『テロリストのパラソル』 ― 2007-06-09
藤原伊織著 講談社 1995刊 ¥1359
史上初!乱歩賞・直木賞W受賞 ハードボイルド
ミステリなら江戸川乱歩賞、大衆小説なら直木賞は最高峰の文学賞といえる。
一人の作家がその両賞を受けるというのは
桐野夏生や東野圭吾など珍しいことではないが、
ひとつの作品で両賞を受賞したのは藤原伊織が空前にして絶後なのである。
出版事情などの状況もあったのかもしれない。
が、確かに両賞を受賞するに相応しい充実した小説である。
主人公は学生闘争末期の1971年に起きた爆弾事件に関係し、
警察から姿を隠しひっそりと都会の雑踏に暮らす
中年のアルコール中毒者=島村という男である。
物語は10月の新宿中央公園で幕を開ける。
犠牲者が多数出る爆発事件がおきる。
事件が起きたとき島村は現場近くにいた。
昔の事件で警察に追われている島村は姿を隠そうとする。
姿を隠す直前に島村は一人の女性に出会う。
彼女は20年前に一緒に暮らした女性=優子の娘だった。
そして島村は意外な事実を知ることになる。
優子は事件により死亡していた。
そして20年前の爆弾事件で行動を共にしていた友人=桑野も爆発に巻き込まれて命を落としていた。
20年前に学生運動を共に戦った仲間二人の死の謎に島村は挑み始める。
大都市東京の暗部であるホームレスや
姿を変化させる暴力団・合法ドラッグの蔓延などを織り込みつつ、
20年前に起きた事件の人間関係がパズルのように入り組んで
事件は意外な結末を迎える。
スピーディーなストーリー、個性的な登場人物、
意外な結末と読む者を決して厭きさせない完成度には脱帽だ。
史上初!乱歩賞・直木賞W受賞 ハードボイルド
ミステリなら江戸川乱歩賞、大衆小説なら直木賞は最高峰の文学賞といえる。
一人の作家がその両賞を受けるというのは
桐野夏生や東野圭吾など珍しいことではないが、
ひとつの作品で両賞を受賞したのは藤原伊織が空前にして絶後なのである。
出版事情などの状況もあったのかもしれない。
が、確かに両賞を受賞するに相応しい充実した小説である。
主人公は学生闘争末期の1971年に起きた爆弾事件に関係し、
警察から姿を隠しひっそりと都会の雑踏に暮らす
中年のアルコール中毒者=島村という男である。
物語は10月の新宿中央公園で幕を開ける。
犠牲者が多数出る爆発事件がおきる。
事件が起きたとき島村は現場近くにいた。
昔の事件で警察に追われている島村は姿を隠そうとする。
姿を隠す直前に島村は一人の女性に出会う。
彼女は20年前に一緒に暮らした女性=優子の娘だった。
そして島村は意外な事実を知ることになる。
優子は事件により死亡していた。
そして20年前の爆弾事件で行動を共にしていた友人=桑野も爆発に巻き込まれて命を落としていた。
20年前に学生運動を共に戦った仲間二人の死の謎に島村は挑み始める。
大都市東京の暗部であるホームレスや
姿を変化させる暴力団・合法ドラッグの蔓延などを織り込みつつ、
20年前に起きた事件の人間関係がパズルのように入り組んで
事件は意外な結末を迎える。
スピーディーなストーリー、個性的な登場人物、
意外な結末と読む者を決して厭きさせない完成度には脱帽だ。
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