バッテリー Ⅴ2008-01-14

あさのあつこ   角川書店   476円

全巻までの感想は以下の通り。
バッテリー   
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/06/16/1582055
バッテリー Ⅱ
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2007/12/03/2469986
バッテリー Ⅲ
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/01/02/2542319
バッテリー Ⅳ
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/01/08/2551139

で、今回は5巻。

ギクシャクしていたバッテリーが変化していく。
覚悟を決めた豪と、豪の覚悟で何かが変わる巧。
二人の関係は、友達ごっこにはならず、敵同士でもない。
自分のすべてで投げ、受け取る、
油断したらすべてが飲み込まれていく、そういう関係になる。
一度は巧の球から逃げ出そうとした豪は、
見事なまでの覚悟を決めて向き合う。
その豪の覚悟に呼応して、巧の球は荒ぶる。
荒ぶる球とは裏腹に、巧みは孤立から融和ではない新たな心を得る。
二人がバッテリーとして、新たな一歩を踏み出していくのだ。

途中で没収試合となった横手2中との再選が、
海音寺と瑞垣の間で進められていく。
純粋に野球をする喜びに魅せられた中学生たちは、
自らの医師で歩き始めた。

中学生が、ここまで強い意志を持ちえるのか、
過去を懸命に覗いて見たが、答えは見つからなかった。
こんなに一途に進みきる強さを、
過去の自分は持っていなかった。周りにも見出せなかった。
ここにいる少年たちは、存在しているのかと、疑問が涌いてくる。
周囲に、これほどの犠牲を強いる才能があるならば、
才能に出会ってしまったものは不幸なのかもしれない。

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