和歌山市の動物愛護活動をめぐり2020-09-30

和歌山市で動物愛護のため寄付を募り、
その使途を巡り紛糾していると報道されていた。

殺処分ゼロを目指し避妊手術を施すことを目的に1800万円を目標に
クラウド・ファウンディングを募ったところ、
集まった額は約2500万円に達したという。
今年、市議会でこの寄付金に対する質問がなされたという。
市からの説明は
手術用器具購入費と22匹の手術に疫530万円を使い、
残金はそのまま残っていると説明した。
さらに質問が続いたのだろうか後日2回目の説明があり、
車両借り上げ費や保険代、印刷費などに使用されていて
残額がないと説明された。
さすがに目的外に利用されているとの指摘を受け、
さらに説明する必要が生じたようだ。
3度目の答弁が市議会で行われ
1370万円を使い残りは手付かずであると説明、
市長が謝罪することとなった。
担当職員による釈明では、
予想外に寄付が集まり使い切れなかったため、
便宜上他の費目を割り振り残額を見かけ上なくし、
残余分は一般財源に組み入れ処理したということだった。

基本的に自治体予算は単年度決算であり、
翌年度に繰り越されることはない。
また、余剰金のプールは裏金化しやすく認められない。
そういう中で職員は苦渋の判断をしたのかもしれない。
その点では担当は気の毒なことに
無計画な事業計画につじつまを合わせるという
役所事情に巻き込まれたのだろう。

実施した手術件数が22件とは行政が立てた計画としてひどい。
おそらく和歌山市の保健所に
飼育放棄などにより収容された数は1000を下るまいと思われる。
それらの半数が繁殖可能年齢にあるだろう。
避妊のみを行うのであればさらに半分になろうか。
まあいろいろな変数るだろうが、
行政に持ち込まれるであろう遺棄動物だけで100匹は手術できよう。
どうせPCR運動だったか、
そういう活動に感化され計画されたのであろう。
が、やることがずさんに過ぎた。
手術器具の購入というが、
手術自体を民間の獣医に依頼するのであれば不必要だし、
保健所に設置するのだとしたら、今まで用具がなかったのかと思う。
老朽化したものを新調したのだとしたら、
積極的に手術を行うとの決意であり、
実績が2年で22頭は費用対効果が悪すぎる。
およそまともな計画であったとは信じられない。

手術費用自体は一匹当たり内視鏡手術を行ったとしても
5万から7万が相場であり、それ以外なら3-5万円程度で収まる
当初計画であれば数百頭規模が可能なのにたった22匹。
これでは行政による詐欺的行為と思えてしまう。
詐欺的という言葉が悪ければ欺瞞でもよい。

これが日本の動物愛護の現状であると思うと、
様々な個人や団体が、
寄付金をめぐり疑惑を生じさせるのも無理はなかろうと思ってしまう。

今回の和歌山市の事案は市議の質問により、
総額2500万円は目的に沿った使用が担保されたのだろう。
だが質問がなければ一般財源化された以上、
当初の目的再び割り当てられることはなかったのではないか。

いろんな意味で胸糞悪い騒動である。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kumaneko.asablo.jp/blog/2020/09/30/9300706/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。