紗央里ちゃんの家2009-02-08

矢部嵩  角川文庫   438円

ちょっと不気味だけれどホームコメディーといってもよい、のか?
2006年「第13回日本ホラー小説大賞長編賞」受賞作品だそうだ。
前年の大賞作「夜市」のような情緒的な感性は感じられない。
だから大賞に当てはまることは無かったのだろう。
面白いと感じるか、くだらないと感じるか、さまざまだろう。
僕は、とっても微妙な読後感を持った。

登場する人物は、全部で9名と少ない。
親戚同士の2家族のみだ。
視点は、小学5年生の「僕」で進められる。

毎年恒例になっている父の生家への訪問。
例年との違いは、高校受験を控えた姉が不参加のため、
母も家に残ることになったこと。
それから祖母が風邪をこじらせ亡くなったためいないということ。
僕と父だけで、おじさんの家に行くことになった。
到着したら、おばさんの手は血で真っ赤に濡れている。
家の中のあちこちにも血のあとがあるし、
おまけに家中変なにおいがする。
おばさんの説明もどこか遠くから上の空。
従姉妹の紗央里ちゃんがいないのも、
家出といっているだけで心配もしていない。

どこか妙だなと思いながらも、例年のように家族の交流をはじめはする食卓にはカップめん。
いつもと違うなと思ってみるが美味しいから良いと僕。
おじさんと風呂に入ったあと、洗濯機の下にあった指を発見。
僕は家中を、見つからないようにして捜査を始める。

そうしたら、家の中は体の一部分があちこちにおいてある。

不気味で気色悪い物語ですが、
妙に明るい作品です。

こういう家族の存在は信じられないことに有るような気がします。

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