犬と話をつけるには2006-07-29

多和田悟  文春新書  680円

食いーるを育てた訓練士として、いまやカリスマとなった多和田さんの本。
( ↑クイールの間違いやろとの指摘あり。ごもっとも! )
帯にはでっかく『犬語の話し方教えます』。
本書は3章からなる。
1 犬を知るための5つの法則
2 私はなぜ盲導犬を育成するのか。
3 犬と毎日をどう過ごすか

1では多和田氏がその訓練士生活で学んだ犬の姿が書かれている。
犬は人間とは違う。この当たり前のことを人は忘れがちだ。
錯覚して犬に反省を求めたり、原因と結果を整理させようとしたり、
犬の特性を知らない付き合い方が、人と犬とを不幸にしていると指摘している。
「褒める」「叱る」を効果的に使い分けることの大切さを繰り返し強調されている。
楽しく遊びながらの訓練が、上手に「褒める」ことと合わさったとき、
犬が実に楽しく学習していくという。
そうした経験を軸にして述べる、犬との話のつけ方は、
私たち一般人にも大いに参考になる。

2は、盲導犬の訓練士が現在人気になっていることへの苦言を述べている。
盲導犬の訓練士は人が好きでないと勤まらないと、釘をさしている。
これはもっともだと思う。
犬を訓練する技術というだけなら、素人でも優秀な人は多い。
アジリティーあたりをしている人なら、
見よう見まねで盲導犬ごっこなら訓練可能なのかもしれない。
だけど盲導犬訓練士の本当の姿は、
共同訓練以降にあるといって良いのではないだろうか。
犬に対して以上に、人に対して興味がなければ、
優れた訓練士とはいえないのだ。
人嫌いで犬が好きだから盲導犬訓練士になりたいなんていうのは、
大錯覚に過ぎないと知るべきである。

3では多和田家のゴールデンとの生活を紹介している。
訓練士の犬と一般家庭犬に差異はないということを述べている。
なんやしらんけど、訓練士に親しみをもてますよ。

本書のあちこちに犬と暮らすためのヒントが隠されている。
しつけや訓練のポイントも巧みに伝授してくれている。
犬とはじめて暮らす人や、犬との暮らしに自信を失いがちなベテランにも、
本書は特効薬として効きます。

コメント

_ ばくぅ ― 2006-07-29 08:08

『食いーる』ってなんだ…?って、まじ考えたよ。
盲導犬クィールのことだったんだな(笑)
さすがくまちゃん、宇宙語変換の達人である♪
もっとも…食いしん坊なおいら、『クィール』より
『食いーる』のが、食いつきはよかったさぁ(爆)

_ くまねこ@宇宙語誤変換男 ― 2006-07-29 20:33

おおおお!
確かに。じぇんじぇん気づかなかった。
さすが帝王の名をほしいままにしただけのことはあるでしょ。
コメントもらっちゃったから訂正せんと恥かいとこ。

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