いっちばん2011-10-31

畠中恵     新潮社     514円(別)

「しゃばけ」シリーズは単行本では10集まで進んでいる。
文庫化されたのは、いまのところ、
「しゃばけ読本」を除外すると、本作品集が最新となる。

人気シリーズであり、2002年・2004年にはラジオドラマ化され、
さらに 2007年・2008年にはテレビドラマも放映されている。

廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋の息子で、
非常に体が弱く、両親や二人の兄やから大切にされ、
たいそう甘やかされている一太郎が主人公。
その一太郎は、祖母・おぎんが大妖であったので、
血を受け継いでいるため、妖怪を見ることができる。
が、それ以外に特別な力は受け継いでいない。
二人の兄や・仁吉と佐吉はそれぞれ霊力の強い妖である。
仁吉も・佐吉もおぎんに願われて一太郎を守ることになった。
何をおいても一太郎大事で、過保護に過ぎるが、
過保護が過保護に見えないほど、一太郎は弱いのである。
が、芯は強いため、しばしば優しい性格から他人のために無理をして、
死にそうになっている。
そのほかにも多くの妖が一太郎の周りにはいる。
彼らと楽しげに和気あいあいと暮らす。
そして、その妖たちの力をとしばしば借りて、難問を解決してきている。
シリーズの初めでは数え17歳であったが、
本作のころあいでは数えで20か21になっている。
妖たちの力をとしばしば借りて、難問を解決してきている。

「しゃばけ」シリーズは江戸人情話として楽しむと同時に、
物の怪たちの物語としても楽しめる。
短編が主体で、読み切りできるのもよい。
偉大なるマンネリズムにある作品だと思う。

過去の感想は以下の通り。
「しゃばけ」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/02/17/256926
「ぬしさまへ」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/03/02/275268
「ねこのばば」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/05/22/1525465
「おまけのこ」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/03/03/2688097
「うそうそ」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/12/25/4026389
「ちんぷんかん」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2011/01/17/5642630
ゆめつげ            畠中恵
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/06/20/3586208