Deep Love パオの物語((全2巻) ― 2006-09-11
黒沢明世 画 YOSHI原作 講談社 各486円
ケータイから生まれたベストセラー小説のコミック化。
Deep Loveシリーズは、話題になっていても読む気にならなかった。
なんとなく周りにいる10代の子どもたち、
話題の本はとりあえず読んでおくという習性の知人たちから感想を聞き、
くだらないものという印象を持ってしまったのだ。
原作が単行本として発売されてから足掛け4年が経つ。
いまだに売れ続けていて、コミック化やドラマ化されている。
何がそれほど読者を惹きつけるのか、今頃、気になってきた次第である。
ウリ、援交、シングルマザー、AIDS、虐待など、
さまざまな社会不安を扱っているが、
その切り口が爽やかなものとは言えないというのが、わが知人たちの弁だ。
特別編の犬の物語はよかったけど。。。全体として吐き気が刷る物語との評価も聞いた。
一方で、高校生の評価はきわめて好意的なものが多く、
世代間格差が大きく、僕はもやもやとした思いでいた。
今回、その犬の話というのがコミック化されていると知り、買うことにした。
評価がざっくり分かれたのがなんとなく理解できた気がする。
この物語には救いが無い。夢も希望もない。
コミックで、しかも動物もので忠実さを売りにしているから、
少しくらい感動できるかと思い読み進めたものの、
設定が唐突で、しかも典型的に受ける話として成り立っていて、
みえみえに泣かせるようになってしまっている。
僕には受け入れることのできない作品世界になっている。
エピソードの一つ一つを見て悪いといっているのではない。
動物虐待の事実や、飼育放棄、愛護施設の現況などよく調べている。
ホームレスや老人介護の暗部を取り上げるなど啓蒙的な部分もある。
しかし、作品の最後に提示されている調和が、ありえない結論へと向かい、
救いが無い物語なのに、美談かのように錯覚させかねない。
なんだか、そういう作品の成り立ちを拒否してしまいたいと思うのだ。
涙は流せるだろう。そういう風に作られているから。
原作にも同じ感覚を覚えてしまうのか、
近いうちに本編を含めて読んでみようと思う。
ケータイから生まれたベストセラー小説のコミック化。
Deep Loveシリーズは、話題になっていても読む気にならなかった。
なんとなく周りにいる10代の子どもたち、
話題の本はとりあえず読んでおくという習性の知人たちから感想を聞き、
くだらないものという印象を持ってしまったのだ。
原作が単行本として発売されてから足掛け4年が経つ。
いまだに売れ続けていて、コミック化やドラマ化されている。
何がそれほど読者を惹きつけるのか、今頃、気になってきた次第である。
ウリ、援交、シングルマザー、AIDS、虐待など、
さまざまな社会不安を扱っているが、
その切り口が爽やかなものとは言えないというのが、わが知人たちの弁だ。
特別編の犬の物語はよかったけど。。。全体として吐き気が刷る物語との評価も聞いた。
一方で、高校生の評価はきわめて好意的なものが多く、
世代間格差が大きく、僕はもやもやとした思いでいた。
今回、その犬の話というのがコミック化されていると知り、買うことにした。
評価がざっくり分かれたのがなんとなく理解できた気がする。
この物語には救いが無い。夢も希望もない。
コミックで、しかも動物もので忠実さを売りにしているから、
少しくらい感動できるかと思い読み進めたものの、
設定が唐突で、しかも典型的に受ける話として成り立っていて、
みえみえに泣かせるようになってしまっている。
僕には受け入れることのできない作品世界になっている。
エピソードの一つ一つを見て悪いといっているのではない。
動物虐待の事実や、飼育放棄、愛護施設の現況などよく調べている。
ホームレスや老人介護の暗部を取り上げるなど啓蒙的な部分もある。
しかし、作品の最後に提示されている調和が、ありえない結論へと向かい、
救いが無い物語なのに、美談かのように錯覚させかねない。
なんだか、そういう作品の成り立ちを拒否してしまいたいと思うのだ。
涙は流せるだろう。そういう風に作られているから。
原作にも同じ感覚を覚えてしまうのか、
近いうちに本編を含めて読んでみようと思う。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kumaneko.asablo.jp/blog/2006/09/12/520898/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。