利で終わるが、
実際にはこんな奇跡は訪れようもない。
理詰めで詰んでいるものを覆すことは誰にもできない。
それでも大団円は大歓迎。
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